
不法就労者を雇った者、それを助けた者、教唆した者まで裁判なしで強制送還することができる改正入管法が7月から施行。この前@han_org @sociologbook と少し議論したが、殴る蹴るの送還や面と向って暴言吐くのが少ないだけで、排除ということではやはり日本はとびきりですよ。
2010-06-25 11:55:52
今度の改正は、曲がりなりにも裁判手続が必要だった90年の不法就労助長罪とは比べものにならないくらいのインパクトがある。本当に、本当に、本当に陰湿な国になったもんだ。
2010-06-25 11:58:28
オレが外国人なら強制送還になっている。千葉法相よ、この改正はそんな内容なんだよ。オレはそんなに排除されるべき悪人なのか?
2010-06-25 12:00:13
@rna そうなんですよ。あの子どもたちの親の一部の雇用者は外国人です。彼らの境遇に見かねて雇ってくれている人もいる。裁判なしで国から叩き出すほど悪い人なんでしょうか。この10年、これでもかと陰湿な改正が積み重なり、ますます生きる場所が狭められていく。もうたくさんです。
2010-06-25 12:09:12
東京地判1999年11月12日も指摘するとおり、退去強制は司法審査を経ずに行政処分として拘束し排除する極めて例外的な制度。それをここまで拡大して何とも思わない態度の根底には、適法滞在も含めて(新法はもちろん適法滞在者にも適用がある)外国人の滞在は人権ではないという理解がある。
2010-06-25 13:11:09
日本の退去強制手続は、近代法の原則から大きく逸脱した糾問的な手続。逃亡の可能性、証拠隠滅の危険等を一切考慮せず、司法審査を経ずに、全件身柄を収容して行うのを建前として、放免は国の完全な自由裁量。
2010-06-25 16:23:45
弁護人は口頭審理をのぞき認められず、入管の認定に対する不服申立は入管に対してしかできない。強制送還における国の裁量は、憲法・条約上の人権によっても一切制約されないというのが国の主張。恐るべき解釈。元最高裁判事に、これをちゃんと説明できるのかと聞いたら、説明できないと言っていた。
2010-06-25 16:26:47
不法就労を減少させようという目的を抽象的に是としても、その達成のために許される手段とそうでないものがあるはずだ。不法滞在を弾圧することを錦の御旗にして、人の生活を根こそぎ奪うような手段を、その人のみならず、周囲にまでちらつかせる。これが外国人に対する差別でなくてなんなのだ。
2010-06-25 16:27:54
http://b.hatena.ne.jp/entry/togetter.com/li/31639 はてブがついたのでつぶやきの追加。不法就労助長罪は、逮捕・勾留・起訴・判決と刑事手続で行われることから、不法就労者をバカスカ使っているようなケースでなければ適用さていない。
2010-06-26 12:19:18
刑事手続と異なり、呼出状一枚で呼び出して、司法審査もなしで収容可能、調査も認定も判定も全部入管でして、送還が決まれば生活全部を根こそぎにされる退去強制手続は、外国人にとっては途方もない脅威になる。
2010-06-26 12:20:00
こんな状態では、生活に困った同国人を、雇ってやるようなヤツはいなくなる。今度の改正は、不法滞在者を根絶させるとの理由で、外国人同士に排除と分断を持ち込むようなやり方なのだ。
2010-06-26 12:20:13
この排除と分断の構図は、これまで少しづつ行われてきた細かな改正の集大成であり、新入管法の特徴のひとつだ。たとえば、2年後に施行される改正入管法では非正規滞在者には在留カードが交付されない。
2010-06-26 12:20:37
非正規滞在者は現在ほとんどの社会保障から除外されているが、学校は行ける。 ただしほとんどの教育委員会は住所の確認のために外国人登録を要求している。 したがって、新法の完全施行後は、こうした子どもたちが学校に行くには住所を別の形で証明しなければならない。
2010-06-26 12:20:48
しかしながら、居住地調査の過程で教育委員会が入管に通報しないことの担保はまったくない。その点について、改正法の議論の際にある議員を通じて国会で質問をしてもらったが、法務省はのらりくらりの答弁に終始し、通報義務を否定しなかった。
2010-06-26 12:21:36
入管法上の公務員の通報義務は、当該公務員が本来果たすべき行政目的と矛盾する場合は除外するとの前例があるにもかかわらずだ。
2010-06-26 12:24:05
学校に行こうとする子どもを通報で威嚇する、情義で彼らを雇うような外国人を強制送還で威嚇する。こういう分断・排除の構図を生活全般に及ぼす陰湿なやり方が、オレがいちばん頭に来ていることだ。
2010-06-26 12:24:15
「退令に基づく収容により申立人が被る損害は、収容による身柄拘束を受けることであるが、身柄拘束自体が個人の生命を奪うことに次ぐ人権に対する重大な侵害であり、精神的・肉体的に重大な損害をもたらす」
2010-06-26 12:28:33
「元来、我が国の法体系下において、このように人権に重大な制約を及ぼす行為を単なる行政処分によって行うこと自体が異例なのであるから、それに直接携わる行政機関はもとより、その適否を審査する裁判所においても、この処分の取扱いには慎重の上に慎重を期すべき」
2010-06-26 12:28:48
2001年12月27日にオレが東京地裁で取った決定。高裁ではひっくり返ったが、こうした視点が10年経ってまったく共有されていないどころか、酷くなる一方で、就任前には人権がどうのと言っていた人が大臣になってもますますその傾向が加速してるんだからやりきれない。
2010-06-26 12:31:25
@GenYamaguchi昔日本人が遠い異国で現地日本人に助けられた話を聞きましたが、困っている同郷人に手をさしのべる事さえ許されないのは、人間的な郷土愛を持つなと、人間性を否定された気がするでしょうね。人間に対してやってはいけないことです。
2010-06-26 16:37:28
@ponzoo そうですね。国境管理はどこの国でもしていることなので、どこかで線が引かれること自体はやむを得ないのでしょうが、線の引く場所や引き方には人間的な悩みがあってしかるべきです。どうして彼らも私たちと同じ人間だということに想像力が及ばないのか、おそろしいことだと思います。
2010-06-26 18:12:05