「Winny上のコンテンツ総額は 100億円」の調査方法

Winny上のコンテンツ総額は「100億円」 ACCSとJASRACが試算
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0611/28/news075.html
によると、

コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)と日本音楽著作権協会(JASRAC)は11月28日、Winny上の違法ファイル流通額を試算し、音楽ファイルは4.4億円相当、ソフトは95億円相当という結果を得た、と発表した。

 10月10日の午後6時から午後12時の6時間にわたって調査したところ、少なくとも21万ユーザーがWinnyを利用していた。違法ファイルは、音楽ファイルが61万(1ファイル当たりのJASRAC管理楽曲数が7曲とした場合、月額使用料換算で約4億4000万円相当)、ビジネスソフトが約61万(平均価格換算で約19.5億円相当)、ゲームソフトが約117万(同約51.3億円相当)、アニメが約18万(同約17億2000万円相当)、コミックが約117万(同約7億円相当)あった。

とあるが、どうやって「試算」したのだろうか。


「10月10日の午後6時から午後12時の6時間にわたって調査したところ」 とあり、数時間しか調査に時間をかけていない点から推測するに、実際にファイルをダウンロードして内容を確認をする等は行わずに、単純に共有されているファイル名一覧を取得して、それから適当に人間が見て、総額を試算したのではないだろうか。


とすれば、上記の「結果」は、以下のような現状ではかなり不正確な値になるのではないかと思う。


ファイルは、ファイル名を見るだけではなく、実際にダウンロードしてみないと、それが違法にアップロードされている著作物かどうかは判別不能なのではないだろうか。


なぜならば、ファイル名だけではそのファイルの内容は分からない し、価値のあるようなファイル名を持つ巨大な偽装ファイルを生成してそれを Winny で共有している場合もたくさんあるだろう し、特に最近では、Winny を通じて出回るワーム等が、市販のソフトウェアや音楽の曲名などの文字列のファイル名で偽装し、ファイルのデータ本体はワームプログラムの複製 というような仕組みで広まるワームなどが流行っているので、単純に、著作物っぽい製品名や音楽名のファイルが共有されていただけで、即、違法にファイルがアップロードされているとして計算に含めるのはおかしい。