関西のテレビ局の問題を関係者と語る

近々アメリカ村にライブシアターをオープンする方から、宣伝して欲しいから見に来てほしい。という連絡を受けたので、知り合いの芸人さんの主催ライブもあったので、ライブ前に見学に行きました。まだ劇場の名前も決まっていなかったので、その辺が決まったらここでも告知したいと思います。
一通り見学させてもらったあとで、少しオーナーさんと立ち話という感じになったのですが、そのオーナーさんは前々から関西で芸能関係の仕事を、長くやられているというか、代々でしているような方だったのですが、大阪の芸能メディアの現状について、一昨日の記事で僕が書いたことと、ほぼ同じような考えが返ってきていました。
特にディレクターと作家の勉強不足、取材不足というのをその方は指摘していて、局のスタッフは新しいことをしよう、新しいものを見つけようというアンテナを、全く広げていないし、作家もネタ出しばかりが仕事になっていて、物作りをする役割を果たしていない。その役割を与えられなくなっていて、それが当たり前のことのようになっている。という話題になりました。
僕が東京のお笑いライブを見に行って驚いたのは、どんな小さいライブでも、テレビ局関係者みたいな人が、新しい芸人を発掘するために見に来ていたり、カメラ回しにやってきているのに、多く遭遇したことがあります。あんなの大阪の劇場では、baseよしもとやB1角座ですら見たことがない。いや『エンタの神様』は来ていたけど、大阪で関係者っぽい人がチェックに来ているなんて無かった。まあ実際、東京の芸人さんのブログを見ていると、「オーディションでテレビ局に来ている」というエントリーが、ほぼ毎日のように上がっているような人もいるけど、大阪は若手芸人というのは、吉本や松竹、もしくは息のかかった作家さんが順繰りで出していくから、オーディションがそもそも存在しないらしいです。
局のスタッフが自分たちの番組に出す若手芸人を、自分たちでオーディションすらせずに、大手プロダクションの推薦や作家の提案に任せている。芸人の選択ですらこれなんだから、そりゃ番組の内容や取材先などで、新しいものを見つけていこうなんてことは無いのでしょう。
僕の知る限り、バラエティ班がまともに取材したり、招待されて劇場など行ってるのは、大阪だとNHKの人ぐらいですね。ただNHKの場合は全国のNHKから転勤とかがあるから、バラエティ班でも局のスタッフが自ら取材したり、新しい人や物を見つけに行くのが当然になっているだけで、大阪は完全に片手もない芸能プロダクションなどの供給に依存している。という誹りは受けても仕方ないでしょう。
去年もある劇場のトークコーナーで、ケーエープロダクションの芸人が、結構長いことやってる人なのに、「テレビのオーディションは、東京の番組のにしか行ったことがない」と言ってましたからね、逆に東京のテレビ局は、東京にも沢山芸人がいて、プロダクションがあるのに、大阪の中小プロダクションにまで、オーディションの案内を出すのに、大阪の局は一切していないというのは、大阪の状況を現しているでしょう。
僕の知り合いで、いまは古典芸能に関わっている方が、大学卒業の際に、テレビ局の就職が適わなかった時に、何とかテレビ番組の制作に関わりたいと、構成作家になろうと考えて、ある有名構成作家の学校に行ったけど、その方が元々「台本を書かない構成作家」の走りみたいな人だったこともあって、授業内容が「どんな風に業界に入り込むか」とか「人間関係の築き方」というような内容ばかりで、それが作家の仕事の全てみたいな内容にガッカリして、いまの道に進んだという話を聞いたことがあるのですが、そういう流れはもっと進んでいるのかなと思いました。
だから昔のように、吉本の中でも本流から外れていたぜんじろうが抜擢されたり、関西小劇団から古田新太や生瀬勝久が抜擢されたり、そういう流れは、いまの人の流れだと期待できないんでしょうね。またそういう流れ以外から抜擢されても、既存の人達から嫌われますしね、UKみたいに。

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daiyusaku テレビ パノラマはアルチュン目的で見てたけどデニーロも八万も面白かった。どの番組もお金は掛けずにアイデア勝負で良かった/クヮンガクもあったし/ジャイケル枠はマジっすかの面白さは越えてない

『八万長者』は同じ時期にフジテレビでやっていた『百萬男』より、予算もかけずに丁寧な作りで、お仕着せでない感動話に着地することが多くて、良い番組でしたねえ。いまやってる『ロケみつ』も稲垣早希のパーソナリティで持ってるけど、番組の企画やVTR作りの質については、いずれも『アルチュン』『御影屋』『マジっすか』『クヮンガク』と比べると相当に落ちますよね。
というか先日の『ジャイケルマクソン』みたいに、再び陣内に『クヮンガク』みたいなロケをさせるという企画をすることが、あの番組スタッフの思考停止を現しているでしょう。

nizukakotaro MBSは「ジャイケルマクソン」終わらせて、span!とスマイルがメインの番組やったら、見直すんですけどねぇ。

まあ僕もその辺の華も実もある人達を抜擢して、番組作って「俺達の力で売り出す」というぐらいの気概を見せて欲しい。という気持ちを持って欲しい。という希望も込めて、前回、今回とこのエントリーを書いたのですが、本当は民放の方で『あほすき』みたいな番組やって、司会者を大胆に抜擢して、企画ももう少しNHKでは出来ない冒険をするのが、一番理想なんですけどねえ。
とりあえず大阪は文化人とかも、別に大阪在住の作家や漫画家はまだ沢山いるし、ミュージシャンとかもいるのに、竹内義和やひさうちみちおの世代で完全に止まっている。いやヘタしたら妹尾和夫とか、一世代戻ったりしている。それより若い関西在住の人達は、メディアが全く目を向けないから、それこそどんどん東京への流出が止まらないし、大阪に住んでる人なのに、東京のメディアが先に注目して、後々に大阪のメディアが追随するというのが、ここ数年、芸人も含めて多すぎる。これを恥ずかしいことだということにすら気付いていないのが、いまの大阪の芸能メディアの一番の癌と言えるでしょう。
ホンマに最初の話に戻るけど、やっぱりどっかの放送局が潰れるとか買収されるとか、そのぐらいの所までいかないと、荒療治は始まらないんだろうなあ……。でも地方の方がネットメディアとかはチャンスだよね。戦う相手が元々強くないというのはやりやすいことでしょう。
そのあとで、見に行ったお笑いライブが、NSC31期生と32期生中心で、上の方でも29期生という面子のライブでしたが(32期生が今年の3月のNSC卒業生……だったはず)、箸にも棒にもかからない子がいなかった。とは思いませんが、今までこういうライブを見に行くと、ベクトルが同じような子が十何組も延々と見せられる、ということが多かったのですが、まだまだ荒削りながらも色んな方向に顔を向けている人が多くて、レベル云々よりもバリエーションの豊富さが飽きさせなかった。
主催者の芸人が、二回目ぐらいの主催だったということもあって、色々と詰め込みすぎで長丁場になりすぎ疲れましたが、若い芸人が色んな道を考えるようになっている中で、依然として一本の道しか用意できない、それも定員が決まった細い道しかない大阪の状況では、彼らを受け入れる余裕はないだろうなとも思ってしまいました。東京の人に見つけてもらった方が早そうな子が、何組もいたということが、最大の感想になってしまいますね、どうしても。

4860780477大映テレビの研究
竹内義和
澪標 2005-01

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