山梨の温泉はマジでヤバい。明らかに最高。東京から温泉行くなら山梨。

 

東京から行きやすい温泉地といえば、箱根、湯河原、熱海。もう少し足を延ばして伊香保、草津、鬼怒川。いずれも素晴らしい温泉が湧いていて、私も大好きです。ほんとに。

 

かわって、山梨。富士河口湖の温泉はなんたって富士山が見えるし、石和もものすごくアクセスの良い温泉地です。あとは「ほったらかし温泉」があまりにも有名だったりして。ただまあ、なんとなく、「温泉に行きたいから山梨行くぞ!」ってモチベーションの人は、そんなに多くない気がするんです。群馬とか栃木とかと比べて。私の肌感覚ですが。

 

しかしもう、私は全力で山梨の温泉を推したいです。新宿からあずさ乗って、甲府でレンタカー借りちゃってください。甲府にとどまって温泉銭湯めぐりするだけでも十分最高です。すごい良いんです。お湯が!まじで!

 

▼サマリ:本記事で紹介しているところ
・甲府から90分以内のハチャメチャな秘湯
└奈良田温泉 白根館、(十谷上湯温泉 源氏の湯)、増富温泉 不老閣
・足元湧出がある下部温泉
└古湯坊 源泉館、くつろぎの宿 裕貴屋
・最高の日帰り入浴 is 韮崎旭温泉
・甲府から近い石和・湯村近辺もいいぞ
└湯村ホテルB&B、深雪温泉、岩下温泉旅館
・甲府の温泉銭湯は推せる
└新遊亀温泉、国母温泉、草津温泉、フカサワ温泉、山口温泉

 

甲府から90分以内にあるハチャメチャな秘湯

 

とにかく湯の素晴らしさで推したいのが「奈良田温泉 白根館」です。

 

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外観です

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総桧露天…!おもむき…!

奈良田温泉は甲府から1時間半、南アルプスの山道をずんずん進んでたどり着きます。よく「全身が美容液に浸かってるみたい」と温泉を表現しますが、まさにそれ。その表現は奈良田温泉のためにあるんだと思います。とろとろというかもう、ねばねば。硫黄のにおいたっぷり、源泉ドッパドパ。露天の雰囲気やばくないですか。内湯もめっちゃいい感じ。

 

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床みてくださいオーバーフローでひったひた

 「七変化の湯」と呼ばれている通り、昼と夜でなんとなく肌触りが変わったり、色が違ったりしていて飽きないです。温泉をたっぷり楽しめるよう、チェックインは13時~。ゴハンも美味しいしお部屋も快適だし最高宿でした。最高すぎてどうしようかと思いました。

※奈良田温泉からそんなに遠くないところに「十谷上湯温泉 源氏の湯」というこれまた秘湯があるのですが、ここは日帰り入浴できずでした。2泊できる方はぜひ。

 

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もう一軒推したいのが、甲府から1時間程度北上してたどり着く「増富温泉 不老閣」。日帰り入浴で訪れたんですが、すんんんごい最高なラジウム温泉でした。ラジウム温泉はまあ、超ざっくりいうと害のない微量の放射線を含んでいて、いろいろ体に良いと言われている温泉のことです。あんまり健康効果については言及しませんが、宿のHPに解説がありますので、興味のある方はそちらをご覧ください。

 

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外観。山の中の旅館ですが大きめで予約もいっぱい

増富温泉 不老閣は宿泊すると「岩風呂」「蒸気浴(温泉の蒸気を吸えるところ)」などを体験できるようですが、日帰り入浴でもかなり楽しめました。

 

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比較的シンプルな内湯。手すりの結晶がGOOD

湯温は30~36℃でぬるめ、パキパキ鉄分たっぷりの温泉がすごいパワフルでした。炭酸もあってピリッピリします。すごくぬるいのに、ちょっと浸かっただけでも湯船から出た瞬間じゅわって肌が熱くなる不思議な霊泉でした。マジです。

 

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奥にある湯船。小さめですが問題なし

この湯船は、宿のメインコンテンツ「岩風呂」とほぼ同じ温泉だそう。源泉温度は20℃くらいと書かれていましたが、もう少し温度高いかも。さっきのとぬるいパワフル鉄泉との交互浴でもれなくハピネスです。すごい。

 

下部温泉には「足元湧出」があるんだぜ

 

奈良田温泉に向かう山道のおおよそ手前に、下部温泉という小さめな温泉地があります。ぬる湯が有名でして、温かい時期にはぜひぜひおすすめしたいところ。温泉地内も昭和風情が残っていて味があります。

 

なにより下部は「足元湧出」があるんですよ。足元湧出というのは、湯船の底から温泉が直接湧いている状態のこと。なのでもう、メッチャ新鮮です。匂いも肌触りも「生まれたて」。全国に足元湧出の温泉はありますが、そんなに数は多くはないので、ぜひ体験してもらいたいです。

 

下部の足元湧出温泉の旅館といえば「古湯坊 源泉館」が有名ですが、入浴は宿泊客限定。しかも混浴なので、女性はややハードルが高めです。ものすごい趣ある湯場なので私も憧れの宿のひとつですが、混浴はどうしても苦手で。

 

男女別、日帰りもOKで足元湧出の温泉に入れるのは「くつろぎの宿 裕貴屋」。建物は有形登録文化財、1300年の歴史がある老舗旅館です。でも中は超清潔で上品で最高でした。

 

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外観めっちゃいい、めっちゃよくないですか

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手前の湯船が足元湧出、板の隙間から湧いてきます

「洞窟風呂」と呼ばれる、本当に洞窟のような雰囲気づくりの湯場に、足元湧出の湯船がありました。岩に囲まれているので風の音も虫の鳴き声も聴こえず、異様な静けさがもうすごくて。足元から湧く温泉は32℃くらい、つるつるしていてずーっと浸かっていられるような軽やかさがあります。黒い湯の花が舞っていて、時折足元からぷくくって温泉湧くんですよね。もうこんな天国、湯船から出る理由が見当たらないんですわ…。

 

田んぼの真ん中に湧く「韮崎旭温泉」 is 最高

 

山梨は日帰り温泉もレベルが高いです。とにかくおすすめしたいのが「韮崎旭温泉」。ご主人の表現を借りると「こまっこい泡(細かい泡)」が肌にもうブワーーッてつきます。天然の炭酸泉で有名な温泉地といえば大分・ラムネ温泉(長湯温泉)ですが、山梨にもあるのでぜひ浸かってほしいです。

 

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こういう素朴なところに最高の湯が待ってるんです…

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淡いグリーンのつやつやひたひた温泉

こんな広い湯船でドバドバドバドバのオーバーフロー。四方八方流れ落ちてます。浴感は軽め、新鮮すぎてくらくらしちゃいました。それでもう入ってものの数分で肌に大量にまとわりつく、アワオブアワ。山梨湯めぐりの日帰りにはぜひ…ぜひすぎるんです…。めちゃくちゃ驚きの体験が待っています…。

 

石和・湯村あたりにも素晴らしい温泉が

 

石和温泉、湯村温泉は甲府からほど近いため、東京から行きやすい温泉地として、しばしば挙げられます。温泉街らしい温泉街は特にありませんが、宿の夕食とともに山梨ワインをいただくのが醍醐味かなと。

 

泉質についてあまり言及されない石和・湯村ですが、めちゃいいお湯使いをしているところを見つけたので紹介させてください。

 

湯村はぜひ「湯村ホテルB&B」へ。外観めっちゃ普通のホテルで、湯場も味気ないようなデザインですが、とにかく清潔で新鮮な温泉でびっくりです。つるさらでほんのり芒硝のにおいがするかけ流しの硫酸塩泉で、湯上がりもさっっっぱり。

 

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湯村ホテルの外観。いたって一般的な大型ホテルです

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大浴場は内湯と露天。こざっぱりしていますが湯力はすごい

源泉は45℃で湯船もちょっぴり熱めで最高最高でした。日帰り入浴だったので宿泊の満足度はちょっとわからないですすみません。

 

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石和は「深雪温泉」は湯量がもうすごかったです。マジで信じがたいと思いました。

 

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深雪ホテルの外観、気合い入ってる…!

旅館にある湯船は貸切風呂(内湯&露天)、大浴場の内湯×2、露天×2の合計6つなのですが、どれも全て源泉かけ流し。いずれもびっくりする注入量で、床はもうびっしゃびっしゃです。大浴場はどちらの湯船も超巨大なため、「いや本当にかけ流しなの…?うそだよ…絶対うそ…」って思うレベルです。しかもシャワーまで温泉。ヤバすぎる。

そしていずれの湯船も、自家源泉2本(源泉温度50℃と36℃)の混合泉なんですよね。敷地内で自噴しているので新鮮なのも魅力です。それぞれの温泉を違うところから注入しているので、ぬるいほうに近づくとぬる湯が、熱いほうに近づくと熱湯が楽しめるのも最高。

 

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内湯。対角線上でぬる湯とあつ湯を注入してました

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露天がもうデカすぎる。これでかけ流しってヤバい

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貸切風呂も広々でめちゃくちゃ素敵~~~ってなりました

温泉は少しだけ茶色~緑色がついている感じ。茶色い湯の花がふわふわしていて、肌触りはつるつるきゅっきゅ。硫黄のにおいもします。ぬる湯の近くにいけばアワもついちゃいます。

 

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石和から車で15分ほどのところにある「岩下温泉旅館」もぜひぜひ紹介したいところです。開湯1300年の歴史あるお宿で、昭和初期に建てられた旧館の趣きがもう良すぎです。国の有形文化財に指定されているそう。

 

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旧館は湯場と休憩所のみ。宿泊は新館で

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内湯。手前が源泉28℃の霊湯、奥が加温の湯船です


思わずためいきの出る、褪せたタイル湯船と高い天井。あっさりしていてものすごく爽やかな28℃の霊湯がたまらんです。ゆっくりここで体を温めたら一度脱衣所に戻り、タオルを巻いて、廊下をはさんだ向かいにある「半地下」の湯場へ。

 

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半地下の湯場、エモすぎる。温泉雑誌で表紙映えする絶対

ここも霊泉28℃のかけ流し。半地下になっている温泉は明治・大正期の温泉宿にみられる設計らしく、ものすごく面白い体験でした。冷たいのにずっと入れちゃう不思議な温泉…。雰囲気も抜群によくて素晴らしいです。

 

甲府だけの温泉旅行も全然あり、むしろ推せる

 

ここまで書いて「車運転しないから行きにくそう」「甲府からさらに奥に行くとなると遠い」みたいなことを感じている方もおられるかもしれません。もうそんな方には甲府だけ推したい。甲府だけの温泉旅行も最高だと思います。なんなら日帰りでも。

 

甲府は言わずと知れた温泉銭湯の街でして、茶色いモール泉がドバドバかけ流される湯場がたくさんあります。徒歩だとちょっと大変なので、レンタサイクルがおすすめ。駅前のビジホで電動アシスト付き自転車が1回500円で借りられる素晴らしいサービスを自治体が展開しています。

 

例えば「新遊亀温泉」や「国母温泉」「草津温泉」など、本当にいいところばかり。足を延ばして「フカサワ温泉」もぜひ。車があれば「山口温泉」には寄ってほしいです最高だから…。

 

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国母温泉。こういう素朴な銭湯に素晴らしいモール泉が…!

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山口温泉。ぬるすぎて永遠に浸かってられるんじゃ…


甲府の温泉銭湯をいただいたら、あとは街中で地産ワインなりビールなりを楽しんで、ビジホ泊まるもよし、あずさの最終に乗って東京帰るもよし。私が思いつくなかで最高のサク旅だと思います。ちなみに甲府のアルコールどころのおすすめはブルワリーパブの「Hops & Herbs」です。

 

この記事は山梨県から1円もいただいていません

 

もちろん冒頭に書いた通り、ほったらかし温泉で超開放露天に浸るもよし、富士河口湖で富士山見ながら温泉入るもよしです。ペンションも各地にあるので、温泉以外の過ごし方はいろいろありそう。山梨には地産のワインやビールがあって、夕食が楽しみすぎるんですよね。そしてやっぱり東京から近い。それぞれの温泉も近いと思います(※湯めぐりガチ勢の一意見です、たぶん一般的には近いとは言えないかもしれない)。

 

あとなんとなくの印象ですが、飲泉できるところがすごく多い気がします。本記事で紹介した「奈良田温泉 白根館」「増富温泉 不老閣」「韮崎旭温泉」「湯村ホテル」「深雪温泉」「山口温泉」では飲泉ができました。甲府の他の温泉銭湯はどうだったかなあ…。いずれも飲泉許可の出ている温泉がたくさん湧いているのはめちゃくちゃいいなあと思います。

本記事では何度も「温泉が新鮮」「オーバーフローがすごい」などと書いていますが、一体それがどう素敵なことなのかは、以下にまとめています。

 

takachi.hatenablog.jp

 

本記事はなるべく多くの人に読んでもらいたいのでやや刺激的なタイトルにしましたが(正直)、山梨も選択肢になれればうれしいと思う気持ちで書いてみました。重ねてになりますが、箱根も湯河原も熱海も大好きです。群馬も栃木も長野もいい温泉めちゃくちゃたくさんあります大好きです。

でももしかしたら山梨の温泉の布教こそ、温泉の多様性の布教かもしれない…と感じています。わかりやすい白濁の温泉や硫黄のにおいガッツリする温泉ではありませんが、だからこそ試してもらいたくて。ぬる湯はいいんですよ本当に…。ぜひ未経験の方は行ってみてください…!

そしてまだまだ行けてないところたくさんありそうなので、山梨の温泉でおすすめ他にもある方いらっしゃったらぜひ教えてください~~~!

 

【訂正】7/2 09:40 ラムネ温泉の所在地が誤っていたため訂正しました。大変失礼いたしましたm(__)mÂ