【50年の教育支援から生まれた】「誰にだって輝ける舞台がある」を実践する就労移行支援サービス『アクセスジョブ』の挑戦

昨今、メンタルヘルスの課題を抱える人が増加し、就労支援の重要性が高まっています。厚生労働省の調査によれば、精神障がい者の就労件数は年々増加傾向にあり、企業側の受け入れ体制に少しずつ変化が見えてきました。

しかし、就労への第一歩を踏み出すには様々な不安や課題があります。そんな中で注目を集めているのが、就労移行支援サービスです。今回取材させていただいた『アクセスジョブ』は、50年にわたる教育支援の歴史から生まれたサービス。「誰にだって輝ける舞台がある」という企業理念のもと、一人ひとりの特性に合わせた支援を提供しています。

全国17拠点で展開する『アクセスジョブ』は、充実したプログラムと手厚い個別支援で、利用者の新たな一歩を支援しています。今回は運営会社である株式会社クラ・ゼミの事業企画グループの永山様と山岡様に、サービスの特徴や支援に対する想いについてお話を伺いました。

教育支援からはじまった株式会社クラ・ゼミの『50年の歴史』

ー本日はどうぞよろしくお願いいたします。まずは、株式会社クラ・ゼミの概要と、『アクセスジョブ』の設立経緯について教えていただけますか?

永山:私たちの歴史は、今から50年前に遡ります。創業当初は「クラ・ゼミ」という名前の学習塾からスタートし、静岡県と愛知県で50教室近くまで拡大しました。「誰にだって輝ける舞台がある」という企業理念のもと、入塾テストを行わない形で運営してきました。合格実績よりも、入塾時点からどれだけ成績を伸ばせるかを重視し、中には不登校や覚えるのが苦手な生徒も通っていました。

当時はまだ発達障害などの概念が一般的ではありませんでしたが、振り返ってみると多くの発達障害を持つお子様が通われていたと考えられます。そうした中で、不登校支援のニーズも高まり、文部科学省認可の通信制高校を静岡県に設立。手厚いサポート体制が評価され、静岡県内だけで1,500人規模まで成長しました。

さらに、発達に課題のあるお子様への支援を充実させるため、児童発達支援や放課後等デイサービスなど、児童向けの福祉サービスも展開。ニーズの高さから全国200教室まで拡大しました。しかし、18歳以降のサポートを求める声も多く、それに応える形で就労移行支援サービス「アクセスジョブ」が誕生したのです。

幅広い対象者へのきめ細やかな支援体制

ー具体的に『アクセスジョブ』はどのような方が利用できるのでしょうか?また、支援体制を教えてください。

永山:18歳以上65歳未満の方で、「受給者証」を持っている方が対象となります。精神障害、身体障害、知的障害、発達障害のいずれかの診断があり、受給者証が発行される方であれば利用可能です。重要なポイントとして、必ずしも障害者手帳をお持ちでない方でも、医師の診断書など必要書類が揃えば、行政の判断により受給者証が発行され、サービスを利用できる場合があります。

最近では職場での精神的な不調から休職されている方の利用も増えています。例えば、服薬しないと眠れない方や軽度のうつ病の方など、症状は様々です。行政の判断になりますが、復職支援の一環として活用いただけるケースもございます。

施設の定員は20名で、サービス管理責任者1名と支援員が5名前後の体制で運営しています。全支援員が連携して、すべての利用者さんにきめ細やかな支援を実現しています。

個別支援を超えた深い対話による「インタラクティブ」な支援

ー他の就労移行支援サービスと比べて、『アクセスジョブ』ならではの特徴を教えてください。

永山:最大の特徴は「個別支援」という言葉だけでは表現しきれない、一人ひとりに合わせた手厚い支援です。これは50年にわたる学習塾運営で培った個別指導のノウハウが基盤となっています。

単に「個別支援をしています」と言うのは簡単ですが、私たちの場合、その背景には蓄積された豊富な経験があります。特に重視しているのが「対話」です。お互いにしっかりと肯定し合い、共感し合いながら信頼関係を築いていきます。こうした双方向の関わりを我々は「インタラクティブな支援」と呼び、形式的な個別支援ではなく、深い信頼関係に基づいた支援を実践しているのです。

これは「誰にだって輝ける場所がある」という企業理念が、すべての支援員に深く根付いているからこそできることです。支援員一人ひとりが、この理念と株式会社クラ・ゼミの歴史をしっかりと理解し、それを日々の支援に活かしています。

当社の強みは、このように理念やビジョンが単なるスローガンではなく、実際の支援現場で実践されている点にあります。支援員のマインドもしっかりと育っており、それが他社には真似できない武器になっています。

山岡:その方の良さを活かすことを何より大切にしています。とかく就労支援の現場では「できないことをできるようにする」ことに注目が集まりがちですが、私たちは元々その方が持っている良いところを発見し、それを活かせる方向性を一緒に探っていきます。

そのためには、先ほどお話した、対話によるインタラクティブな関わりと信頼関係の構築が欠かせません。私たち支援員も利用者さんから日々学びながら、共に成長を続けています。このような双方向の関係性を築けることも、アクセスジョブならではの特徴と言えるでしょう。

充実の5大プログラムと全国展開の強み

ーアクセスジョブならではの、特徴的なプログラムについて教えてください。

永山:私たちは、個別支援にのっとり、そこに集団のプログラムを組み込んで、一人一人に合わせたペースで就労を目指せるサービスを提供しています。

  1. 職員との定期面談
    双方向・対話型の面談で不安の解消と方向性を確認
  2. アクセスジョブ独自の訓練プログラム
    ストレス対処などの健康管理からビジネスマナーまで、支援員と一対一の個別で安心して学べます。また集団で学ぶことで理解を深め応用力をつけます。
  3. オリジナルeラーニング
    基本的なソフトだけでなく、デザインやWEB制作など専門的な学習にも対応。希望する仕事に必要なスキルを習得します。
  4. 資格取得プログラム
    パソコン関連、不動産、会計、語学など幅広いラインナップ。一部試験免除の資格や糖質説で受験できるものもあります。
  5. 「みんなの大学校」と提携
    大学教授による全国配信の講座で、他施設の利用者との交流も可能

山岡:さらに、全国17拠点をつないだオンライン講義も実施しています。各拠点の支援員が講師を務め、全国の利用者が参加できる学びの場を提供し、在宅就労を目指す方への支援としても活用されています。オンラインでのコミュニケーションスキルも自然と身につく工夫をしています。

独自の人材育成システム

ー支援員の育成について、特別な取り組みはありますか?

永山:最も特徴的なのが、毎朝のオンライン朝礼です。全国17拠点をZoomでつなぎ、10分間の朝礼を行います。企業理念やビジョンの共有、支援事例の紹介など、支援員のマインドセットを高める場として活用しています。スピーカーに選ばれた支援員は準備に時間をかけ、熱のこもったスピーチも行います。これにより職員の一体感が生まれ、他拠点の取り組みも共有できます。

山岡:また、月1回の事例検討会も特徴的な取り組みです。支援における課題や成功事例を共有し、全員で学び合う機会を設けています。この頻度での開催は業界でも珍しく、他社の方々からも驚かれることが多いです。こうした「共に学び合う」文化が、私たちの強みになっています。

さらなる発展に向けて

ー今後の展望についてお聞かせください。

永山:最大の目標は事業拡大です。そのために、アクセスジョブのサービスをさらにブラッシュアップし、他の関係機関とのつながりを強化する取り組みを進めています。具体的には、

  • 支援プログラムのブラッシュアップ
  • 地域との連携の強化
  • 企業との連携強化
  • 業務マニュアルの整備

などでしょうか。フランチャイズ展開を想定したレベルまで、これらを体系化し、利用者さんと構築しているインタラクティブな関係性を、地域や企業とも育てていくことで、より多くの方に質の高いサービスを提供できる体制を整えていきたいと考えています。

ー クラ・ゼミさんは最近「ゆたかカレッジ」という就労移行支援も始められたそうですね。

永山:はい、そうなんです。特別支援学校を卒業される障がいをお持ちの方々は18歳でそのまま就職されるケースが大多数です。ただ、社会に出る前にさらに学びを深めることや、同年代の仲間と青春時代を楽しむなどのニーズが高いのも事実です。そこで自立訓練・就労移行支援を通じて就労準備性を高めた形で社会に出ていただく、カレッジ型の福祉サービスを展開しています。こちらの事業でも、クラ・ゼミの基本理念に基づいた一人ひとりを大切にする支援を大切にしています。
(ゆたかカレッジへのリンク: https://yutaka-college.com/ )

これから『アクセスジョブ』の利用を考えている方へ

ー最後に、サービスの利用を考えている方へメッセージをお願いします!

永山:アクセスジョブは、親身な対応と心地よい雰囲気を大切にしています。就職に向けて一緒に頑張っていける場所です。

山岡:誰にも話せないことを支援員に話せるようになったという方が多くいらっしゃいます。実際に「もっと早く来ればよかった」という声もよく聞きます。卒業後も定期的に近況報告に来てくださる方も多く、温かい関係が続いています。

最初は誰でも緊張されますが、それは自然なことです。必ず寄り添った支援を提供させていただきますので、安心してご相談ください。私たちは、あなたの一歩を待っています。