えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

『アニメロビー』制作発表会

以下は2006年に行われた『アニメロビー』制作発表会での取材の様子です。

 

 

辻ちゃんも出演していた『アニメロビー』の制作発表会の取材に行って参りました。こ番組内で辻ちゃんは『ロビー&ケロビー』の方のOPテーマ『ここにいるぜぇ!』を歌うと共に、番組内でアテナ役として声優としても出演しているのです。

私は普通にアニメ畑からのご案内を受けての取材だったんですけど、加護ちゃんの週刊誌報道以来 辻ちゃんの最初のマスコミ露出になってしまったせいで、芸能誌だとか、スポーツ新聞だとか、普段とは違う層からの取材も来ていました。主催側もそのあたりナーバスになっていたようで、事前説明では「質疑応答は番組に関することに限らせて頂きます」という注意が再三行われていました。


本編の試写上映が終わるとバラエティーパートの出演者であるまちゃまちゃやムッシュ・ピエール、他の声優さんらと共にいよいよ辻ちゃん登場です。ちょっと元気ない・・・かな。気にしてるからそう見えるだけかもしれないけど、でもやっぱ、出てくるだけでパァァと場が華やいだ以前の取材の時と比べると 「精彩を欠く」 という印象は否めません。

それに追い討ちをかけるのが、取材陣の姿勢です。他の声優さんたちがコメントしてる時でも、明らかに芸能記者の人たちのバズーカ・カメラは辻ちゃんに向けられているんですよ。例えば辻ちゃんがちょっとマスカラを気にして目元に手をやったり、うつむいたりするだけで

バシャ!バシャ!バシャ!バシャ!

フラッシュの嵐。この後なんかあったら涙のシーンとして使おうとしてるのが伝わってくるんですね。それがなんというか、あんまりいいカンジじゃなくてね…。彼らの取材の主体がアニメではなく、「加護解雇直後の辻」であることがあからさまでさ。こう、「相方のことをオマエはどう思ってるんだ」って無言で辻ちゃんに突きつけているようで、それが辻ちゃんの表情も固くしていたように思えました。

「そういう目的で来てる人ばかりじゃないんだよ」って何かで表したくて、辻ちゃんがうつむいたり、目に手をやったりした時は、私はあえてカメラを下げていました。そうしている私に辻ちゃんが気づいて、こちらを見てニッコリ微笑んで……くれたら美しい物語なんですが、もちろん現実にはそんなことはなく。いいんです。自分の心のためにやったことなんで。 そしてステージは質疑応答の時間に移ります。ここでも再び「質問は番組のことに限らせて頂きます」のアナウンス。


ーーーーーーーー<質疑応答>ーーーーーーーーーーーー-

■声優をして苦労した点は?
「そうですねぇ、やっぱり三度目
(ミニハムず、ケロロ、今回、か?)ということもあったんですけど、今まで声優をしていた時は一人で声撮りをしていたんですけど、今度は初めてプロの方と一緒に声を撮らせてもらったんですけど、最初見学してたんですけど、すごいなと。自分も同じ絵を見ながら台本を見てるんですけど、台本見てる最中に絵が終わっちゃって、絵を見てる最中に台本が終わっちゃうという。まだまだだなってホントに思いましたね。 でもすごく楽しくて、ドンドンドンドンいろんな声に挑戦してみたいなって思いました!」


■主題歌の聴き所は?
「この『ここにいるぜぇ!』は約5年前にモーニング娘。として発売させてもらったんですけど、今回一人で歌うということで、全然違うイメージで、アテナちゃんをイメージして、ちょっとカワイらしく、ちょっと大人っぽく、歌えたんじゃないかなって思います」


■お気に入りのキャラクターは?
「はいそうですね。のんはぁ、ロビーのモノマネがぁ…できるんです」
まちゃ:おお?!
でもでも! これは第4話で言う言葉なんですけど(タメ)
「バレちったね!」(まちゃ:笑)
っていう声が第4話で出てくるんですけど、そのへんは注目してもらいたいです。すごいかわいいんです。
「バレちったね!」
(沸く会場・拍手)


まちゃまちゃが結構辻ちゃんのトークに合いの手を入れてくれていました。そのおかげもあって、ちょっと緊張した空気だった質疑応答の時間も、なんとか雰囲気がほぐれ、無事に終わりました。 さらにフォトセッションの時間になってマイメロディやロビーたちの着ぐるみも登場。「カワイイー!」と辻ちゃんのテンションも上がって、マイメロちゃんに抱きついたり、手をつないだりしてます。 いつもの辻ちゃんらしい表情が見えました。

その辻ちゃんの様子を見て、後方の取材陣ではないらしい女性陣から「かわいいー」という声が沸きました。それまで、やはり会場は取材陣もステージも、加護ちゃんの事件を常に意識していたおかしな雰囲気だったのですが、この辻ちゃんに対する「かわいー」という声が上がった時に、ようやく場の空気が正常に戻った感がありましたね。なんと言いましょうか、「そうだよな、かわいいよな」って腑に落ちた感じです。質問の時間が過ぎ、もはや加護ちゃんがらみでは記事にはならないことがほぼ確定したってこともあるのでしょう。確かに取材陣の空気はこの時和らいだのでした。

「まぁ、話が聞けるならそりゃ記事にはしたいけど、どうもこの様子じゃ無理っぽいし。
 誰も好き好んでこんな小さな子を困らせたいわけでもないしな」


といったところでしょう。 芸能取材陣も、仕事は仕事と、追う時には非情になり切って追うのでしょうが、今回は無理と判断して追求モードだったテンションに一区切り着けた、というところではないでしょうか。そうして「解雇された加護の相方」というフィルターを外して改めて目を向けると、そこにいるのは小さくてかわいい子でしかないわけですよ。しかもとびっきりね。「ま、いっか」というのが正直なところでしょう。

そうこうしてるうちにフォトセッションも終了。私もバッチリ目線をもらうことができました。辻ちゃんは舞台からはけてゆきます。ところがその時、加護ちゃんのことを口にしたバカ記者がいたのでした。

「辻さん、加護ちゃんとまた一緒にやりたいっていう気持ちは…」
  ・
  ・
  ・
まーここでハッキリ言っときますけどね。これがちゃんと質問できてたんなら人間としては最低でも仕事人としては優秀なのかもしれません。だけどこの人は違いましたからね。「加護ちゃん」って言った時点で周囲のプレスはみんな「あぁ?」って感じでその男のことを一斉に振り返ったんですよ。この時ね、やっぱ芸能記者も同じ人間なんだなぁって思いました。だって、それこそさ、仕事の本分としてはその一瞬こそ、カメラを辻ちゃんに向けてその表情を押さえないといけないわけじゃないですか。それまでちょっとうつむいただけでバシャバシャやってたんだから。だけど、そのバカ記者以外はもう気持ちを区切った後だったんですよ。「仕事人」から「自分」に戻った後だった。だから誰もが辻ちゃんにカメラを向けることなく、その発言者を「どこのバカだ」って感じで振り返ったんです。

質問した人間は一斉に向けられた視線にビビって、声が小さくなって質問もフェードアウト。司会のお姉さんがすぐに「これでフォトセッションを終了させて頂きます」と声をカブせたこともあって
(お姉さんGJ!)辻ちゃんにはほとんどその声は届かなかったと思います。

「一瞬困った表情を見せたもののノーコメントで会場を後にした」なんてもっともらしいこと書いてある芸能サイトもあるけど、そんなのウソウソ。私、その記者さんと辻ちゃんの間にいたからよくわかるけど、距離的に明らかに「加護」以降の質問内容は聴こえてません。そりゃ困った顔もするよ(w 


結局さ、その記者さん以外、もともとは辻ちゃんから加護ちゃんの件に関するコメントを引き出すために来ていた記者たちも、いつの間にか辻ちゃんの味方みたいなことになっちゃってました。それがちょっと痛快で、私の不快さも和らいだのでした。 やっぱり、こんな時でも辻ちゃんの「場の空気を変えてしまう才能」は健在なのだと思う一方で、そういう才能をそばで見続けていた加護ちゃんはどういう気持ちだったのかなとも考えてしまいました。


<後日談>
そうは言っても「辻ちゃんがかわいらしくアニメの宣伝してました」では芸能部門としては記事にならないわけで、どこの芸能記事でも ちゃっかり「加護に関する質問には無言で……」なんて意味ありげに見出しつけているのが、調子がいいというか、ゲンキンというか、そこはそこでまた気持ちを区切ってるのね、という感じで、なんだかおかしかった。だって、現場では明らかに辻ちゃんの側に立ってバカ記者を睨んでた記者さんのところのサイトでもそうなってたからね(w まぁ、そういったズルさとしなやかさを駆使して、自分の気持ちと職務をうまいこと使い分けるのが記者道なのでしょう。そこには完全な悪人も、完全な善人もいない。ただそれぞれのやり方で自分なりの筋をまっとうしてる仕事人がいるだけ。それが、「リアル」ってヤツなんでしょうな。