総制作費40億円とも言われる「24時間テレビ」その内訳とスポンサー収入を調べてみた。

はてなブで発見したこんな記事・・

もはや夏の風物詩として定着した『24時間テレビ 愛は地球を救う』。今年で32年目を迎えて募金総額は272億円にのぼるが、一方で毎年お約束のように囁かれるのが「チャリティ番組なのに出演者にギャラが出るってどうよ?」という素朴な疑問だ。

外国人も呆れる"エセチャリティ"『24時間テレビ』最大の過ちとは - 日刊サイゾー

確かに、言われてみればそう。「チャリティー」という冠を付けて、障害者が必死で海を泳いだり車椅子で走っている姿、募金活動が全国展開されて、表面上は(いかにもチャリティー番組!)だけどれども、障害者が必死に努力する裏では出演者に多額なギャラが支払われる番組って、どう考えても不自然ですよね。

ビートたけしさんも、ラジオ番組で24時間テレビに対して批判的なコメントをしていたそうです。

「24時間テレビから出演依頼がしつこく来てたんだけど全部断ってやったよ。あんな偽善番組は大っ嫌いだ。誰がなんと言おうと俺は絶対出ないから。ヨダレ垂らした芸能人どもがこの番組でめちゃくちゃ高いギャラ稼ぐくせにこれ以上貧乏人から金巻きあげんな。チャリティーって言うくらいならおまえら全員ノーギャラで出ろよ!コノヤロー!!」

確かに、募金募金というけれど募金する側にとって不透明な部分は多いですよね。
(ユニセフとかに募金されるから、後はそっち管理なんでしようが・・)

でわ実際、24時間テレビの制作費はおおよそ幾ら位で、日テレはいったい何円位の利益を出しているのか。正確な数字は日テレ関係者でないと分かりませんが、一般的に言われている広告費や制作費から内訳を割り出してみょうかと思います。さて、24時間テレビは偽善なのか善番組なのかでしょうか?

テレビ番組の制作費っていくら位?

まず、世間的に言われているのが「総制作費40億円説」です。
でもとは定かでありませんが「Yahoo知恵袋」などで調べても割と使われている数字です。ゴールデンの1時間番組でも億単位の制作費が掛かる業界ですから、24時間で40億円と言われても特段の疑問は抱きません。

テレビ番組は(広告費→制作費→利益)のビジネスモデルですから、まずは大よその広告収入を計算してみましょう。広告は予想される視聴率によって計算されるので、ここ数年の24時間テレビの平均視聴率と最高視聴率を調べてみると・・。

2007年 平均視聴率18.6% 瞬間最高43.9% 募金額3億6318万6430円
2008年 平均視聴率18.6% 瞬間最高41.1% 募金額3億6356万5283円

CM料金が幾らかは、以下の記事によると・・

CMGOGO(日本初!ネットでCMが買える!)リンクというサイトがあったので紹介します。

 ちなみに、ここを見ると、日本テレビ(関東地方)では15秒525000円(ゴールデンタイムを除く)である。1分間換算にすると210万円となる。
テレビコマーシャル料金 - るいネット

24時間テレビは日テレでも目玉番組、視聴率も平均と比べると高いのでおそらく広告費も何割り増しか高いのではないかと思います。スポット扱いなのかタイム扱いなのかによっても異なりますので、あくまで目安としての数字です。

大体、テレビ番組のCM量は全体の10%〜20%。生放送はCM量が多めなので20%で計算すると・・

24時間(2880分)の20%=576分×210万円=12億0960万円

ゴールデンタイムと高視聴率を除いてこの収入ですから、実際は倍以上の広告費が入るのではないでしょうか。
それに、CM収入が全て局側に入る訳ではなく広告を集めてくる代理店に仲介手数料10%〜20%の手数料が支払われます。(電通さんや博報堂さんが24時間テレビに関わっているのか不明ですし、チャリティーでも手数料が発生するか否かは定かではないです。)テレビ広告費流れについては、「情報考学 Passion For The Futureさん」の記事によれば、

企業が出す制作費を100とする。広告会社は営業費として20%の20を引いて放送局へ渡す。放送局も20%つまり全体の16を営業費として引いて64を制作会社へ渡す。制作会社も20%、12.8を確保するので、残りは51.2。番組作りの使える予算は、最祖に企業から出た予算の約半分である。

Passion For The Future: テレビの教科書―ビジネス構造から制作現場まで

より細かい内訳は以下のページに載っていました。

・番組制作費の内訳・・・某バラエティ番組(ゴールデン1時間)

タレント出演料・・・500万円 (メインのベテラン芸人や、連ドラ主演俳優だと1本300万前後。脇のレギュラーやゲスト出演者は20万〜50万円くらい)
外部スタッフ人件費・・・1000万円 (ディレクターやADなどの製作スタッフだけで50人前後。ディレクター1人につき25万円が外部製作会社へ。)
文芸費・・・80万円 (放送作家はかけだし5万円〜大物50万円以上。ドラマの脚本料は大物で1本300万円。)
美術費・・・200万円 (セット代は含まない。毎回のセット組み立てとバラし、植物やメイクなど、ランニングコストだけでこれくらい。)
技術費・・・400万円 (カメラ、音声、照明などの人件費と機材使用料。さらに本番収録用のスタジオ代がかかる。)
ロケ費・・・200万円 (移動のための車両費は運転手込みで1台1日5万〜7万ほど。何組も同時に動くので高額に。他に宿泊費など)
編集費・・・300万円 (編集作業用スタジオ・機材使用料。スタジオ1発撮りのトーク番組ならこれの半分から3分の1。)
リサーチ代・・・90万円
その他・・・180万円 (音楽や既存のVTRを使えば著作権料。台本印刷費や電話代など)

トータル・・・3000万円
CMとテレビ番組制作費内訳

単純に×24をすれば24時間テレビの大よその制作費は(7億2000万円)日テレ系列総動員の番組と考えて倍の制作費なら(14億4000万円)になります。スペシャルドラマも放送されるので正確は数字は定かでありませんが、今回の24時間テレビのタイムテーブルを見る限り、特に深夜の「ダンス甲子園」「イッテQ」「しゃべくり007」低予算バラエティーが並んでいるので、それほど高額な制作費は高額ではないかと思います。

24時間テレビの制作費内訳(推測)

今まで調べた結果を元に、(推測)の24時間テレビの制作費内訳を作成してみました。

広告費:約40億円
  ゴールデンタイム(平均18%、1時間辺り1億円で計算)
  主なスポンサー(イオンさん,日産さん)

営業手数料:約8億円(広告費の20%で計算。電通さんや博報堂さんへの仲介手数料)
ネットワーク手数料:8億円

制作費:約20億円(営業利益率が約9%〜14%なので、利益を考えて計算)
日テレの利益:約4億円(営業利益率から利益を10%と計算)

Wikiによれば「基本的にはボランティアで、拘束時間が長い人など一部の人のみ謝礼として通常の数割程度の額を渡すが拒否される事もある」と書かれていますし(じゃあ局の収入はどうなるんだ?という話ですが・・)あくまで推測の範囲で計算しました。

もしかすると、採算度外視で日テレさんが制作費を掛けている可能性もあります。
深夜にバラエティー番組が入ってますし、ジャニーズのような人気者を何ヶ月も前から拘束してギャラが0円というのは少し考え難いですよね。利益がでていないという話も・・。自分の中での24時間テレビは、「チャリティー風のバラエティ」企画として募金を募っている番組です。それなら、偽善でも善でもないですからね。

(障害者の方のチャレンジも企画といっては失礼だけど、制作側が伝えたいものが見えてこないので、何だか、企画のように感じてしまうのが悲しい。)

自分は業界人ではないので、正しい数字は日テレのお友達の方にお聞きください。

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