はじめに
BOOX Go Color 7 というE Ink端末を買った。OSがAndroid 12なので、KindleやKoboの端末と違って普通にGoogle Playが使える、他の電子書籍リーダーアプリや漫画アプリやChromeやYouTube(!)も利用可能というところに惹かれて購入を決めた。せっかくなので適当にレビューします。
(埋め込みが見やすいのでAmazonのアフィリンクをここに貼りましたが、実際にはSKTのECサイトで買うのがおすすめです。ケースが無料でついてくるため。詳しくは → 購入方法について)
筆者について
筆者は30代でソフトウェアエンジニアをやっています。電子書籍版の技術書やテック系ニュース等を読むことが多く、また小さい子供がいるので寝かしつけの時間を活用したいというのがE Ink端末購入の動機。
Kindle Paperwhiteを所持しているが、2017年に購入したものなので古く、レスポンスは悪いし片手で持つには重いしでほぼ使用しておらず。また、KindleだけでなくO'reilly Onlineのアプリも利用できる端末が欲しいと前々から考えていました。
Kindle Fire HD 10も持っていて、固定レイアウトの大型本とかラムダノートのPDFとかはこの端末で読むことが多め。10インチなので読みやすいが、スペック不足で時々固まったり重くなったりするのが玉に瑕で、読書とPrive Video以外にはほぼ使えないなーという感じ。
こういう人間が買いているレビューだということを念頭に置いてもらえると良いかなと思います。
端末について
BOOX Go Color 7 は物理ボタンつき7インチカラー電子書籍リーダーです。詳細は下記リンクをどうぞ。
ざっくりとした感想 (長文読みたくない人向け)
買って良かった。Kindle、O'Reilly Online、ジャンプ+を主に使っていて、たまにChromeでブログなんかも読んでいる。軽いし画面大きいしE Inkで目に優しい気がする。暗い寝室で寝る前に読むのがスマホとの違いを最も感じるシチュエーション。
家ではなるべくスマホを触らずにBOOX Go Color 7でニュースやブログや本を読むようにしたいが、いかんせんレスポンスや処理速度の遅さがネックでついスマホの方を触ってしまいがち。現時点の性能では完全な代替とまではいかない感じ。
以下、もう少しなら読んで良いという方向けにざっくりと良い点/悪い点を羅列します。
良い点
- 軽い。片手で持ってても疲れない。物理ボタン側のベゼルが広くて片手で持ちやすい。使ったことはないが、おそらくKindle Oasis
のパクリとほぼ同じ体験 - Kindleアプリでリフロー型(固定レイアウトじゃないやつ)の電子書籍を読む分には最高。物理ボタンでページめくりできるので片手でも簡単に読める。素晴らしい
- カラー表示ができる。流石に通常のスマホと比べると発色も画質も劣るが、それでもカラーとモノクロでは結構な違いを感じる。カラーを一度知ってしまうとモノクロが物足りなく感じるくらいには良い
- 他の電子書籍アプリの例として、O'Reilly Onlineでの読書も快適。(物理ボタンページめくりは使えないが、使えるアプリもあるらしい)
- Chrome等でブラウジングする体験も良い。もちろん反応速度はそこまで良くないが、そんなに悪くもない。特にストレスは感じないし、何より7インチE Inkディスプレイの見やすさが圧倒的。字もちょっと大きめにできるし良い
- 漫画アプリが使える。ジャンプ+を見開きで読めるのが最高。ありがとうBOOX、ありがとう集英社。反応速度を高めると画質が若干悪くなるけど、ジャンプの物理紙面を彷彿とさせる質感で逆にテンションが上がるので個人的には良い。嫌な人はページめくりで若干白黒反転するけどRegalモードにすれば画質は上がる。見開きだと若干字が小さいので普通に縦表示で読む時もある。スマホで漫画を読むのはサイズ的に若干つらいので、ほぼすべてこちらで読んでいる
- 電池持ちが良い
- 筐体・ケースのデザインがシンプルで好き
- 24時間操作がないと自動で電源を切ってくれる機能、地味に便利。電池持ちの良さに拍車をかけている
- とにかく片手で持って読書しやすい。右ベゼルが広いのは個人的にかなり重要。あとやっぱり軽いのが良い
悪い点
- Kindle固定レイアウト本は大型本が多いため、7インチだと文字が小さすぎて読みづらい(この端末に限った話ではないが)。あとなぜかページめくりの時にちょっとしたアニメーションがある本とない本がある気がする(よくわからない)。設定でオフにすることもできない。アニメーションがあるとRegalモードではページめくり時に画面がグチャグチャになってかなり不快なので困る。PDFも同様。こういうのはKindle Fire HD 10とかiPadとかPCで読んだ方が良い
- カラーの発色はかなり淡いので、本物とは色合いがだいぶ異なる。あくまでそういうものと割り切る必要がある
- スペックはそこまで高くないのでCPUやメモリを激しく使うアプリの利用には向いていない。
- カメラがないのでQRコードのスキャンなどはできない
- リフレッシュモードをスピードにしても反応速度はそれなりなので、スマホやiPadばりの感度を求める人には向いてない
- 動画は動きの少ない説明動画みたいなものならばかろうじて観れる、という程度。基本的には厳しい
- KindleやKoboに比べると高い(iPad miniよりは安いが)
- スペックが低いせいかオライリーのアプリで書籍を開くときにInitializing Layout云々かんぬんでちょっと待たされる
- メモリ不足か、アプリをたくさん開いているとジャンプ+がちょいちょい落ちる。漫画読む前にタスクキルすれば問題ないといえばない
詳細な感想
E Ink設定など
リフレッシュモードが4種類あり、Regal、ノーマル、スピード、A2の順に画質が良いがレスポンスが悪くなる(多分)。
基本的に、画像などを見たいときは画質重視のRegal、テキストが多い書籍などを読みたいときはノーマル、ブラウジングなど動きの多いアプリを使うときはスピード/A2という感じで使い分けることになる。アプリごとに規定のモードを設定できるので、一旦設定してしまえば特に気にすることなく使うことができる。
個人的には、KindleやO'Reillyはノーマル、ChromeやPlayストアはスピードで運用している。リフレッシュモードはそれぞれ一長一短で、ノーマルの場合はページめくり時の反転やハイライト等したいときのレスポンスの遅さ、スピードの場合は画質の低下とゴーストがデメリットとなる。トレードオフがある中で自分にとって最適なモードを選択する必要があり、全てが最高でないと満足できないという人にはE Ink端末は向いていないかもしれない。
Kindleアプリ
Kindleアプリの使用感は最高。多分本家Kindle端末と遜色ないと思う。少なくとも自分が持っているKindle Paperwhiteとの違いは一切感じられなかった。物理ボタンによるページめくりもできるし素晴らしい。
その他電子書籍リーダーアプリ
O'Reillyアプリしか使っていないが、物理ボタンページめくりができないこと以外はほぼ問題なく使える。読みやすくてとても良い。スペックが若干足りないのか、書籍を開くときにレイアウトの計算か何かで数秒待たされるのがちょっと気にはなるが、一回開いたらタスクキルされるまではすぐに再度開けるので問題というほどではない。
デフォルトでついてる電子書籍リーダーやストアもあるが、これを使いたくなるのがどういう場面なのかは正直まだ分かっていない。ePubいっぱい持っててKindle使いたくない人とかだろうか。
漫画アプリ
ジャンプ+のように、物理書籍を電子化したものを読むアプリの使用感はとても良い。物理ボタンでページめくりはほぼできないと思った方が良いが、単純に読みやすい。少なくともスマホよりは。紙に近いような質感になることもあって個人的にはとても満足している。
一方、LINEマンガ等で良くある縦読みのアプリオリジナル作品を読むのにはあまり向いていない。理由としては、
- フルカラーの作品が多く、Go Color 7の発色では色彩がショボすぎる
- 縦スクロールを結構な回数する必要があり、レスポンスの遅さがネックになり快適に読めない。かといってスピードモードにするとゴースト(残像)が気になる
- 縦長端末で読みやすいコマ割りになっているため、Go Color 7のアスペクト比では横幅が余ってしまっていて効率が良くない
というわけでこういうアプリの漫画は携帯で読んだ方がマシ。
ブラウジング (Android Chrome)
慣れればいける。スピードもしくはA2モードにしないと文字入力が絶望的にやりづらいので、このどちらかを推奨。画質は落ちてゴーストもあるので、この辺が気になる人には厳しいかもしれない。個人的にはもう慣れたが、やはりスマホと比べるとレスポンス速度に雲泥の差があるので、ついスマホをの方を使ってしまいがち。
検索などの情報収集はスマホやPCでやって、Go Color 7では溜めておいた記事を読むだけみたいな運用にできれば快適そうだが、今のところまだいいフローを作れていない。昔はやっていた「あとで読む」的なアプリをまた使う時が来たかもしれない。普段からそういう感じでやっている人には向いてそう。夜寝る前に色々読んだりとかするのに良さげ。
動画アプリ(YouTube)
スピーカーはついているので動画の視聴は可能。ただしスピードやA2にしても動きの激しい動画だとまともに見ることはできない。また画質/発色が弱いため動画によっては何が何ならさっぱりわからないこともある。基本的には使えないと思っておいた方が無難。
ただし動きの少ない説明動画みたいなものであれば観れないこともない。例えばWebページに埋め込まれている短い動画を再生したりすることはある。
その他プリインストールアプリ
なんか色々入ってるけど特に触ってない。むしろ誰か使ってみて感想教えてください。
ゲーム
やる必要がない。E Ink端末向けゲームとかあるんだろうか。
購入方法について
色々あるがSKTNETSHOPで買うと純正?ケースが無料でついてくる。ケースが欲しい人はこちらで買うのが良い。ケースをつけても重みや厚みはそこまで変わらない印象なので、個人的にはあった方がいいと思う。 ケースがいらない場合はAmazon、楽天、Yahooショッピングとまあ好きなサービスを利用すれば良いと思われます。 下記サイトに販売サイト4種へのリンクがあります。
買う前に参考にしたサイト
レビュー記事はこの一件だけ読んだ。非常にわかりやすくて参考になった。
あとはYouTubeで日本語のレビュー動画と英語のレビュー動画を二件ずつくらい観た。実際に動いている様子、反応速度などを確認するくらいの意味合いではあったが観ないよりは観た方が良いと思う。
あとヨ⚪︎バシカメラで別のBOOX端末の実機が置いてあったため触ってみた。これがとても良さげだったので購入を決めたというのもある。やっぱり実機を触るのは大事。
まとめ
良い端末なのでおすすめです。10インチのモデルもあるので大きいのがいい人はそちらが良いかも。