(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

月曜はエコノミスト派とダイヤモンド派と東洋経済派に分かれる日

今週の「週刊エコノミスト」、日垣隆の巻頭コラムを読み、思わず膝を打つ。そうなんだよ。そうなんですよ。以下、引用。

 昔は良かった、という言説がいまだに幅をきかせている。いわく、農薬漬けでトマトやキュウリやイチゴも野生に欠け不味くなった、小説に深みがなくなった、ドラマの質が落ちた、新書も大量に出るようになり名著がほとんどなくなった……。
 素人ならいざ知らず、プロとして偉そうに論評する者たちは、その根拠を示す義務があると思う。

全くもって同感。「昔は良かった」って便利な言葉で、それを言うと総括した感じになるんだけど、実は単なる主観で、客観的なものは何もないんだよね。あくまでその人にとっての「良かった」っていう感覚なわけで。
で、こういう話って全く科学的じゃない。何せ反証しようがないから。「昔は良かったと思う」と言われた場合、その人の中ではその主観は絶対だからねえ。思っているんだから仕方ない。「思うな!」とは言えんし。カール・ポパーは「反証可能性がないものは非科学的である」としたけれど、まさしくこういう話がそう。その人の主観だし価値観だから反証しようがないんですよ。そやつのさじ加減だから。
でも、一定の権威がある人がこういうこと言うのって無責任だよね。ただの言いっ放し。オッサン・オバサンの社会論とか教育論に馴染めんのはこういうところ。単なる懐古主義に意味なし!