(文系)大学院生の就職活動

「公共政策大学院」「就職活動」または「就職」という検索語で、
このブログにアクセスしてくださる方もいらっしゃるようなので、
2回にわたって私の就職活動についてまとめてみたいと思います。


※注:自己の経験に基づくものですので、あくまでも参考と考えて頂けると幸いです。
(2007年7月1日現在ほぼ執筆終了)


Q1.就職活動を始めたのはいつ頃?

A.2006年10月です。(2008年3月修了見込みです。)
・この時期よりリクナビ、マイナビ、日経ナビなど就職サイトがオープンします。
 企業の新卒採用のページがオープンし始めるのもこの時期からです。
 早い企業ですと会社説明会も始まります。
 (注:近年はオープンの時期が早まっているようです。)


Q2.就職サイトにはいくつ登録した?

A.3つです。
・「リクナビ」「毎日就職ナビ(マイナビ)」「日経ナビ」の3つです。
 企業によっては複数のサイトに掲載しています。
 一方で「リクナビ」だけ、「マイナビ」だけ、「日経ナビ」だけに掲載という企業もあります。
 むしろ後者の方がほとんどで、学生にとっては不便ですが、冒頭に挙げた3つを登録しておけば、
 だいたいカバーできるはずです。そもそも就職サイトに掲載しない企業もありますからなおさら注意です。


Q3.情報はどうやって集めた?

A.インターネット、会社説明会、OB訪問などです。
・会社のホームページはもちろんのこと、「みんなの就職活動日記」や「2ch」も利用しました。
 ネット上にウソ・ホントの膨大な情報があふれかえっています。「参考程度にする」に留めておく方が良いと思います。
 一番は、やはり直接自分の足で稼いだ情報だと思います。
 大学の就職課(キャリアセンター)も学費の内だと思って利用しまくりました。


Q4.合同会社説明会(就職エキスポなど)には行った?

A.3回行きました。
・先着○○名様に「就職対策本」プレゼント!に飛びついたりしました。タダでもらえるものはもらっておく!です。
 世間一般に名前が知れている企業のブースは人でいっぱいです。
 そのような企業はホームページでも情報が詳しかったり単独の会社説明会を開いたりしていることが多いですから、
 合同説明会に来てまで聞く必要はあまりないと思いました。
 ねらい目は「自分が志望する業界」で「聞いたことがない会社さん」で「空いている場所」。
 人事の方や社員さんと仲良くなって、「面接ではどういうところが見られているのか」、
 「社会人と学生との違いは何か」「仕事観」「職業観」を聞き出してみたりしてたいへん勉強になりました。
 

Q5.インターンシップは経験した?

A.2回経験しました。
・学部3年生の時に1回、修士1年生の時に1回経験しました。いずれも官公庁系でした。
 近年は、かなり早い段階からインターンシップを募集している会社が多くなっています。
 ぜひ参加されてはいかがでしょうか。
 

Q6.資格は取得した?

A.普通自動車第一種免許以外にはこれといって特筆する資格は持っていませんでした。
・就職に有利と言われているTOEICですが。
 外資系、コンサル系、語学系など明日からの仕事に直結する業界を志望される以外、
 選考の過程で必ずしも必要とは思いませんでした。
 もちろん、「資格を取得するためにこれだけ勉強し、これだけ成果を残した」と
 アピールできることに変わりはありません。
 「なぜその資格を取得したのか」(←面接で聞かれました。)
 ただ端に「周りが受けていたから」「就職に有利と聞いたから」という単純な理由は、
 避けた方が良いのではないかと思いました。


Q7.志望した業界は?

A.出版、新聞、金融、人材、教育サービス、小売、メーカーです。
・第一志望業界は(教育系)出版でした。しかし、業界問わず手広く回りました。
 数は60社以上エントリーして4〜50社は選考に進んだと思います。正確な数は数えていません。。。
 幅広く回ることで見聞を広めると、「仕事観」「職業観」「人生観」など養うことが出来ると思います。
 さらには、第一志望業界の志望動機、理由がより明確に、そして具体的になりました。


Q8.文系大学院生は民間への就職が厳しいって聞くけど?

A.世間一般で言われているほど厳しくは感じませんでした。
・私も正直なところ最初はビビっておりました。「文系大学院生」ということだけで書類の時点で切られたりするのかと。
 実際は、ほとんど書類で切られることもなく面接して頂けました。2次、3次と選考も進みました。
 (注:私は、文系大学院卒の採用実績のある企業に応募しました。)
 近年は文系の大学院進学率も上がっておりますし、世間の評価も変わってきたのかもしれません。
 大学院の私の同期もインフラ、金融、物流、人材、シンクタンクなどなど就職先が決まっており、
 要は自分次第ということだと思います。


Q9.大学院での研究は就職活動でも評価された?

A.残念ながらこれといって評価はされなかった印象です。
・研究の内容ではなく研究活動から何を学んだのかを多くの面接で聞かれました。
 (グループ研究ならば、グループ内で自分はどんな役割を果たしたのかなど。)
 私の場合は「情報を鵜呑みにせず疑問に思ったらまず調べてみる姿勢が身についた」です。
 その具体例として研究の概要(動機、仮定、分析、結果を端的に)を話す程度でした。
 振り返ってみると学部の時のネタを話すことが多かったように思います。
 とある企業の集団面接で研究の内容を一生懸命話す大学院生の方がいらっしゃいましたが、
 面接官は早く切り上げて欲しいという感じで終始時計ばかり見ていました。
 (注:もちろん、その企業がどんな人材を求めているかで異なってくるはずですのでこの限りではないと思われます。)
 

・あくまでも私の感想ですが。
 大卒も大学院卒も(文系に限定して言えば)新卒採用には変わりはないと思いました。
 なぜなら両者とも来年4月から社会人1年生になることには変わらず同じスタートラインを切るからです。
 つまり、言葉は悪いかもしれませんが、「既卒2年目と変わらない」ともいえるのです。
 大学院生活2年間をいかにして過ごしてきたか。学部卒の方以上にアピールできるものがないと厳しいと思いました。
 「文系大学院生の民間への就職が厳しい」点を挙げるとすればやはりこの点ではないかと。
 また、企業が新卒採用をするということに、即戦力は期待していないと感じました。
 即戦力を期待するなら中途採用すればよい訳です。
 その人が会社に入って成長する伸び白があるかどうか。
 その人の性格が会社の雰囲気や方針に合うかどうか。特にこの2点を見られていたような気がします。
 (注:研究内容が明日からの仕事に密接に結びつくような職業はこの限りではありません。) 


Q10.大学院生だからこそ聞かれたと思われる質問ベスト3は?

A.1位「なぜ大学院に進学したのか?」
  2位「学部時代に就職活動をしたか?しなかったのはなぜか?」
  3位「年下の学部生と同期になるが、うまくやっていけるか?」
・いずれの質問に対しても明るく笑顔で前向きな答えをするように心がけました。
 ただ単に「勉強したかった」という理由で「大学院に進学した」と答えると、「なぜ?」と聞かれることが多いと思います。
 「勉強する」のであれば、社会人になってからも「勉強」は出来るし、
 社会人として働きながら夜間の大学院に通う方もいます。従って具体的に答える必要があると思います。
 (注:正直なところ、明るく前向きに答えれば理由は何だってよさそうな感じではありました・・・。)


Q11.就職活動で心がけたことは?

A.第一印象と若さと熱意。
・自分で言うのも恥ずかしいのですが、以上3つです。
 写真屋さんで就職写真を撮り(即日発行、即日焼き増し、土日営業の所がおすすめ)。
 髭を剃り、靴を磨き、スーツのシワを伸ばし。
 面接では明るく笑顔でハッキリとした声で臨みました。
 「院生チックと思われたたくない」と気持ちのどこかで強く思っていたからでしょう。
 熱意の示し方は、企画書、お礼状、レポート、いろいろやりましたけれども。。。
 正直なところ効果があったかどうかは微妙です。


Q12.就職活動を終えてアドバイスとかある?

A.余計な力を入れる必要はありません。
・「大学院生だから」「面接は苦手だから」「緊張し易いから」など、
 余計な力を入れる必要はまったくありませんでした。
 面接で話すことを一字一句丸暗記するようなことも返って逆効果です。
 素で臨んで会話のキャッチボールを心がけて臨めば大丈夫でした。
 私も本番に弱いタイプですが、面接の数を重ねれば次第に慣れました。
 しかしそうは言っても第一志望の企業の面接は緊張するんですよね・・・(苦笑。
 これも経験ですね。数多くこなすことがポイントだと思います。
 

Q13.ぶっちゃけ文系の大学院に進学して良かった?

A.私にとっては良かったです。しかし、人にお勧めはしません。
・決して後悔しているわけではありません。
 私にとっては、大学院に進学して貴重な経験をたくさん積ませていただきましたし、
 学部の時とはまた違った素敵な友人を多く持つことが出来ました。
 また、本気で就職を意識しながら学生生活を長く送ることができたことによって、
 仕事に対する考え方も変わりました。
 つまりは「選択」だと思います。
 おそらく、学部時代に就職活動をしていたら、内定を頂いた企業とは別の企業に就職していたでしょう。
 言葉は悪いかもしれませんが「なるようにしかならない」といったところでしょうか。 


Q14.最後に文系大学院生に一言?

<これから民間への就職活動をする文系大学院生の方へ>
・学会で発表したり、研究論文が表彰されたりといった功績を残す院生ではなかった私が言うのもなんですが、
 読んでいただいて少し分かっていただけた通り、文系大学院生だからといって民間就職は厳しいということはないようです。
 ただ、「厳しくはない」といっても当然ですが就職活動における苦悩・困難が無くなる訳ではありません。
 要は自分次第なんだということでした。自信を持って臨まれれば問題ないと思われます。


<文系大学院への進学を決めており、卒業後は民間に就職することを考えている学部生の方へ>
・私が1つ後悔していることを挙げるとすれば、学部生の時にまともな就職活動をしなかったことです。
 大学院への進学を考えている、または既に進学が決まっているのであっても、
 もし時間に余裕があれば説明会なり選考に参加して、経験を積んでおくのも良いのではないかと思います。
 私のように本番に弱い、あがり症の方は特に。。。


<そもそも文系大学院への進学を迷っている方へ>
・「進学と就職どちらか正しいのか?」という問いに正解がないところが難点ですよね。
 しかし、安易な気持ちで進学することはお勧めできません。
 学部時代よりも少人数で濃密な授業が多く、発表の回数が増え求められる質も高くなります。
 そのため多くの時間を準備に割く必要も出てきます。修士論文も書かなくてはなりません。
 また、民間への就職が世間一般で言われているほど厳しくはないと結論付けたとはいえ、
 院卒募集していない企業も少なからずあり、その点ではリスクと言えると思います。
 文系院卒採用の実績のある企業がどれくらいあるのかを調べ、
 納得できるまで悩み、多くの人に相談し答えを出してみてください。
 

おまけ:就職活動で参考になった本リスト

<就職活動基本書>

就活 こんなときどうする事典〈2008年度版〉 (就職の王道BOOKs (2))

就活 こんなときどうする事典〈2008年度版〉 (就職の王道BOOKs (2))

成功するEメール・エントリーシート・履歴書・手紙・電話〈2006年版〉

成功するEメール・エントリーシート・履歴書・手紙・電話〈2006年版〉

就職四季報〈2007年版〉

就職四季報〈2007年版〉

就職ジャーナル11月号〜8・9月号
出版社/メーカー: リクルート
発売日: 毎月1日
メディア: 雑誌

※私のように学部時代まともな就職活動をしなかったという方は、上記に挙げたような基本書を手元に置いておくと良いと思います。
 就職活動中困ったことが起きた時に役に立ちます。就職活動も情報戦でした。

<筆記試験対策本>

SPI2&テストセンター出るとこだけ!完全対策〈2008年度版〉 (就活ネットワークの就職試験完全対策)

SPI2&テストセンター出るとこだけ!完全対策〈2008年度版〉 (就活ネットワークの就職試験完全対策)

これが本当のSPI2だ!―問題の再現度・情報の精度・説明の分かりやすさNo.1

これが本当のSPI2だ!―問題の再現度・情報の精度・説明の分かりやすさNo.1

Webテスト(2)完全対策【TG-WEB・Web-CAB・WEBテスティングサービス】 (2008年度版)

Webテスト(2)完全対策【TG-WEB・Web-CAB・WEBテスティングサービス】 (2008年度版)

最新時事用語&一般常識【新聞ダイジェスト3月別冊号】
出版社/メーカー: 新聞ダイジェスト社
発売日: 2007/02
メディア: 雑誌

※テストセンター受験を課す企業が増えているそうです。私もいくつかの企業の選考過程でありました。
 筆記試験(SPI2)対策は上記2冊を2〜3回通して勉強すれば問題ないと思われます。
 一般常識対策は新聞ダイジェスト社の別冊号が問題とセットになっていて使いやすかったです。

<論作文試験対策本>

自己プレゼンの文章術 (ちくま新書)

自己プレゼンの文章術 (ちくま新書)

社説対決・五番勝負 (中公新書ラクレ (235))

社説対決・五番勝負 (中公新書ラクレ (235))

※「就職試験論作文=自己PR」と教えてくれたのが『自己プレゼンの文章術』でした。
 どんなテーマがきても自分の体験をエッセンスにして書け!ということを実践したところ、
 論作文試験で落ちた企業はありませんでした。
 (注:企業によって何を基準にしているかわからないので断言は出来ません。)

<面接試験対策本>

リクルート式・一瞬で人事担当者の心をつかむ方法

リクルート式・一瞬で人事担当者の心をつかむ方法

面接対策〈2008年度版〉―本命企業の内定獲得を目指す (日経就職シリーズ)

面接対策〈2008年度版〉―本命企業の内定獲得を目指す (日経就職シリーズ)

内定勝者2008 「私たちはこう言った! こう書いた! 合格実例集&セオリー/エントリーシート、履歴書、面接、志望動機、自己PR 」

内定勝者2008 「私たちはこう言った! こう書いた! 合格実例集&セオリー/エントリーシート、履歴書、面接、志望動機、自己PR 」

※私のようにスイッチが入るとベラベラ喋ってしまう方は、一読された方がよろしいかと思います。
 また、志望度がそれほど高くない業界、企業も受けることにもなるはずですので、
 業界別に整理された志望動機、理由は大変参考になります。
(注:人事も就活マニュアルには目を通していると考え、丸パクリはしない方が吉。)