
バキ最終回。ああ、とうの昔に腕っぷしで決着のつく時代ではなくなっていたんだなと思わせる終わり方だった。だからある程度納得のいくまとめ方だな、これは。もはや梶原イズムは過去の遺物で、男根主義も無理があるんだろうなあ。
2012-08-16 18:52:21
バキシリーズって、確かにギャグと見る向きも少なくない、というか多いんだけど。でも、アレ描いてる板垣先生は全くギャグだと思ってないんじゃないかな、逆に超真剣にアレを描いてる気がする。むしろそれをギャグと見なしてしまっているのは読者の穿った見方でしかないんではなかろうかと思う。
2012-08-16 23:33:02
言うなれば、山田芳裕作の「へうげもの」に見られる「必死さ、真剣さゆえの一笑」をとして捉えるヒトが多いような。なんだかそこに受け取り方の齟齬あるようで仕方がない。
2012-08-16 23:40:14
梶原イズムと言うか、有無を言わせぬ説得力を持った荒唐無稽さ、というのは雄々しさに因る所があるんだと思います。バキもそんな荒唐無稽に満ちた、言霊と圧倒的描写が魅力の作品だと感じてます。と言っても、自分はちゃんとシリーズ全部読んでるわけじゃないんですけども。
2012-08-16 23:47:13
その雄々しさって、怒張力あるいは純粋に「力」の誇示であるのでしょう。ゆえに「バキ=男根の作品」であると言えます。例えば土佐の闘犬は睨みあい、先にほえ噛み付いた方が負けです。要は威圧感で敵を圧倒するわけですね。
2012-08-16 23:51:28
今回の勇次郎とバキの最終決戦は、そういった「力の誇示と萎え」が象徴的だったんじゃないかなと。翻っていえば、勇次郎はバキがずいぶん前に言った「オヤジが台所にハイって味噌汁云々~いい争いになって喧嘩おっぱじめる」のシークエンスを「力で圧倒した」後で「親心」にやってしまった。
2012-08-16 23:56:24
この親心が「勇次郎の男根の萎え」と見ていいのかなあと。それをバキが若さゆえにエア味噌汁をしょっぱいとちゃぶ台返しをして突っぱねる。バキの怒張力が、勇次郎の見せた「萎え」を否定したわけね。つまりリセットした。「親父、日和ってるんじゃねえよ!」と。
2012-08-17 00:03:29
バキはバキで「親の強さ」を実際に拳で語り合い、理解したうえで「敗北宣言」をしている。だがしかし、勇次郎は「親心(萎え)」を見せてしまい、引っ込みがつかなくなった所でバキがちゃぶ台返しした時点で「繁殖能力を持つ男性」としては「負け」たので地上最強の看板を下ろしたって結末かねえ。
2012-08-17 00:08:31
故に「力で圧倒する決着」よりはバキが「怒張する男根」として若さゆえに勇次郎を圧倒する(同位に並ぶ)と言う決着だったような気がするなあ。
2012-08-17 00:10:51
それを作品のバランス的に「萎え」なのか、どうかはさておき。女性化する社会において「男根漫画」としてのバキの終わり方のありようはそこそこに説得力があるように思った次第です。力を誇示し、圧倒するんじゃなくて、お互いの強さを認め合った上で自らの非を認め合うと言う決着は面白かったなと。
2012-08-17 00:13:58
非を認めること=己が強さだったのかなあという。勇次郎は「男根としての衰え」、バキは「立ちはだかる親という壁への認識」で弱さを認め合った。が、繁殖力としては勇次郎<バキなのが明らかになってしまったので将来的にはバキ優勢という帰結かなと。そこまで描く必要は無いので親子対決は終了と。
2012-08-17 00:20:08
腕力=武力を強さとして、決闘をし、勝利するという展開がやっぱり時代と共に難しくなってるんだろうなあと。というか、そういうのが平和な世界の中で認められるのはスポーツの世界だけになってきていると言うか。いや、格闘技をスポーツと言うとは変だけど。
2012-08-17 00:24:52
バキ的にも勇次郎の「腕力家」としての絶対性を崩したくないから、こういう風な決着になったんだろうなあ。むしろバキが勇次郎を将来乗り越える存在として、追いついた時点で決着が付いてたわけなのだろうなあ。
2012-08-17 00:29:09
おおかみこどもの感想言う前にバキの最終回感想を長々とつぶやくとかどんだけだw。バキの方に心を揺さぶられたのだろうか、どっちも興味深いとは思うんだけど。
2012-08-17 00:35:24チョットだけ追記。
※雄々しさの観点で少年チャンピオンなどにも少し触れたツイートをしたので
一緒にまとめておく。

んー。自分は「男根主義」漫画を否定してるつもりはないし、むしろ雄々しい漫画は大好きですよ?でも、時代の趨勢からすればすでに時代のメインストリームじゃなくなってるんだろうと思われます。故に過去の遺物でもある。時代を引っ張るには適さない作風になってるとだけ。
2012-08-17 09:54:10
板垣先生がここ20年ほど引っ張ってきた少年チャンピオンって、雄々しい漫画雑誌だったと思うんですよ。でもここ5年位前かな、下手すりゃ10年位前か。誌面的にシフトチェンジがあって、良くも悪くも「萌え」って要素が入ってきたから、紙面にあった雄々しさが変調をきたしてるんだと思われます。
2012-08-17 09:57:55
「弱虫ペダル」「シュガーレス」に男らしさを感じるかと聞かれると明確に「ノー」なんですよね。前に連載していた「ハンザスカイ」や「ケルベロス」も同じく。「子供っぽさ」は感じるんだけどねえ。ああ、高橋ヒロシ一派には基本的に「ヤンキー的ホモ・ソーシャルファンタジー」と言っていいと思う。
2012-08-17 10:01:45
「バチバチ」はポストバキポジションではあるんだけど、あれはスポーティ、端正すぎるきらいがある(男根的豪快さを基本的に女人禁制である大相撲という国技に求めてる)ので、丁寧で面白いんだけど雄々しさ的にはちょっと弱いんだよねえ。
2012-08-17 10:05:57
あー、あと囚人リクは良くも悪くも海外ドラマの影響があるのと、ヤンキー漫画の素養に主役の少年の復讐劇であるというところで、自然と男の色気より、エンタメのギミックの方が勝っちゃってる感じがする。同じくバーサスアースもそうか。
2012-08-17 17:55:25
ガキ教室は作者の前作「ナンバNG5~デッドエンド」で家族ならびに一人のヤンキー環境に存在する男の揺れ動きを描いてしてしまった所で、完結しちゃってるかな。ガキ教室はどっちかというと親や教育者の視点が中心。
2012-08-17 18:00:27
裏サンデーの「ケンガンアシュラ」はDQカジノのモンスター闘技場的世界だと思う。驚き役を設置してる時点で、見世物小屋あるいは動物園的要素が強くなってるんだろうなあ・・・・。どっちにしても「秩序化された暴力」という時点で「力の圧倒」は交渉手段の一つでしかなくなってる。
2012-08-17 10:15:10