それどこ

埼玉県は全国2位の「うどん県」! どうしても埼玉のうどんを日本一にしたい男にアレコレ聞いてみた

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
推し活をしている人が「これ良い!」と思ったものを紹介しています

埼玉県は全国2位の「うどん県」! どうしても埼玉のうどんを日本一にしたい男にアレコレ聞いてみた

こんにちは。ライターの斎藤充博です。

日本でナンバーワンの「うどん県」と言えば、なんといっても香川県ですよね。それでは、ナンバーツーは?

実は
埼玉県は全国で2位のうどん県
らしいのです。

僕は埼玉県在住なのですが、「埼玉県ってそんなにうどんが有名だったっけ?」 というのが正直な感想です。確かに埼玉県の国道17号線を北上していくと、「武蔵野うどん」のお店がいくつかありますが……。でも、それで全国2位になれるものなの? どういうこと?

「埼玉を日本一の『うどん県』にする会」会長の永谷晶久さんにお話を伺います

そこで今回は永谷晶久さんに話をお伺いしました。永谷さんは「埼玉県が全国で2位のうどん県」であることに着目し、「埼玉を日本一の『うどん県』にする会」を作って活動しています。

【埼玉うどん もくじ】

お話を聞いた人:永谷晶久さん

埼玉を日本一の『うどん県』にする会の会長。埼玉県のうどんに関する情報を発信している。東京大学うどん部(東大うどん部)名誉顧問も務める。

Twitter:@saitama_udon_1
Instagram:@nagatani_akihisa
YouTube:埼玉を日本一の「うどん県」にするチャンネル

※取材は、新型コロナウイルス感染対策を徹底した上で実施しました

埼玉県はうどんの生産量が全国2位

埼玉県はうどんの生産量が全国2位

æ–Žè—¤
まずお伺いしたいのですが、「埼玉県は香川に次ぐ2位のうどん県」というのは、どういうことでしょうか?

永谷晶久さん
これは、単純に生産量です。うどんの生産量全国1位は香川県ですが、2位は埼玉県なんです。

うどんの生産量全国1位は香川県だが2位は埼玉県
「うどん県統計情報コーナー(うどん用小麦粉使用量)|香川県」より

æ–Žè—¤
なるほど……。データの裏付けがあるんですね。これは埼玉県が2位のうどん県といっていいかもしれない。

永谷晶久さん
これは申し上げておきますが、香川県のことはものすごくリスペクトしています! 王者です。

æ–Žè—¤
それ重要ですね。それにしても、埼玉県がこんなにうどんを作っていたなんて知らなかったです。

永谷晶久さん
埼玉県は、冬に晴れることが多く、日照時間も長いことから米作りよりも小麦作りに適した土地と言われています。そして埼玉県には、権田愛三(ごんだあいぞう)さんという偉大な方がいたんです。

æ–Žè—¤
権田愛三さん?

永谷晶久さん
明治初期から大正にかけて「麦踏み」や「二毛作」などの小麦を増産する技術を全国に広げた方です。ついた二つ名が「麦王(麦翁とも。読み方はいずれも「ばくおう」)」。埼玉以外ではあまり有名ではないかもしれないですが、とにかく偉大な方なんです。

æ–Žè—¤
麦王!!! なんかわからないけどすごい(あと永谷さんが権田愛三さんのことを語るときに早口になるのもすごい)。

永谷晶久さん
「二毛作」なんて、麦作りを超えて、いまやビジネス用語にもなっている(飲食店などで昼と夜の業態を変えること)くらいですからね……。すごい人です!

æ–Žè—¤
なるほど……(感心するところそこなんだ)。

永谷晶久さん
特に埼玉県北部は米よりも麦栽培に適した土地が多いので、昔から小麦を食べる習慣がありました。さかのぼれる一番古い文献は江戸時代のものですが、うどんも食べられてきたわけです。それに加えて、権田愛三さんが広めた技術も受け継がれている。それで今も小麦の栽培がさかんなんですよ。

埼玉県のうどんの魅力は多種多様なところ

æ–Žè—¤
埼玉県のうどんってどんな特徴があるんでしょうか? 香川県だったら強力なコシの「讃岐うどん」がありますよね?

永谷晶久さん
残念ながら、「これが埼玉県のうどんだ」という特徴を一言で表すことはできないんですよ。

æ–Žè—¤
特徴ないんですね……。

永谷晶久さん
ただ、「食べられているうどんの種類が非常に多い」んです。 「きつねうどん」や「月見うどん」のような具の種類じゃなくて、うどん自体にバリエーションがあります。これが最大の特徴かもしれません。

æ–Žè—¤
うどんの種類が多い……? 正直、まだピンときていないんですが、何種類くらいあるんでしょうか。

永谷晶久さん
僕は以前『スゴい! 埼玉 うどん王国宣言!!』という本を書きました。そこでは埼玉県で食べられているうどんは25種類としています。

 

æ–Žè—¤
25種類! それは多いな。

埼玉県はうどんの生産量が全国2位

永谷晶久さん
ただ、これは必ずしも正確な数字とは言えません。現在でもさまざまなうどんが現れているので、把握し切れているかどうか分からないんです。

æ–Žè—¤
なぜこんなに種類があるんでしょうか?

永谷晶久さん
埼玉県は交通の要所です。昔から中山道や日光街道などが整備されて、人々の往来があったわけですね。現在ではそれに加えて鉄道も発達しています。大宮を起点として東北や北陸や長野にも行ける。こうして日本のいろいろな文化がまじって多種多様なうどんが生まれたのでは……と考えています。

æ–Žè—¤
ほう……。なんか想像していたよりも文化的な背景がありそうですね。

「埼玉のうどん」を調べてみる

ぜひ知ってほしい埼玉うどんたち

æ–Žè—¤
埼玉県で食べられているメジャーなうどんの種類をいくつか教えていただけますでしょうか。

永谷晶久さん
そうですね、まずは4種類ほど押さえておいていただければと思います。

【武蔵野うどん】ガシガシでワシワシな食感で武蔵野から埼玉北部に進出中

永谷晶久さん
まずは何といっても武蔵野うどんですよね。麺は太くて、歯ごたえがあります。一般的なうどんと違ってまったくツルツルしていない「ガシガシ」「ワシワシ」という食感。豚肉や揚げたナスなどが入った熱いつけ汁に入れて食べます。

武蔵野うどん
熱いつけ汁にワシワシの麺をつけて食べるスタイル(編集部撮影)

æ–Žè—¤
これは有名ですよね。僕も好きです。麺はもちろんのこと、つゆがしょっぱくて脂っこいのがいい。食べ終わった後の水がうまく感じるタイプのうどん。

永谷晶久さん
麺とつけ汁を分けて提供するタイプのうどんなので、大量にゆでて大人数で食べることができるメリットがあります。

今はなかなか大勢で集まる機会がなさそうですが、みんなで集まって同じ釜でゆでた武蔵野うどんを食べれば、団結にピッタリじゃないですか。

ゆでた麺が余ってしまったら、冷蔵庫で保管しておいて、次の日に食べてもいいですね。

武蔵野うどんの生麺

æ–Žè—¤
確かに、あの「ワシワシ」とした麺は、ちょっとくらいじゃ伸びなさそう。

永谷晶久さん
ただ、この武蔵野うどんも最近は変化しつつあります。あの武蔵野うどんの最大の特徴である「ワシワシ」とした麺じゃなくて「ツルツル」した麺を出す店も増えているんです。ちょっと別物感はありますが、こうした麺だと、食べやすくはなりますよね。

æ–Žè—¤
確かに「ワシワシ」感のある麺って、食べにくいことは食べにくいですよね。食べててあごが疲れるのも、うまさの内だとは思っていましたが……。

永谷晶久さん
実はツルツルした武蔵野うどんは、家庭でも作りやすいんです。まず麺は、冷凍の讃岐うどんを使ってしまえばいい。

æ–Žè—¤
えっ! それでいいんですか?

「冷凍の讃岐うどん」を詳しく見る

永谷晶久さん
歯ごたえのある麺を、つけ汁につけて食べるスタイルが武蔵野うどんですから。

æ–Žè—¤
冷凍うどんならゆで時間も早いですね。個人的には一度はあのワシワシした麺を体験してほしいですが……。

永谷晶久さん
つけ汁はめんつゆだけでもいいのですが、やっぱり肉汁うどんがおいしいですよね。豚肉やネギをちょっと油で炒めて焦げ目をつけてから、つゆと一緒に煮るのがおすすめです。こうすることで香ばしくなります。
具材は豚肉、ナス、ネギ、小松菜なんかがよく使われますね。

æ–Žè—¤
なるほど。簡単ですね。

永谷晶久さん
僕は、埼玉県のうどんの中で、一番作りやすくて店舗の味に近づけられるのが武蔵野うどんではないかと思っています。

æ–Žè—¤
ところで、武蔵野うどんって「武蔵野地域」*1で食べられているうどんですよね。埼玉県では、武蔵野地域からちょっと外れた熊谷市や行田市などでよく食べられている印象があります。

永谷晶久さん
国道17号線沿いを中心に「元祖田舎っぺうどん」(武蔵野うどんのチェーン店)をはじめとした武蔵野うどんのお店がたくさんありますからね。その印象でしょう。さきほど「埼玉県は交通の要所」という話をしましたが、現代では国道沿いにうどん店がたくさんあるのも興味深いところです。

【加須うどん】ツルツルと食べやすく歴史の古いうどん

永谷晶久さん
埼玉県の加須(かぞ)市で食べられているうどんです。加須市は小麦食文化が盛んな場所で、いまでも冠婚葬祭などでは、うどんがよく食べられています。

æ–Žè—¤
食べたことないのですが、どんな味のうどんなんですか?

永谷晶久さん
非常にツルツルシコシコとしていて食べやすく、麺が「長い」という特徴があります。冷たい盛りうどんにして食べるのがスタンダードな食べ方と言われていますが、温かくしてもおいしいです。

加須うどんツルツルの麺が特徴の加須うどん(編集部撮影)

æ–Žè—¤
長いうどんすすっていくの楽しそうですね。

永谷晶久さん
言ってしまうと、加須うどんはちょっと讃岐うどんに似ているんです。だから、加須市やその近隣に住んでいる人は、どうか全国チェーンの讃岐うどん店に行く前に、どうか一度地元の加須うどんのお店に行ってみてほしいです……。知ってほしい……!

æ–Žè—¤
ものすごく限定的な呼びかけ、いただきました。届くでしょうか……。

加須うどんについて語る永谷さん

永谷晶久さん
加須うどんについてもう一つお話させてもらうと、かなり歴史が古くて、少なくとも300年前から食べられていることがわかっているんです(なぜか興奮)!

æ–Žè—¤
ちょっと、どういうことですか?

永谷晶久さん
加須市に總願寺(そうがんじ)というお寺があります。江戸時代に、このお寺が館林城の城主に「うどん粉」を送ったんですね。それをもらった城主が「おいしかったよ」というお礼状を總願寺に送っています。そのお礼状が残っているんです。

æ–Žè—¤
うどん粉おいしかったよって、なんかかわいいお手紙ですね。

永谷晶久さん
政治などの出来事ではなくて、こうした一般の人の食べもののことが文章で残っているのは貴重なことなんです。このお礼状の日付は6月25日なのですが、それは「加須市うどんの日」になっています。

æ–Žè—¤
まさか館林城の城主も、300年以上経ってから、「うどんおいしかったよ」のお手紙をみんなに見られて、その日付を記念にされるとは思わなかったでしょうね。

【煮ぼうとう】野菜と一緒に煮込むのが深谷流

深谷名物、煮ぼうとう

永谷晶久さん
煮ぼうとうは、埼玉県の深谷市でよく食べられています。深谷で有名なねぎをはじめ、白菜や大根、にんじん、しめじなどそのとき採れた野菜と幅広なうどん……いや、これはうどんいうよりも、小麦を練って作る「すいとん」ですね。それを一緒に煮込んだものです。

æ–Žè—¤
ちょっと待ってください。すいとんって、うどんと一緒にするのは違うような……?

永谷晶久さん
他の人に賛成してもらえるかどうかは分かりませんが、僕の中では、「すいとん」はうどんの一種ということにしております。

æ–Žè—¤
なんてキッパリしているんだ。それでは僕もすいとんはうどんということにしたいと思います。

永谷晶久さん
ありがとうございます。話を戻しますと、煮ぼうとうはこのすいとんを野菜と一緒に煮込んで作ります。寒い時期、体が温まるんですよ。深谷ではみんなで鍋を囲んで食べます。

煮ぼうとうについて話を聞く斎藤

æ–Žè—¤
おいしいことは間違いないですね。山梨にも「ほうとう」という郷土料理がありますよね? あれとは何か違いがあるんでしょうか。

永谷晶久さん
山梨のほうとうも同じような料理なのですが、

  • カボチャが入っている
  • 味噌味

という特徴があります。
深谷の煮ぼうとうは

  • 具は何でもいい
  • 醤油味

です。

æ–Žè—¤
なるほど……。ちょっと違うんですね。まてよ、僕も家で醤油味のすいとんを作ったことがあったな。あれはいま思えば煮ぼうとうだった……のか?

【鳩ヶ谷ソース焼きうどん】鳩ヶ谷の名前を絶やさない……地元から愛されまくっているうどん

鳩ヶ谷ソース焼きうどん
鳩ヶ谷ソース焼きうどん(鳩ヶ谷商工会青年部提供)

永谷晶久さん
埼玉県に鳩ヶ谷市という市がありました。ここにはブルドックソースの工場があって、町の人達に親しまれていたんです。

æ–Žè—¤
鳩ヶ谷市、ありましたよね。確か2011年に川口市に合併されています。

永谷晶久さん
その時に地元の商工会が、「鳩ヶ谷」という地名を残すために「鳩ヶ谷ソース焼きうどん」という名物を作ったのが始まりです。
正直、「地名がなくなってしまうから、地名を冠した名物を作る」というのは、いろいろなところでよくある話なんですよ。……そして作ったときが一番盛り上がっていて、いつの間にかなくなってしまうところまでが、定番の流れです。

ただ、この鳩ヶ谷ソース焼きうどんは鳩ヶ谷地域の中で異常な人気があって、作られてからずっと10年以上経つのに残っています。これはすごいことなんです。

æ–Žè—¤
町興しで新しい名物を作っちゃったら、本当に地域に根付いたんですね。

永谷晶久さん
先ほど言ったように、旧鳩ヶ谷市は現在は川口市になっているんですが、鳩ヶ谷ソース焼きうどんは川口市の代表的なB級グルメとして知られるまでになりました。B級グルメのお祭りなどをやると、「川口市の名物」として鳩ヶ谷ソース焼きうどんにすごい行列ができています。

æ–Žè—¤
複雑な状況! 行政的には川口市に吸収されちゃったけど、B級グルメでは勝っているわけだ。
「鳩ヶ谷の名前を残すために焼きうどんを作っている」って、すごい現象ですね……!

「ダサイタマ」なんて時代じゃない

ダサイタマなんて時代じゃない

æ–Žè—¤
そもそも、なぜこんなに永谷さんは埼玉県に思い入れがあるんでしょうか?

永谷晶久さん
僕は千葉県の松戸市出身ですが、家が転勤族で転校を5回くらいしているんです。だから、子どもの頃に地元と呼べるようなところがなかったんですね。現在は埼玉県の入間市に住んでいて、ここが僕の地元だと思って盛りあげたいんです。それが埼玉県の地域活性化や町興しに興味を持ったきっかけです。

æ–Žè—¤
なるほど……。子どもの頃できなかったことを、大人になってから取り戻しているんですね。「埼玉を日本一の『うどん県』にする会」はどんなきっかけで始めたんですか?

永谷晶久さん
ある日、入間市に住んでいない人から「このあたりってうどん屋さんが妙に多いね」って言われたんです。そこで気がついたのですが、確かに多い。

æ–Žè—¤
住んでいると意外と気づかないものですよね。

永谷晶久さん
そういうことってありますよね。埼玉県のうどんについていろいろ調べてみると「うどんの生産量が全国で2位」だということが分かりました。これは1位にして地域をもりあげようと。そこで2015年に「埼玉を日本一の『うどん県』にする会」の活動を始めたんです。

æ–Žè—¤
具体的にはどんなことをしているんでしょうか?

永谷晶久さん
埼玉県のうどん屋さんをひたすら食べ歩いての情報発信です。活動を始めたときは埼玉県民から賛同がまったく得られませんでした。
「埼玉県のうどんなんてそんなに有名じゃないでしょ」
「埼玉県なんてなんにもないよ」
なんて言われたりしていました。

æ–Žè—¤
ああー……。

永谷晶久さん
僕が思うに、昭和の時代に植え付けられた「埼玉には何もない」というイメージに地元の人が引っ張られているんです。これを僕は「ダサイタマの呪い」と呼んでいます。でも、もうそういう時代ではないと思うんです。

ダサイタマの呪いについて話を聞く斎藤

æ–Žè—¤
僕自身も埼玉県在住の人間としてなんとなく雰囲気が分かるところではありますが……。

永谷晶久さん
それでも活動を続けていくうちに、だんだんとメディアに呼ばれて取材を受けるようになったり、埼玉のうどんに関する講演を依頼されたりするようになりました。西武鉄道沿線のうどん店を紹介する「西武線沿線うどんラリー」のPRを手伝ったりもしています。

埼玉県民が1カ月にプラス2杯のうどんを食べると日本一になれる

æ–Žè—¤
どうすれば埼玉県は香川を抜いて「日本一のうどん県」になれますかね? 具体的な作戦はあるんでしょうか?

『香川県の人口は98万人、埼玉県の人口は727万人と7倍以上になっています。この人口の多さを考えると「埼玉県民が1か月にプラス2杯のうどんを食べる」と、勝てそう』と永谷さん

永谷晶久さん
うどんの粉の生産量について、香川県は5.9万トン、埼玉県は2.4万トンです。倍以上です。ところが、香川県の人口は98万人、埼玉県の人口は727万人と7倍以上になっています。この人口の多さを考えると「埼玉県民が1カ月にプラス2杯のうどんを食べる」と、勝てそうなんですよ。

圧倒的な人口差を利用して、埼玉県を日本一のうどん県にする目論見を聞いた斎藤

æ–Žè—¤
なるほど賢い……。いや賢いというか、なんかズルくないですか(笑)!

永谷晶久さん
これは僕が『マツコの知らない世界』に呼ばれたときにも同じことを発表したのですが、マツコさんからも「人口の多さに物を言わせて泥仕合だね」なんて突っ込まれました(笑)。なんだか世間的に「手段を選ばない悪い人」みたいなイメージになってしまったかもしれません……。

æ–Žè—¤
でも、まあ、永谷さんの情熱がそういうアイデアを生んでいるわけですからね……。思ったのですが、埼玉県民だけではなくて他県の人にも埼玉のうどんをPRした方がいいのでは? いろいろ個性的なうどんもあることですし、そうした方が消費量も自然に増える気がします。

永谷晶久さん
僕としては、埼玉県民に埼玉のうどんを知ってほしいんです。埼玉県と言っても広いじゃないですか。すると、例えば川口市の人は、幸手(さって)市のことをぜんぜん知らない、戸田市の人は吉川市のことを知らない、なんてことが生まれてくるでしょう。そこを僕はうどんを通して県民どうしがお互いのことを知ってほしいんです。

æ–Žè—¤
埼玉を日本一のうどん県にするというのは、あくまでも手段。永谷さんの最終的な目標は埼玉県民が地元の文化を見直せるようになるということか……。千葉県出身で埼玉県在住である永谷さんがこういう活動をするというのは、意味がありそうですね。

永谷晶久さん
埼玉県は人口が流入する地域でもあります。その結果、埼玉県独自の文化がどんどん薄まっていく傾向があると思っています。だからこそ、大人になってから埼玉に住んだ僕が気づいたり調べたりして知った魅力を、もっと埼玉に住んでいる人に知ってほしい。

僕も本日は「現役の埼玉県民」にインタビューしてもらえて、うれしかったです。

æ–Žè—¤
「現役の埼玉県民」! そんな褒められ方も初めてです(笑)。

最後に、みんなうどん食べよう! という啓発のポーズで写真を撮りました
最後に、みんなうどん食べよう! という啓発のポーズで写真を撮りました

長らく埼玉県に住んでいるのですが「名物なんてないだろう」と思っていました。でも調べてみると意外な名物があるし、それを一生懸命伝えようとしている人もいるのですね。

さて、永谷さんは「埼玉県のうどんをまず県民が知ってほしい」と言っていました。でも、同じく埼玉県人である僕はちょっと意見が違って「県外の人にバンバン食べてもらった方がいいんじゃないか」と思いました。

カルチャーだと、日本の物が海外で認められて、それが話題になり日本に逆輸入される、なんてことよくあるじゃないですか。

県外も話題になってもらえば、結果的に埼玉県も盛り上がってくるような気もします。……永谷さん、どうでしょうか~?

埼玉のポテンシャル、うどん以外にもこんなに高いんですよ

著者:斎藤充博

指圧師・ライター・マンガ家などをしています。昼寝とビールが好きです。
Twitter:@3216

撮影:小高雅也(取材)

ソレドコでTwitterやってます!

公開記事や発掘ネタなど、あれやこれやつぶやいています!

今回紹介した商品

「スゴい!埼玉うどん王国宣言!!」を詳しく見る
「武蔵野うどん」を詳しく見る
「加須うどん」を詳しく見る
「煮ぼうとう」を詳しく見る
「ブルドックソース」を詳しく見る

 

*1:荒川以南・多摩川以北で、東京都心までの間に拡がる武蔵野台地。埼玉県西南部の川越市や所沢市、ふじみ野市、三芳町などが含まれる。