
英語の「パイ」は、カササギを指す言葉でしたが、カササギの巣のように、中に何でも詰め込んで包んで焼いた料理・菓子を「パイ」と呼ぶようになり、カササギの方は「おしゃべりなマーガレットさん」という意味を込めてマグパイと呼ぶようになったので、パイは調理したものを指すようになりました。 pic.twitter.com/lHHGLTrUHJ
2023-05-16 19:14:29

イギリスで「パイ」というと、小麦粉でつくったパイ生地で料理などの上にフタをして焼いたもの、調理したポテトでフタをして焼いたものを指してますが、「巣」を意識したカササギの語源があるように、パイ皿の上に「食べれるフタ」を付けるものでした。そのパイ皿が無くなってしまったパイもあって、
2023-05-16 19:24:18
しかも日本に伝わったパイの場合、戦前まで英米の料理よりフランス料理が普及してたため、日本語で「パイ生地」と呼んでるものは、実はイギリスのパイに使う小麦と油脂を水で練った生地「ショート・ペースト」とは全く別のもので、フランスの菓子職人が「パート・フイユテ」と呼ぶものが日本のパイです
2023-05-16 19:40:35
おしゃべりで、貪欲で、好奇心があり、あやしいまねをすることで知られたイギリスの鳥カササギが、英語で元は「パイ」pieと呼ばれたことから、その巣の形の料理が「パイ」になった訳ですけど、この言葉は古フランス語を介して 英語になったので、フランス語でもカササギは「ピ」pieと呼ばれてます。
2023-05-16 20:09:25
フランス料理にも、「牛肉パイ包み」などの料理がありますが、パイにあたるフランス語は「カササギ」の意味でしか無いので、フランス語には「パイ料理」という言葉は無いことになります。しかも、日本では「リーフパイ」のように、パイ生地を使っているものがパイなので、包んで無くてもパイと呼びます
2023-05-16 20:29:00牛肉パイ包みを、ワーテルローの戦いで活躍した司令官のウェリントンにちなんでウェリントンと呼ぶこともあるそうです。
パイの歴史とその誤解については、2017年出版『歴史をつくった洋菓子たち』(長尾 健二、築地書館)を主に参考にしました。
※日本語「パイ」は、日本だけで通用する概念だと説明しましたが、中国など他の国で洋菓子の「概念」がどんな風に変化したか、知ることができませんでした。英仏以外の他の国にも、日本語の「パイ」に似たような発想の言葉がある可能性もあります。
追記
英語「パイ」pieは、古フランス語とラテン語のカササギを指す言葉を経て、印欧祖語の(s)peyk-にまで遡るとのことです。(s)peyk-はキツツキ及びカササギを指した言葉だと見られてまして、ゲルマン祖語ではこの系統の言葉がキツツキの意味になったとか、そうしたことが書かれてました。

@fushunia ローマの奴は、リブムとかプラセンタって呼ばれてたそうですね<パイ
2023-05-16 20:27:57
@Lkpi8dEIKmF7bi1 古代ローマまで行くと、どういう風に現在の料理とつながってるのか錯綜とした感があります。頭がこんがらがってきそうです😅
2023-05-16 20:32:30
@fushunia 一度断絶したケースもありますからねぇ。アピキウスの料理書に記載があるそうですね プラセンタは、ギリシャ人の記録にもあって、平たいケーキ、パイ的な奴みたいです
2023-05-16 20:33:50
ということは、私が好きな「源氏パイ」は、中に具材を包んでないし、日本語の「パイ生地」はイギリスのパイ生地「ショート・ペースト」と起源が異なるので、誤解と混同の結果生まれた「日本だけで使われてるパイ概念」から生まれた、日本にしか無い名前のパイだったになるようです。これは驚きでした。 twitter.com/fushunia/statu…
2023-05-17 00:20:56
「源氏パイ」の源氏は、源義経が大河ドラマに出てきたことにちなむ、という確かな記録があるそうですが、来年の大河ドラマの紫式部の時期になると、何食わぬ顔で「紫式部も愛した源氏パイ」って噂されるようになると、面白いですね。
2023-01-04 12:30:07
@fushunia ウィキによると、商品名は和風にしたいと考えていたところ、翌年のNHK大河ドラマ『源義経』だったので「源氏パイ」とした。なお「平家パイはないのか」という消費者の声に対しては、大河ドラマ『平清盛』の際に同社のレーズンパイを合わせて平家パイに改称することで対応。なかなか面白い会社ですね。
2022-08-14 12:59:18源氏パイの形は、パームヤシの葉の形を模したもの

アップルパイは、上が開いて包んで無いものも生まれてるんじゃ?とか。あと、米国北東部では、パイはピザの意味に変化してると、書かれてました。
2023-05-16 21:58:42
@fushunia 後は面白いことに、 麺(製粉した麦を面状に広げて調理したもの)が中国・チベット・モンゴル・テュルク・トカラなどの語派の民族の居住地、ざっくりいってユーラシアステップ東部〜ヒマラヤ山脈東麓ではnoodleや水餃子に発展してるんですが、 インド・イラン方面だと地中海・アラブ文明と接触した民族
2019-06-14 12:01:05訂正「地中海・アラブ文明と接触した民族《以外》は」

@fushunia ですと「麺」がnoodleに発展しませんで、むしろ挽き粉をそのまま伸ばして、原始的なタンドールや揚鍋で調理したロティ、ナーンみたいなパンとして発達してます。 ここら辺にはアーリヤ人みたくインド亜大陸に定着した人びととトカラ人や後にはスキタイ人みたく先発的に中国文明圏に近づいた人びとで、
2019-06-14 12:07:31
@fushunia 食文化の違いが出たのかなー、と。 スラヴにはピエロギ(祝祭日のパイが語源)やヴァレーニキ(茹でられたものが語源)という水餃子があるので、多分ここら辺は中央アジアの麦食文化が発展した結果、シルクロードを通して東西に伝播したのではないかと思います。
2019-06-14 12:12:39