1型でいこう!

My life with type 1 diabetes.

780Gとダイエット(低血糖⇒補食を減らす)

780Gにアップデートしてから体重が増え続けたため昨年6月からダイエットを始めたが、今回は減量できない。上手くいかない原因と対策を考える。

 

千疋屋総本店フルーツパーラー

 

目次

 

ダイエットの過去実績と現状

これまではダイエット(食事量を減らし運動する)を行えば確実に体重を減らすことができた。例えば、2023年9月に68kgを超えたのでダイエットを開始した。4ヵ月間で目標の63kg台になった。

taky-t1-life.hatenablog.com

 

昨年4月からジワジワと増え続け、再び65kg台に戻ってしまった。この状態を放置すれば67~68kgになるので、再びダイエットに取り組んだ。

taky-t1-life.hatenablog.com

 

ところが、これまでと同じ方法を行っても、なかなか体重が減らない。

 

昨年の夏は猛暑であまり運動しなかったので、最初は運動不足が原因で、涼しくなれば体重が減るだろうと期待したが、秋になっても変化なく65kg台のまま。

そこで冷静に振り返ると『780Gのスマートガードが影響している、それしかない』との考えになった。

 

780Gの何が問題?

780Gにしてから補食(頻度と量)が増えている。

原因は

  1. スマートガードによるインスリン注入量(オート基礎、自動補正ボーラス)が増え、低血糖の増加
  2. 低血糖で補食するとグルコース値が上昇するが、しばらくするとスマートガードでインスリンが注入され、再び低血糖になるので、また補食する・・・が繰り返されることがある
  3. 体内に残るインスリンが作用して、補食で血糖値が上がらないことがある

と考えている。

 

780Gの設定は

 

食事で摂る糖質が日によって大きく変動するため、それに比例してTDD(1日の総インスリン量)も変動する。特にダイエットで食事量を調整するとTDDのバラつきが大きい。この状態で780Gを使うとインスリン注入量が安定しない。それを避けるためにTDDが約35になるよう調整している(詳細は「780Gスマートガード:TDDの平準化で自動補正を安定させる」を参照)。

 

「低血糖を減らせば補食が減る」ので、低血糖を減らすことが必要。それを実現するために、次の2つを行うことにした。

同時に行うと効果を検証できないので、タイミングを分けて行った。

 

ルムジェブの特性

処方されているインスリン製剤はリスプロBS。これはヒューマログのバイオシミラー(詳細は「医療費削減の味方~インスリンの「バイオシミラー」を知ろう~」を参照)。

一昨年3月まで院内薬局で処方されるため他のインスリン製剤を選択できなかった。同じタイミングで主治医が産休で不在になり、毎回担当医が変わるという体制になった。一昨年の夏頃に、レスキュー用に処方されていたルムジェブを770Gで使ってみたがあまり違いを感じなかった。

一昨年4月から院外処方に変わったのでルムジェブを使いたいと言えば処方されたと思うが、主治医が不在で担当医が毎回変わると変則的な体制と、ルムジェブの効果を感じなかったという理由で、リスプロBSを使い続けた。

 

ルムジェブはヒューマログに較べて作用が持続する時間が短い(切れが早い)。

 

出典:国立国際医療研究センター・糖尿病情報センター「血糖値を下げる注射薬」

 

ルムジェブの添付文書に「血清中インスリン濃度推移」(下図)が掲載されている。この図から、ヒューマログは切れが悪くだらだらと作用が続き、ムルジェブは作用の持続時間が短く切れが早いことが分かる。

 

ムルジェブの使用

レスキュー用にペンタイプのルムジェブを持っている。ムルジェブのペン2本(300単位×2本)をリザーバ3本に充填し、12/28夜から1/6夜までの9日間使用した。

 

就寝中のグルコース変動(12/29)

  • 0:00 実測100mg/dL → 補食(糖質15g)
  • 0:24 グルコース値90mg/dL → 上昇に転じたのを確認し、寝る
  • 起床後 7:40 実測69mg/dL

通常は、もっと多い糖質(18~20g)を補食する。それでも午前3~4時ころに低血糖のアラームで補食することがある。アラームが鳴ることもなく、朝まで70以上を維持できた。

 

就寝中のグルコース変動(1/1就寝~1/2起床・朝食)

  • 1/1の夕食後に高血糖になったが、スマートガードに依存して対応
  • 1/2 0:28 実測190mg/dL(SG 216mg/dL)
  • 起床後 7:20 実測101mg/dL

ヒューマログ使用時は高血糖から下がり続けた場合、必ず低血糖(60くらい)になったが、ルムジェブではそれが無かった。

 

朝食後のグルコース変動(1/2朝食から約5時間)

  • 朝食 8:30~9:00 お節料理とお雑煮
  • 3~5時間後 100以下にならず安定

食事のカーボとインスリンが釣り合っている場合、通常は100以下になるので、補食が欠かせないが、ムルジェブでは問題なかった。5時間以上経つと、インスリン不足でグルコース値が上昇。

 

朝食後のグルコース変動(1/3)

  • 朝食 8:30~9:00 お節料理とお雑煮
  • 9:33 高血糖(258mg/dL)で追加ボーラス3単位
  • 10:08 高血糖(277mg/dL)で追加ボーラス2単位
  • スマートガードの自動補正で12:28 0.65u、14:03 0.5u、14:08 0.45u、14:43 0.3u、15:08 0.65u の5回(合計2.55u)ボーラス

16~18時、110前後でほぼフラットに推移した。リスプロBS使用時は考えられなかった。

 

昼食後のグルコース変動(1/4)

  • 15:40からウォーキング(約50分)
  • 16:10 グルコース値80mg/dL → 補食(糖質16g)
  • 16:45~17:10 オート基礎
  • 17:41 グルコース値80mg/dL → 補食(糖質8g)

低血糖予防で補食した後、低血糖の再発が起きていない。

 

残存インスリン時間(AIT)を2:15に変更

1/4 20:30にAITを2時間15分に変更した。たった15分の変更に見えるが、割合では+12.5%。

この変更も効果があった(ルムジェブとの複合効果もある)。

 

就寝中に安定して推移(1/5就寝中)

  • 眠前(1/5 0:25) グルコース値121mg/dL
  • 起床時(1/5 7:50) 実測96mg/dL

 

外食でイタリアンのコース料理を食べた(1/6)

  • 13:30~15:00 レストランで食事(食事に合わせて4回ボーラス)
  • 15:30 いちごヨーグルトパフェ(@フルーツパーラー)を食べる
  • 17:35 グルコース値73mg/dLに下がったので補食(糖質10g)

 

まとめ

年末・年始の特別な生活環境で、わずか9日間の短期間の確認だったので、これですべて解決するとは考えていないが、インスリン製剤をルムジェブに変え、残存インスリン時間を15分長くしたことで、低血糖を減らせると思う。

なお、薬価は152円⇒258円にアップする。3割負担で1バイアルあたり318円((258-152)×10円×0.3=318円)の負担増(詳細は「商品一覧 : インスリン製剤」を参照)。

 

ルムジェブは、ボーラス時にカニューレ穿刺部で痛みを感じること、医療費が上がることなどの欠点がある。でも、780Gのスマートガードに合うインスリン製剤と思う。

 

また、残存インスリン時間(AIT)を長くすれば、グルコース平均値が上がり、HbA1cに影響するかもしれないが、低血糖が減少すればメリットの方が大きい。

 

変更後のAITで使い続ける予定、ムルジェブは次回の通院時に処方変更をお願いするつもり。

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