The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

続編とアメコミばかりの2014年上半期映画ベストテン!


 今年のベストアクション女優ナンバーワンの座は確実であろうジェニファー・ローレンス嬢二態。この2シリーズに出てるって改めて凄いよね。
 
 6月も終わっちゃいましたねー。ということは2014年ももう半分終了です。というわけで劇場で観た上半期映画作品ベストテンなどを。
 今年は昨年暮れにTOHOシネマズのフリーパスポートを取得して12月中旬から1月中旬にかけてはたくさん映画を観ることが出来ました。その中では普段あまり観ないような作品も観たりしてバリエーション豊かな鑑賞記録に。とは言えそれ以降はいつもの通り自分の好きな(好きそうな)作品ばかり観る傾向に戻っちゃいましたが。
 今年もミニシアター系などを観ることは殆ど無くてまずメジャーな作品ばかりですね。あとは例年に比べても一回だけでなく複数回観た作品が多いです。複数回観る、ということは必然的にその作品は大好きということになるのでそれらは上位にくるでしょう。
 期間は2014年度の年間ベストを発表したあと以降に観た作品から、6月30日までに観た作品で。ただトム・クルーズ主演の「オール・ユー・ニード・イズ・キル」は先行公開で観ましたが本公開が7月4日ということでちょっと保留。もしかしたら年間ベストの方には入ってくるかもしれません。面白かったけどちょっと不思議な作品で時間を置いてどうなるか分からない作品って感じなんですよね。
2014年の年間ベストはこちら。

小覇王のベスト、ワースト&more2013!

 それではまずは順位を。そのあとで各作品ごとに簡単に寸評を。

  1. キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー
  2. ハンガー・ゲーム2
  3. X-MEN フューチャー&パスト
  4. アメイジングスパイダーマン2
  5. ホビット 竜に奪われた王国
  6. 麦子さんと
  7. 新しき世界
  8. スノーピアサー
  9. プリズナーズ
  10. LIFE!

 うん、もう自分でも分かりやすいぐらい分かりやすいランキングですな。5位までは全て3回以上劇場で観ています。その後の「麦子さんと」は2回で単純に観た回数順とも言えます。それでは各作品ごとに簡単に。リンクは当時の感想につながりますので詳細はそちらで。

 マーベル・シネマティック・ユニバースを舞台にした一連の作品の一つで個人的には一番おもしろかったです。これまで築き上げてきた作品世界を前提にそこで起きる「政治的な物語」。これがキャプテン・アメリカ単独の物語としてもちろん面白いのだけれど、単純にこれだけ突然出てきてもここまで受け入れられたかどうか。やはりこれまでMCUという作品世界を丁寧に提示し続けたのが良かったのだと思います。同じMCU作品の「マイティ・ソー ダーク・ワールド」も良かったけれど完成度はこちらが上か。あちらはちょっと各キャラクター(ダーシーとか)がわちゃわちゃしすぎてちょっと散漫になってたかな。各キャラクターにそれぞれ十分な時間を費やしたい気持ちは分かるのだけれど。この秋にはMCUの新作「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」が公開され、来年の「アベンジャーズ2(エイジ・オブ・ウルトロン)」へと続きます。そのあともフェイズ3が待ってますのでまだまだMCUは終わりません。

 

 多分、今回僕が挙げたベストの中では一番「え、これが?」って思う人が多いのではないのかな、と思うのがこれでしょうか。前作「ハンガー・ゲーム」は特に大好きというわけでもなかったが本作はかなり大好きな作品となった。他の人の批評を観てるとやはりタイトルにもなっている「ハンガー・ゲーム」という催し物に対して誤認識してる人が多い気するなあ。あれは正式なルールが有るスポーツでもなんでもないのですよ。ゲームは舞台の一つであって正確には革命の物語です。原作を読んでいる人にはとにかく丁寧に映像に移し替えた描写も魅力的でしょう。
 作品は原作最終作「マネシカケスの少女」を二部作で描く「ハンガー・ゲーム3」へと続きます。ただでさえ長尺の原作をほぼそのまま移し変えた作品が前後編になってどこまで描写されるのか楽しみ。ただ、プルターク・ヘブンズビー役のフィリップ・シーモア・ホフマンが2月に亡くなりました。撮影はほぼ終わっていたとも言われていますがそのことがどのくらい影響するか今から心配でもあります。もしこの続編(今年中に公開されるとしても前編の方だけだと思いますが)が2よりも素晴らしい出来栄えだった場合、年間ベストにはそちらのほうがランクインするでしょうね*1

 

  • X-MEN フューチャー&パスト

 再びマーベルコミックス映画化作品。2000から始まるマーベル映画化作品の金字塔「X-MEN」シリーズとその前日譚として作られた「XーMEN ファースト・ジェネレーション」の共通の続編!監督は帰ってきたブライアン・シンガーMCUに比べると作品ごとの矛盾点も多いシリーズを見事に集約させました。過去と未来で奮闘するX-MENの活躍、胸打つ物語、パトリック・スチュアートジェームズ・マカヴォイのプロフェッサーX、イアン・マッケランマイケル・ファスベンダーマグニートーと未来と過去で同一人物を演じるキャスト、そして永遠のさまよえる野蛮人ウルヴァリンとこれまでの集大成となっております。まだ公開されているのでまだなら劇場へ急げ!そしてまだ終わりではないです。続篇は遂にアポカリプス登場!

X-Men: Days Of Future Past

X-Men: Days Of Future Past

 三度マーベル作品。アベンジャーズMCU、突然変異のミュータントのX-MEN、そして我らが親愛なる隣人スパイダーマンがマーベル作品映画化の3本の矢。前作はまだサム・ライミ版と比較されるばかりでちゃんとした評価が少なかった気がするけれど、2作目でアレルギーも減ったかやっとまっとうな評価がされた気も。それだけではなくスパイディのデザインもより親しみやすく明るくなったり前作のイマイチだった面は見事に克服されています。完全にシリーズ前提の作品の一つであるので続編への含みをもたせた展開も有りますが、良かったです。

 この4月から5月にかけて連続して公開されたマーベル作品。「キャプテン・アメリカ」「X−MEN」「アメイジングスパイダーマン」はどれも素晴らしいのですが特筆すべきは一概にスーパーヒーロー映画と言ってもそれぞれ別の方向を向いていてその上で素晴らしい出来映えであることですね。それぞれ別の魅力があります。普段アメコミ映画とかを観ない人でもおそらくどれかひとつは自分に合った作品に出会えるのではないかと思います。
 この3つが統合された作品が映画で作られることは(少なくとも数年中には)無いと思いますがファンの方で勝手にクロスオーバーを妄想するのも楽しかったりします。
 

 3部作の2部作目、ということでは「ハンガー・ゲーム2」と同様ですね。というか今見たら本当上位は続編ばっかりだ。1作目に比べると若干中だるみした感じもありますが面白かったです。続編にして最終作「決戦のゆくえ」は12月公開とのことなので年間では最終作が入りこちらはベストテン漏れする模様(と言うか理想はそれ)。

  • 麦子さんと

 やっとオリジナルにして邦画。全く事前に知らなくて観る気もなかったけれどTOHOフリーパスがあったおかげで観た映画。今年は人気漫画原作で同じ吉田監督の「銀の匙」も、評価の高い「WOOD JOB!」も観てどっちも良かったけれどやはり邦画から一本と言うとこちらかなあ。ストーリーだけ聞くとちょっと重い感じもするけれど全然そんなことは無い軽やかな魅力に満ちた作品でありました。

麦子さんと Blu-ray 特別版

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  • 新しき世界

 韓国裏社会絵巻。ストーリーの魅力、役者の魅力、描写の魅力と3拍子揃った作品でした。けっして凄い美男子が出てるというわけでもないのに魅力的な役者。これまであまり知られなかった韓国社会における華僑。そして悲しいかな非合法でありながら全世界的に題材となりうる裏社会の後ろめたい魅力にあふれた作品でした。

新しき世界 [Blu-ray]

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  • スノーピアサー

 そしてその韓国から世界進出!といってもあくまで作品のために世界進出する必要があったという感じらしいですが、「グエムル」「殺人の追憶」のポン・ジュノ監督の最新作「スノーピアサー」。凍った世界のヒーローというわけで「キャプテン・アメリカ」に続きクリス・エヴァンズ主演。物語はリアルなSFというより寓話に近い作品だけれどその珍妙な世界観となのにどこかリアルな部分のせめぎあいが面白いです。ティルダ・スウィントンも好演。

 

 ウルヴァリン吠える!今年は「アメリカン・ハッスル」がヒーロー役者勢揃いの非ヒーロー映画という感じだったけど同様にヒーロー映画経験者が多く参戦した非ヒーロー映画。キリスト教的な善悪二元論と二転三転する物語。作品のジャンルも曖昧に骨太なストーリー満載。個人的には「ダークナイト」のトーマス・シフことデヴィッド・ダストマルチャンがオススメです。

 

  • LIFE!

 ラストはベン・スティラー監督主演の「LIFE!」。最初は胡散臭い説教映画かな、という気もしていたんだけど観たら全然そんなこと無くて大変面白い映画でした。「ブライズメイズ」「ヤング≒アダルト」「バチェロレッテ」とどこか共通した物語に出演したキャストが脇を固めていたのも印象深かったです。デヴィッド・ボウイが流れた時点で無条件肯定。

 アニメ作品では大ヒットしたディズニーの「アナと雪の女王」や「LEGOムービー」も良かったです。旧作だとやはり1954年の「ゴジラ」ですね。「ウルフ・オブ・ウォール・ストリート」は面白かったけれど一本の映画としてどうかというと微妙な感じが。シーンシーンでは見返したいけれど全体としてもう一回観たいかと言うと悩むなあ。
 ワーストといえるような作品はあえて上げるなら「キック・アス ジャスティス・フォーエバー」かなあ。もしも続編があるならもう完全にヒットガールを主役にしてキック・アスは出さず3というよりスピンオフと言う感じにしたほうがいいと思いますね。

堕ちた英雄譚 キック・アス ジャスティス・フォーエバー

 さて、下半期はまずなんといっても「GODZILLA」でしょう。それと「トランスフォーマー ロスト・エイジ」「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」と言った人気作の続編(GotGはシリーズとしては最初だけれど)。ベストテンに挙げた「ハンガー・ゲーム」「ホビット」といった作品の続編も見事に素晴らしい出来になることを祈っています。年間のベストテンではそういうシリーズの続編がランクインすれば前作である作品は自然と除外されるので結構大幅に変わる気もしますね。
 でもまずは7月は「サニー」のシム・ウンギョン主演の「怪しい彼女」かな。それではアディオス!

*1:個人的にシリーズは1本しかランキングに入れたくないのでシリーズのどれか一つがベストに入れば他の作品は自動的に外れます