(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

さぬきうどんオタが非オタの彼女にさぬきうどん世界を軽く紹介するための10店

この改変が流行ってるみたいなので、オレも乗ってみるか。

まあ、どのくらいの数のさぬきうどんオタがそういう彼女をゲットできるかは別にして、
「オタではまったくないんだが、しかし自分のオタ趣味を肯定的に黙認してくれて、
その上で全く知らないさぬきうどんの世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」
ような、ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、さぬきうどんのことを紹介するために
行くべき10店を選んでみたいのだけれど。
(要は「脱オタクファッションガイド」の正反対版だな。彼女にさぬきうどんを布教するのではなく
相互のコミュニケーションの入口として)
あくまで「入口」なので、胃袋的に過大な負担を伴う3玉、4玉のさぬきうどんは避けたい。
できれば小か1玉、多くても2玉にとどめたい。
あと、いくらさぬきうどん的に基礎といっても古びを感じすぎるものは避けたい。
ラーメン好きが『麺屋武蔵』は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。
そういう感じ。
彼女の設定は

さぬきうどん知識はいわゆる「立ち食い」的なものを除けば、カトキチの冷凍さぬきうどん程度は食べている
サブカル度も低いが、頭はけっこう良い

という条件で。
まずは俺的に。出した順番は実質的には意味がない。

http://www.e-sanuki.com/udon/shop/yamagoe1.html

まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「さぬきうどんブーム以前」を濃縮しきっていて、「さぬきうどんブーム以後」を決定づけたという点では
外せないんだよなあ。行列の長さも200m以上になることもあるし。
ただ、ここでオタトーク全開にしてしまうと、彼女との関係が崩れるかも。
この情報過多なうどん穴場*1について、どれだけさらりと、嫌味にならず濃すぎず、それでいて必要最小限の情報を彼女に
伝えられるかということは、オタ側の「真のコミュニケーション能力」の試験としてはいいタスクだろうと思う。

http://www.e-sanuki.com/udon/shop/gamou1.html、http://www.e-sanuki.com/udon/shop/yamauti1.html

アレって典型的な「オタクが考える一般人に受け入れられそうなさぬきうどん(そうオタクが思い込んでいるだけ。実際は全然受け入れられない)」そのもの
という意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼女にぶつけて確かめてみるには
一番よさそうな素材なんじゃないのかな。
「さぬきうどんオタとしてはこの二つは“お店”としていいと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。

http://www.e-sanuki.com/udon/shop/atariya1.html

ある種の硬めさぬきうどんオタが持ってるコシへの憧憬と、麺通団*2監修のオタ的な考証へのこだわりを
彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにも田尾和俊*3的な
「職人的なださカッコよさ」を体現するハチマキ
「職人的に好みな天ぷら」を体現するゲソ天
の二つをはじめとして、オタ好きのするアイテムを世界にちりばめているのが、紹介してみたい理由。

http://www.e-sanuki.com/udon/shop/hikoe1.html

たぶんこれを見た彼女は「普通の家だよね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。
この系譜の穴場がその後続いていないこと、これがうどん好きの間では大人気になったこと、
香川県なら実写テレビドラマになって、それが東京に進出されてもおかしくはなさそうなのに、
首都圏でこういうのがつくられないこと、なんかを非オタ彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。

http://www.e-sanuki.com/udon/shop/sakaeda1.html

「やっぱりさぬきうどんは会社員のためのものだよね」という話になったときに、そこで選ぶのは「はなまるうどん」
でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、このオプション*4にかける職人の思いが好きだから。
断腸の思いで削りに削ってそれで天ぷら2個とおいなりさん、っていう尺が、どうしても俺の心をつかんでしまうのは、
その「捨てる」ということへの諦めきれなさがいかにもオタ的だなあと思えてしまうから。
オプションの品揃えの多さを俺自身は冗長とは思わないし、もう削れないだろうとは思うけれど、一方でこれが
宮崎県や富山県のうどん屋だったらきっちり10種類程度にしてしまうだろうとも思う。
なのに、各所に頭下げて迷惑かけていろいろと作ってしまう、というあたり、どうしても
「自分の物語を形作ってきたものが捨てられないオタク」としては、たとえ職人がそういうキャラでなかったとしても、
親近感を禁じ得ない。店舗自体の高評価と合わせて、そんなことを彼女に話してみたい。

http://www.e-sanuki.com/udon/shop/ikegami1.html

今の若年層でるみこおばあちゃん*5見たことのある人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。
さぬきうどんブームよりも前の段階で、うどん屋の哲学とかうどん打ち技法とかはこのお店で頂点に達していたとも言えて、
こういうクオリティのお店が移転しながらもこの時代にかかっていたんだよ、というのは、
別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなくさぬきうどん好きとしては不思議に誇らしいし、
いわゆる立ち食いでしかうどんを知らない彼女には見せてあげたいなと思う。

http://www.e-sanuki.com/udon/shop/misima1.html

三島の「店」あるいは「麺づくり」をオタとして教えたい、というお節介焼きから見せる、ということではなくて。
「終わらない穴場巡りを毎日生きる」的な感覚がオタには共通してあるのかなということを感じていて、
だからこそ映画『UDON』に登場するのは三島製麺以外ではあり得なかったとも思う*6。
「祝祭化した日常を生きる」というオタの感覚が今日さらに強まっているとするなら、その「オタクの気分」の
源は三島製麺にあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、
単純に楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。

http://www.e-sanuki.com/udon/shop/tanigawabeikoku1.html

これはお米屋さんだよなあ。お米屋さんのうどんが火を噴くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。
こういうお店をこういうかたちで食べに行って、それが非オタに受け入れられるか
気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。

http://www.e-sanuki.com/udon/shop/okasen1.html

9店まではあっさり決まったんだけど10店目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的におか泉を選んだ。
山越から始まっておか泉で終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、麺通団以降のさぬきうどんブーム時代の先駆けと
なったお店でもあるし、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいいお店がありそうな気もする。
というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10店目はこんなのどうよ、というのがあったら
教えてください。
「駄目だこのタケルンバは。俺がちゃんとしたリストを作ってやる」というのは大歓迎。
こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。

*1:一部コアなうどん好きはうどん屋を「穴場」と呼ぶ。多分「恐るべきさぬきうどん」の影響。

*2:さぬきうどんブームの火付け役。「恐るべきさぬきうどん」に登場するグループ。

*3:麺通団の団長。さぬきうどん界では超有名人。

*4:さぬきうどん屋での天ぷら・おにぎり・おでんなどをオプションと呼ぶ。

*5:さぬきうどん界のカリスマおばあちゃん。

*6:本当に撮影の舞台になりました。