今回はプリキュアでは珍しめの、重く、悲しいお話だったね。
飼い主であればいずれ必ず直面するペットの死の問題を、丁寧に取り扱ってくれた回だと思う。
いろははニコ様に、フクちゃんを助けられないかと懇願したけど、ニコ様から返ってきた言葉は「いろは、あなたもわかっているはずだよ」。
ニコ様の力があれば、延命することもできたのだろうか?
仮にそんなことができたとしても、それは違うし、絶対にやってはならないことのような気がする。
延命ができたとしても不老不死にはなれないし、そうしたらフクちゃんも、お鶴さんも、誰も幸せにはならない。
ニコ様の言葉は、どんなにつらくても、いつか来る死は受け止めなければならないということかな。
トラメはお鶴さんの事情を知らずにティラノサウルスのガオガオーンを発生させたが、お鶴さんの事情を知ってガオガオーンの動きを即座に止めた。
やっぱりトラメはいい子なんだね。
トラメもフクちゃんの死を知ったら、間違いなく悲しむと思う。
お鶴さんがまだ子供の頃に鈴ちゃんという犬がいたけど、鈴ちゃんも死んでしまった。
だからお鶴さんは「もう犬は飼わない」と決めたけど、譲渡会でフクちゃんと出会うことができた。
その思いを埋めて、さらに新たな幸せをくれたのがフクちゃんだけど、そのフクちゃんとも別れが訪れた。
一度鈴ちゃんの死を経験しているお鶴さんにとっては、もうこれ以上失いたくないという思いがあったはず…。
フクちゃんは18歳、人間でいうところの88歳。
今回のお祝いは、人間でいえば米寿の祝いになるわけか。
人間もそうだが、健康管理をどんなに頑張っていても長生きできる人、そうでない人がいる。
フクちゃんは自分自身が幸福に恵まれていたから、お鶴さんのことも幸せにできたのかもね。
いろはも、フクちゃんが死んでしまったことで、自分もいつかこむぎとお別れする日が来ることを深く認識してしまったから余計に悲しかったのかもしれない。
まゆも同じく、ユキといつかお別れすることになる。
こむぎやユキは人間の姿になれるものの、それは見た目が変わるだけで、人間と同じくらい長く生きられるようになるわけではないものね。
いろははこむぎと、まゆはユキと、今は他愛の無い日々が過ごせているけど、この日々がいつか終わるなんて信じたいわけがない。
笑い合うだけでなく、たまにくだらないことで喧嘩することも、別れの日が訪れればできなくなる。
末永く付き合っていける出会いがあるのはいいことだけど、その分、別れもつらいよね…。
人間もそうだけど、身近な人の死はいつか必ず訪れる。
親族だったり友達だったりの死は、個々の人生の中で誰しも数回は経験することになる。
これはペットに限らず言えることだね。
いつかは自分にも死が訪れるわけだが、その時自分は何を考え、何をするのだろう。
避けることができない死とどう向き合うか、考えさせられる回だった……。
余談だが、この話の反響は非常に大きかったようで、Xでも「寿命問題」「ボロ泣き」「ペットの死」などのワードがトレンドインしていた。
お鶴さんと同じような経験をしている人にとっては特に、涙腺崩壊必至の回だっただろうね…。
ニチアサで重っ苦しいお話を描くとは思えなかったし、綺麗事で片付けるのかと思っていたけど、現実はこういうものだということを教えてくれるお話で良かった。
ペットの死、他者の死、自分の死がいつか訪れる時に後悔しないよう、限られた時間を大切に、精一杯生きたいね。
それでは今週も…
みんな笑顔で、わんだふる〜!
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