アニメごろごろ

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「アイカツスターズ」アイドルのオーラは口ほどに物を言う

アイドルのステージを華やかに彩るオーラ。「アイカツ」ではオーラの発生の有無、発生する迄の時間がアイドルの格を伝える為に用いられていましたが、「アイカツスターズ」ではその演出を受け継ぎながら、新しいことに挑戦して発展させました。

本稿ではそんなアイドル達の魅力を高め、物語を味わい深くしていた「アイカツスターズ」のオーラ演出について語りたいと思います。

S4の頂に立つ白鳥ひめ

物語序盤は基本的に半分の孤を描くように二種類のオーラが浮かび、それらがアイドルの頭上で交差する形をしています。

S4であるひめ達は上記以外に足下がカラフルに光り、宝石等が周囲に舞うことによって特別感が表現されているのですが、唯一ひめだけはそれらに加えてオーラの丸い玉をピンク色から水色へとステージ中に変化させています。

オーラを出すだけで終わらせることなく、サビに入るところで作り変える。さすがは仲間から一目を置かれているトップアイドルですね。

上記の水色の玉はソロステージとゆめの不思議な力を抑える時には出していますが、夏フェスでゆめと組んだ時には出していませんので、もしかするとひめは相手の実力に応じてオーラを使い分けているのかも知れません。

オーラの出力を抑える話に関しては、秋フェスでの「One Step」のステージにおいても確認が出来ます。

通常、ゆずは上の図にあるように足元が青色と緑色に光るのですが、秋フェスではS4である夜空とツバサの足下が光っているのに対して、ゆずの足下は光っていません。正確には彼女の足下より後ろ側、つまり後輩達の方向で光っている風に見えます。

理由は不明ですが、ゆずこしょうがスカイガールに勝利したことからユニット内の相性が悪くて力が出し切れなかったというより、気の利くゆずが後輩を照らしてあげたのではないでしょうか。

ちなみにゆずはリリィと組む時は、今まで通り自分の足下を光らせています。リリィはゆずに力の差を感じていましたが、多分ゆずにとってリリィは遠慮せずに自分の力を出せる相手なのでしょう。

 

アイドルの成長はオーラの変化

新人アイドルのゆめ達のオーラはS4決定戦時など物語が進んでいく中で変わっていきますが、新人アイドル以外にもオーラが変わり続けたアイドルがいました。それが自分にも他人にも厳しく完璧を目指したエルザです。ひめを超える世界一の存在として登場しただけあって、彼女のオーラは他と比べてもかなり作り込まれていました。

大半のアイドルのオーラは出現してから本人の周囲に留まり続けますが、エルザのオーラの薔薇と水玉は外側に向けて拡散、新しい薔薇と水玉が彼女から次々に放出され続けており、オーラの底が見えません。

初登場時から格の違いというものを見せつけていますが、60話になってからはより一層強くなり、ステージが始まった瞬間から空間全体に花と光が舞っている派手な演出へ変わります。

実力者のレイと真昼はイントロが終わる直前にオーラを発現させていますが、エルザはそんな二人を超える速さです。それ程の傑出した力を直に見てしまえば、アリスがエルザに退学を命じられながら心を奪われてしまうことも頷けます。

その後もエルザは己を高め続け、95話では86話の時より大きくなった紫色の太陽のオーラを手から放ち、爆炎も円形のステージの全域にまで拡がるようになります。

もう誰も敵わないのではないか。そう思わせる力を持ったエルザでしたが、96話で太陽のドレスを手に入れたゆめを前に敗れます。

太陽のドレスを身に纏った直後にゆめから放たれたオーラはクールな音符と青薔薇、ポップなネコとスマイル、キュートな流れ星と蝶、セクシーな宝石と飴玉。その光景はまさしくサブタイトルに書かれている通り皆で輝く。

太陽のドレスのおかげで勝利したのではなく、仲間が支えてくれたおかげであることがオーラから伝わってきますね。96話で積み重ねてきたものが込められた非の打ち所がないステージでした。

物語が最高潮を迎えた場面であり、殆どやれることをやり切ったと言えるでしょう。とはいえそれはゆめの成長の話、エルザの成長の話は終わりません。

ゆめが示した皆で輝くアイドル在り方を認めたエルザは、仲間達と一緒に歌った「Bon Bon Voyage!」の中で紫色一色ではなく何色もの太陽のオーラを発生させます。孤独な太陽はもういません。

登場人物の実力の変化のみならず心境の変化までオーラで表現する。これこそが「アイカツスターズ」が磨いてきた個性。アイドルのオーラというものは物語への影響が希薄ではありますが、制作陣の情熱が込められた演出の数々は間違いなく作品の魅力を高めていたと思います。