読書感想文:『心霊探偵八雲 ANOTHER FILES いつわりの樹』/著・神永学

今回、読んだ作品はこちら!

 

『心霊探偵八雲 ANOTHER FILES いつわりの樹』著・神永学

 

八雲シリーズの外伝である

 

なぜこれが外伝という位置づけなのが分からないでいたら、

あとがきを読むと、

舞台用に書かれたものを加筆修正されたものだという

なるほど

八雲シリーズが舞台化されていたことを知らなかったので驚いた

キャスト欄を見ると見知った名前がちらほら

一時期、舞台を見ていた時期があるので、

そこで知った俳優さんの名前があったので、

俄然舞台にも興味が出てきた

複数、舞台化されており、

他の外伝を読み終えてから舞台を見ようかと思う

舞台は配信サイトで配信されているので見る機会はいつでもあるよう

まずは小説を読んでからだ

他の外伝も読んでいくことにする

 

今作では、

晴香の友人が幽霊に憑りつかれ、八雲に相談した件と、

後藤刑事と石井が追う殺人事件が絡み合うことになる

 

八雲は晴香のことをトラブルメーカーと思っているが、

(否定はしないが)

友達を放っておけない晴香だからこそ、

八雲を放っておけず、ずっと八雲のそばにいるのだろう

他人を寄せ付けなかった八雲と、他人を放っておけない晴香の組み合わせは良い出会いだ

 

今作では石井の立ち位置も今までより重要だった

事件の当事者になったわけではないのだが、

事件の被害者、容疑者になった人物が石井の高校時代の同級生なのである

しかも石井をいじめていた人物なのである

複雑な思いで事件と向き合うことになる石井

 

頼れる先輩の後藤刑事、

石井に想いを寄せる真琴の𠮟咤激励、

八雲や晴香の存在で変わりつつあった石井だったが、

過去のいじめと向き合うことで変わるきっかけになった

後藤刑事は石井のことを見込みはあるがなぜ弱弱しいままなのかと訝しげだったが、

いじめや父親からの軋轢あったためだ

後藤刑事としてはそういった生い立ちや過去のことを知らない

だから寄り添うこともできない

知ったところで、後藤刑事は寄り添うようなタイプではないが

石井には後藤刑事のような荒療治は必要だったと思う

 

今回の事件をきっかけに過去と向き合い、

八雲が橋渡しになり、

真琴の過去を知り、

(真琴もいじめられた経験があり乗り越えてきた)

後藤刑事の怒号を受け、

石井は前を向き、強くなった

 

えーっと、石井の成長記かな?(笑)

 

八雲も、

一心に晴香に後藤刑事にと人間関係に恵まれているが、

石井も恵まれているなと思う