予備試験を独学・1年で受験してみた

他のブログと違う視点で「合格まで」を考える/73期弁護士

社会人はボーナスで何を買うかで人生が変わる(学生はお年玉)

さて、もう12月です。

12月といえば、社会人の方はボーナスですね。学生はお年玉でしょうか。

 

ボーナスやお年玉のようなまとまったお金を手にした時、そのお金を何に使うかで人生が変わると思います。

 

美味しいご飯を食べに行ったり、遊園地に行ったり、飲み会でパーっと消費するのも良いですし、一つのあり方でしょう。

しかし、こういったその場限りの消費は、将来に何も残りません。その時は楽しいですが、これを基に自分のスキルや収入が上がったりはしないでしょう。

 

他方で、このようなお金を「本を読む」などの自己投資に使ったりするとどうなるか。その本で得た知識が将来の大きなお金になるかもしれません。絶対ではないですが、少なくともその場限りの消費よりは、人生の質を上げてくれるものになるはずです。

 

私は大学3年生の時、その年のはじめに貰ったお年玉で、ジュンク堂吉祥寺店や大学の生協に行き、予備試験の短答問題集と論文問題集を全科目分まとめて買いました。

そして、お金(と勉強時間)を投じた結果、弁護士資格を得ることができました。おそらくこれらの問題集を購入せず、予備試験に合格していなかったケースと比べると、収入は数百万円単位で大幅に増加したと思います。

 

大ベストセラーの「金持ち父さん貧乏父さん」に出てくる言葉ですが、何かを「得る」ためにはそれを得るのに相応しい人間に「なる」ことが先です。

現状に不満があったり、何か欲しいものがある方は、まとまったお金を自己投資して、何かを得るのに相応しくなりましょう。欲しいものがあるのに、何もせず手をこまねいていても、欲しいものは手に入りません。

 

私もそろそろボーナスですので、現在通っている大学(法律ではない)に関係する書籍や、自分が興味のある建築関係の書籍を買い込みたいと思います。

 

shihounoinu.hatenablog.com

 

 

 

インハウスローヤー(企業内弁護士)の良いところって?

私は企業の法務部に勤務しています。

新卒で企業法務系の法律事務所に入ってそこで数年間勤務した後、現職へ転職した私が企業内弁護士の良いところとして思い浮かべるのは、「難易度の低いNDAや業務委託契約など基礎的な案件から始められること」だと思います。

 

どういうことか?大手法律事務所と対比しながら話したいと思います。

特に都心で、かつ企業系の大手法律事務所の場合、クライアントもそれなりに規模の大きい会社が多いです。

そのため、クライアント自身でも法務部を持っており、クライアントの法務部では対応しきれないような難易度の高い案件について法律事務所に依頼が来る、という傾向にあるように感じます。

すると、司法修習後、アソシエイト弁護士としてそのような法律事務所で働き始めた新米弁護士は、いきなり応用的な案件から扱うことになります。

現在の四大法律事務所も昔は今よりもずっと規模が小さく、また、企業の法務部機能も大したことがなかったため、法律事務所にも基礎的な案件の依頼があったと予想していますが、私が勤務したブティック系法律事務所では簡単な案件は一つとしてありませんでした。

私は、そういった法律事務所での経験を経てから企業の法務部へ転職したのですが、転職先にいた「司法修習後新卒で企業内弁護士となった方々」は、私よりもはるかに基礎力が高く、基礎が固まっていなかった自分に、かなり焦りを感じました。

 

転職してから1年6ヶ月間、相当な案件数をこなした今では多少は基礎力がついたかなと感じているところです。

一般民事系の事務所や地方の事務所であれば話は違うのかもしれませんが、私がもう一回新卒の就職活動をやり直せるとしたら、都心の大規模/ブティック系法律事務所に入るよりは、(将来的な独立を視野に)一般民事系の法律事務所・地方の法律事務所、または(独立は考えずに)企業の法務部に入るような気がします。

 

shihounoinu.hatenablog.com

 

司法試験/予備試験の基本書/問題集を安く買うこと

法律の本って高いですよね。

私も学生時代、なんでこんな高いんだろう^^;って思ってました。

 

学生はお金ないですから、法律の本を一冊買うだけでも大変ですよね?

それを複数冊買わなきゃいけないので、一冊あたりは安く買いたいですよね。

 

私は、Amazonの中古やメルカリで法律の本を購入していました。

 

例えばAmazonだと芦部憲法は(2024年8月29日時点)、

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メルカリでも芦部憲法第8版は、大体3,000円くらいでした(2024年8月29日時点)。

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1冊あたりを安く買って、それが積み重なると大きな節約になります!

賢く有効活用していきましょう。

予備試験・司法試験 上手くいかない(ex.不合格)なら勉強方法を変えるべき

この記事を読まれているのは、

・過去に予備試験または司法試験を受験し、不合格となった方

・現在、予備試験または司法試験の受験に向けて勉強中だが、自信のない方

と想像します。余談ですが、後者はまさに昔の私です(笑)

 

この記事を読んだことで、読者の皆様が来年以降合格している姿をイメージできたら嬉しいです。

 

さて、風物詩と申しても過言ではないと思いますが、

毎年、合格発表の度に、受験ブログが一斉に更新されて、

「不合格になった方は、何が不合格の原因だったか自己分析しましょう」

という記事が踊ります。

 

私はとても優しいので(笑)、試験が行われる前に、同趣旨の記事を出します。事前に対策ができるように…

 

私的には、予備試験・司法試験では、以下の3つが失敗の原因だと思っています。不合格になるなど現状上手くいっていない方は、以下の3つのいずれかを変える必要がある可能性があると思います。

1 決意がない/足りない

2 勉強量が足りない

3 アプローチが間違っている

完全なる私見ですが、それぞれ詳細を述べていきます。

px.a8.net

 

 

1 決意がない/足りない

「今年は合格しないだろうけど、来年に合格できればいいなー」という方がいます。

皆さんも他の人がそういうことを言っていると、「当該他の人は、今年に合格する可能性は極めて低く、来年に合格する可能性も高くないだろうなー」と直感的に思うのではないでしょうか。

ただ、他の人が言っているとそう思うのに、自分もそう考えてしまうことには違和感を感じない人が多い気がします。

今年に合格する可能性が高いのは、「今年、合格する」と決意してそのための勉強をする人だと思います。

 

中途半端な決意(「できたらいいなー」程度の思い)は、達成のための行動に繋がりません。

私もずっと「リッツカールトン日光に泊まれたらいいなー」程度の思いは何年も実現できていませんが、逆に「大学4年で予備試験に合格する」「イタリアへ旅行する」など、強く決意したことは達成できました。

 

まず、予備試験・司法試験に合格できればいいなー程度の軽い気持ちで日々勉強するのではなく、次の試験で必ず合格することを決めてください。

厳しく言うと、軽い気持ちで試験に臨むのは、不合格でも自分が傷つかないための「逃げ」です。まず合格することを強く決意し、合格のための行動を起こす土台を作ってください。

それで仮に不合格になったとしても、軽い気持ちの時よりも深く落ち込むはずで、その落ち込みは次回の試験において役立つと思います。

 

決意の動機はなんでもよいです。

私は「1年間合格が遅れると、〇万円くらいの損失になる…!」という理由で一発合格を目指していました(笑)

意志が弱い自覚のある人は、外的な要因を使ってもいいと思います。

例えば、

・恋人に「次回の司法試験で必ず合格する」と宣言する

・CMでも有名なアガルート予備校の予備試験最短合格カリキュラム(※1)で合格して、講座代金の返金(※2)を受けたい

(※1)予備試験最短合格カリキュラム

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2 勉強量が足りない

例えば、他の受験生が5時間勉強しているところを、自分は1~2時間しか勉強していなければ、勉強量が不足している可能性もあります。

この場合の対処法は、①勉強時間を増やすか、②短い勉強時間でも十分なインプットができるように効率的な勉強を行う、のいずれかとなるでしょう。

 

3 アプローチが間違っている

ご自身のアプローチに自信はありますか?

私と同様に独学で受験しようとする方や、予備校を使っていたとしても短答対策ばかりして論文対策をしていない方などはアプローチに自信がない可能性があると思います(私も経験したので笑)。

 

そもそも、勉強のアプローチに独自性は不要だと思います。

他の受験生と同じアプローチで、同等以上の勉強量をこなせば(「2 勉強量が足りない」)基本的に合格する可能性は十分あると思っています(※私見です。)。

要するに、アプローチは”間違っていなければ”それでよいと思います。努力の方向が間違っていれば受かる可能性が低下するかもしれませんが、標準的なアプローチを採用したこと自体で受かる可能性が下がることは考えづらく、他の要因(勉強量とか)で勝負が決まる気がするので。

 

よって、効率的な独自の方法を求めている方は、いわゆる他の受験生が採用しているようなスタンダードなアプローチを採用することをご検討ください。

これに関しては、本ブログの下記の人気記事についてもご参考にしてください。

shihounoinu.hatenablog.com

 

まとめ

今回は珍しく精神論っぽくなってしまいましたが。

まずは、「合格する/したい」という強い思いを持ってください。

なぜ合格したいのか、はっきりさせてください。次の試験で合格するために、自分の動機を定めて、勉強にコミットすると良いと思います。

そのうえで、勉強量を十分にこなし、標準的なアプローチを採用して、合格に向けて邁進してください。

 

P.S.下記は、カリキュラム内容を見るに、標準的なアプローチだと個人的に思います。

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始める前にやり方に迷うより、早く勉強を始めたほうがいい

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私は、大学3年から予備試験の勉強を始めました(※現在73期弁護士です)。

勉強を始める前に、1か月ほど、どのように勉強を進めていくか/どんな教材を使えば良いかについて、ネットの情報を見ながら計画を立てていました。

いま振り返ると、方法について悩む時間はもう少し短くし、中身の試験勉強をもっと早く始めるべきだったなあと思います。

 

…ということを、両学長の動画を見て思ってました笑(動画1:10〜)

 

 

要するに、回り道せず、さっさと本当にやるべきことに取り組め!ということです。

予備試験・司法試験の受験生でもブログや掲示板で、「どんな参考書が良い」「どの講師が良い」ということに時間を割いて議論している方がいるように思います。

 

…その時間、試験勉強(=法律の勉強)に充てた方が良いと思います!

明らかに間違っているやり方でなければ、あとはやり方の問題ではなく、どれだけ中身を勉強し、どれだけ習得したかです。

 

合格実績のある予備校のカリキュラムに従って勉強することは、明らかに間違った勉強法とはいえないと思います(合格者がいるので!)。

勉強計画で迷っているのは時間が勿体ないので、勉強計画を決めるのは他人=予備校に任せて、自分は勉強に集中しましょう!

(何でも自分でやらなきゃ体質の人から反論がきそうですが、弁護士になったら事務員さんに仕事をお願いするのが当たり前ですからね!)

 

●当ブログでは、オンライン予備校を使用して勉強することを一貫して勧めています。詳細は下記の過去記事をご覧下さい。

shihounoinu.hatenablog.com

 

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●勉強法は、大学教授の研究によりある程度正解が出ています。

下記の本をご参考にしてください。

 
使える脳の鍛え方

学生や修習生に戻れたら長期でヨーロッパ旅行に行きたい

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弁護士登録をした後は、長期休暇を取れる機会は激減する場合が多いです。

私も御多分に洩れず。コロナに重なったこともありますが、73期修習開始直前の2019年11月以降、海外旅行に行けていません。

フルタイムワーカーが、学生時代/司法試験終了後の合格待ち期間/二回試験終了後の期間のように、気兼ねなく長期休みを取得するのは、困難です。

フルタイムワーカーになっても3連休はありますし、年末年始や(インハウスの場合年休とかも)を使えば1週間程度の休みは取れます。

ただ、国内旅行やハワイ・アジアなど近い海外旅行に行く方々が多く、ヨーロッパに行く機会は非常に減ったという声が(私を含め)聞かれます。

なので、ヨーロッパや南米(ウユニ塩湖とか)など、日本から行きづらい国に行ってみたいという願望がある方は、時間がある時に行くことをおすすめします。お金はまた後で稼げるので。

私は、時間がある時にヴェルサイユ宮殿(フランス)、カゼルタ宮殿(イタリア)、フィヨルド(ノルウェー)などに行かなかったことを、いま強く後悔しています。

 

インハウスになって1年が経ち、仕事に慣れたとみなされ、結構な仕事を振られるようになってきました。今年度は忙しくなりそうな予感がしています…死ぬまでに行きたいなあ

時間がある方は、ぜひ行けるうちに行きたい国に行ってください…

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※当ブログで累計で一番人気あるシリーズ(勉強計画シミュレーション)です。

shihounoinu.hatenablog.com

 

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当ブログは、私自身が独学で受験して非常に苦労した体験から、オンライン予備校の利用を推奨しています。詳細は上記の記事をご覧ください。

弁護士のインハウス転職:その後の感想(半年後)

【結論】今のところ非常に満足しています。

 

お久しぶりです。ブログしかやっていないくせに更新を止めてました。

インハウスへ転職して早くも半年。その感想を書いていきます。

※本記事では、企業法務系の法律事務所に2年間、その後企業にインハウスとして半年間在籍中の実体験を書いていますが、私は事務所・企業を一つずつしか経験していません。そのため本記事は、個人的な体験を記載するものであり、客観性に欠けることはご留意ください。

職務内容は、どちらも契約書審査や法律相談が主であり、その意味であまり差異はないものの、訴訟代理人になる・ならないなど、下記で詳述するような差異はあります。

ちなみに、私は転職前と転職後で給与にほぼ差はありません。もっとも大手事務所や給与の高い名門事務所とインハウスの給与とでは大きな差があります。

良かった点

1 ワークライフバランス

まず、労働時間規制があることですね。

法律事務所のアソシエイトに比べ、労働基準法、36協定、就業規則等により、長時間労働や休日出勤について規制があり、ワークライフバランスが取りやすいです。

残業時間に上限がある、土日出勤は原則不可、勤務終了と次の勤務開始までにインターバルがあり休息を強制的に確保、などのルールで保護されています。

私は、法曹としての仕事が好きで好きで…というタイプではなく、どちらかというと生活のための仕事としてやっている感じです。

ですので、法律事務所時代に一時期なっていた(やらされた)仕事漬けは、全く嬉しくありませんでした。個人事業主なので上記のような保護ルールもなく。。。

ワークライフバランスは、インハウスの良い点の筆頭です。

2 懇切丁寧に面倒を見てもらえる

会社によると思いますが、私が入社した会社では、案件処理の方法や会社での立ち居振る舞いなどについて丁寧に先輩方(弁護士資格持っている方も持っていない方もいます。)にご指導いただくことができました。自分としても非常に勉強になっています。

こちらも事務所によるとは思うものの、以前に入った事務所では「アソシエイトに懇切丁寧に教えてもどうせ独立して競合相手になる」という考えのパートナーでしたので、基本的に放置されていました(その考えは間違っているとは思いませんが、そう考えるのであれば雇わなければいいのに…)。

会社はその点、仕事をまともに教えない若しくは振らない、又は必要以上に厳しく接する、といったことをすると、その上位者がパワハラ認定されたり、人事評価で減点を食らうので、丁寧になる傾向が高いような気がしています。

3 難しい問題は、外部弁護士に投げる

難しい法律問題は、会社としてもリスクヘッジのため、外部弁護士のご見解を徴します。法律事務所はこれに回答する側であり、書籍を漁ったり、官公庁に電話したりと難しい問題に頭を悩ませており、気苦労も多かったように思います。

しかし、インハウスはこれをお願いする側であり、自分で最終結論を出さないので、責任の所在の観点で、労力的にも心理的にも非常に楽です。

もっとも、「そういった複雑な問題を考え、答えを出すことが法律職の醍醐味だ」と考える方であれば、法律事務所の方が良いかもしれません。

デメリットとも思われる点

1 訴訟代理人になることがない

これは本当に会社によります(※ひまわり求人で訴訟代理人になることがある旨記載されているインハウス求人を見たことがあります。)。

私は、訴訟を面白いと思っていたタイプなので、訴訟代理人になる機会がないのは寂しく思うこともあります。もっとも、代理人の先生が起案した書面を、裁判所に提出する前に、依頼者企業の法務部(我々インハウス)でも確認するので、一応関わってはいますが、一次的な起案をしたり、期日に出席したりということはないです。

2 弁護士資格があってもなくても同じ/インハウスだと関われない分野もある

インハウスは、ただの会社員です。弁護士資格があるからといって優遇されません。弁護士資格があろうがなかろうが、法務部であろうがなかろうが、皆同列の会社員です。

ちなみに私の所属する会社は、弁護士資格に対する資格手当もありません(弁護士会費は会社負担ですが。)。

また、職務内容は、弁護士資格がなくてもできるものになります(訴訟代理人等資格が必要な行為は代理人弁護士に依頼するので。)。

上記インハウスで関われない業務の最たる例は、破産関係だと思います。

破産手続代理人、破産管財人といった業務は行うことができませんので、こういった分野にご関心のある方は、法律事務所一択です(もっとも金融系の会社などで破産法を扱うことはあるとは思いますが、手続代理人や破産管財人は難しいでしょう。)。

3 敵は社内にあり

インハウスの仕事の流れとしては、

a. 事業部からの質問

b. 必要に応じ事実関係をヒアリング

c. 法的問題を検討し、回答

ですが、法律の素人からの質問なので、色々問題が生じることもあります。

a.に関しては、そもそも法的な問題じゃないとか、b.については法務部からの質問を理解できないとか、途中で音信不通になるとか(そんな残念な人もいます。)、c.回答しても一回で理解できず何度も追加で質問をしてくるとか。。。

要するに、面倒くさいと思う場面が多々あります。

この点、企業法務の法律事務所に相談をしてきていたのは、大抵企業法務部の職員で、マナーもリテラシーもあったので、上記のような問題は起こらなかったです。

4 法律問題を考える、以外の事務作業も多い

法律事務所時代、事務作業は秘書の方が全てやってくださり、自分は弁護士としてやるべき法律的な問題の処理に集中できる環境がありました。

インハウスは違います。部内のスケジュール調整、コピー取り、郵便物の管理、飲み会の企画運営等、事務作業は基本的に全て自分でやる必要があります。

私はこれらが全く苦ではなかったので問題なかったのですが、法律家として法律問題に集中し自分を高めていきたいという方にとっては、考えるべきポイントかもしれません。

お役立ちリンク

【PR】予備試験・司法試験の勉強には、予備校の活用を推奨しています。

下記は昨年の記事ですが、私の言いたい内容は同じですので引用します。「2025年合格を目標」など、年を1年後ろ倒しにして読んでいただければ。

shihounoinu.hatenablog.com

 

【PR】転職に関しては、以下の2サイトを利用しました。

・弁護士ドットコム:日本最大級のネットワーク【弁護士ドットコムキャリア】

・doda:https://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=3T096D+A7XWMQ+23WI+644DT

★転職に関する詳細な体験記はこちらの記事です。

shihounoinu.hatenablog.com

弁護士2〜3年目のインハウス転職活動体験記【企業内法務】

早くも二度目の転職記事ですが、転職するのは今回が初めて。

転職先はインハウスです。

前回の転職活動ではひまわり求人から応募し内定を頂きました*1が、今回は弁護士ドットコムキャリアでエージェントのサポートを受けて転職活動をしました。

結論としては、

・ひまわり求人にない求人が多くあった(弁護士ドットコム経由で内定を頂いた2社もひまわり求人には掲載されていない非公開求人)

・「弁護士転職に強い」を謳っているだけあり、エージェントからのアドバイスは的確だと思った(TVCMを出しているような大手他社のエージェント(以下、「他社A社」という)も利用しましたが、知財や安全輸出管理など経歴に合わない求人を紹介された)

・エージェントの仕事が早かった(偶然かもしれないが他社A社経由の応募は、選考スピードがやたら遅かった)

なので弁護士ドットコムのエージェントにサポートしてもらって良かったです。

面接でよく聞かれた質問

僕は、以下の頻出質問に対して全て正直に答えました。

面接の前には、以下のような準備をしていました。

頻出質問については、ある程度話す内容を組み立てる

→2~3回はリハーサルとしてスマホの内カメラで録画して自分の応答(ノンバーバルな部分を含む)を客観視

→よりよくなるように修正

 

Q1.転職理由は?

 

Q2.転職活動の軸は?どんな会社に応募している?

 

Q3.なぜ事務所ではなくてインハウスなのか?

 

Q4.現職での経験について、具体的に業務内容を聞かせてほしい

 

Q5.法律事務所ではどういう働き方をしていたか?事務所においてチームで働いた経験はあるか?後輩を指導した経験は?

趣旨:インハウスの場合、会社はチームプレイヤーとしてやっていけるかを見ている

 

Q6.当社に応募した理由は?(志望動機)

補足:会社がどのような事業をやっているかくらいは決算説明会資料などを読んでから面接に臨みましょう。

 

Q7.(10年後など)どういうキャリアを歩みたいか?再度転職し、法律事務所へ舞い戻るというシナリオはあるのか?

補足:長く働いてほしいという意図が見えます。

 

Q8.(総合職採用の場合)法務以外の部署も経験することになると思うが、大丈夫か?

補足:会社の制度を受け入れられるか、です。

 

Q9.弁護士経験で一番苦労したことは?

 

Q10.法律知識があまりない人への説明は、わかってもらえないこともあったと思うが、どのようにしたか?

補足:インハウスローヤーだと、社内の法律知識がない人への説明が仕事の多くを占めます。

 

Q11.自分の強み・弱みは?

補足:インハウスの場合、会社はチームプレイヤーとしてやっていけるかを見ているので、協調性のなさなどチームの一員として迎えることに不安を抱かせる答えは控えるべき。

経験者が語る転職エージェントのメリット・デメリット

転職エージェントを利用するメリット

1.(★重要)非公開求人・当該エージェントが独自に取扱う求人が多い

2.(★重要)不合格の場合、その理由を教えてもらえることが多い

3.複数応募した企業について、こちらが相談をすれば、一応納得できる理由を以って、「その会社よりこっちの会社の方が良いんじゃないか」と答えてくれる。

4.辞退の連絡が楽

転職エージェントを利用するデメリット

1.エージェントを挟まない方が選考がサクサク進む場合がある

2.自分の転職活動を全て一人で決めたい人にとっては、オンライン面談や報告連絡相談の電話に取られる時間がもったいないかもしれない

エージェントを使うことに関する僕個人の感想

今回、僕はメリットの1.非公開求人を紹介していただき、その非公開求人から内定をいただいて入社することとなったので、エージェントを使って満足しています。

僕は弁護士ドットコムと他社A社の2社にお世話になりました。前者のみが独自に取り扱う求人、後者のみが独自に取り扱う求人(弁護士専門ではないですが大手ですから)、それぞれありました!

転職をお考えの場合には、弁護士ドットコム&大手転職サイト1社(他社A社的な会社)に登録すると、マッチする求人を見つけやすいかもしれません。

 

・弁護士ドットコム

・大手転職エージェント

・参考になる動画


www.youtube.com

【2024年予備試験合格を目指す!】勉強計画シミュレーション(準備期間1年8ヶ月)

下記記事を改変し、記事作成時点の情報に基づいて作成しました。

shihounoinu.hatenablog.com

記事の通りに勉強しても合格が保証されるわけではありませんが、参考になれば。

僕の自己紹介(知ってたら飛ばしてください)

1996年度生まれ、2018年予備/2019年司法試験合格。73期司法修習を経て弁護士。

法学部法律学科の出身ではなく、2017年(大3)夏休みから予備試験の学習を独学で始めました。

独学は好きでやったのではありません。当時は予備校費用が高く、とても払えなかったため不本意ながら独学しました。

基本方針3原則

勉強の3原則は、

①正しい戦略を取ること=ネット予備校を利用すること

②正しい勉強方法を取ること

③自分に無理をさせないこと

①正しい戦略を取ること=ネット予備校を利用すること

結果的に1発合格できたのでよかったですが、もし1発合格できなければ1年・2年…の時間を失います。加えて、(年収)× (合格が遅れた年数)のお金も失います。

予備校に通えば、教材、勉強の方法や順序、勉強範囲の指定、理解を助ける噛み砕いた説明…など、時間を節約して合格可能性を上げる環境が整っています。

なので、予備校に通うのがベターだと考えます。

ただ、対面型の予備校に通うことは疑問です。授業内容はネット予備校と変わらないのに、「リアル店舗型予備校に特有の経費」が受講料に上乗せされるからです。

shihounoinu.hatenablog.com

②正しい勉強方法を取ること

予備試験受験期は、科学的に正しい勉強方法を知りませんでした。

司法試験受験期には、心理学者がその効果を証明した(=ほぼ万人に効果的な)勉強法を取り入れました。

おかげで、勉強時間が予備試験時代に比べむしろ少なくなったのに、予備試験より自信をもって本番に臨めました。

僕が今でも取り入れている勉強法は以下の2冊。必読です。

『使える脳の鍛え方』【Amazon】【楽天】

『進化する勉強法』【Amazon】【楽天】


上記2冊の概略はこの記事をチェック(司法試験の勉強法最新版 - 予備試験を独学・1年で受験してみた)

③自分に無理をさせないこと

予備試験及び司法試験時代、両親が定年間際、下の兄弟2人は私立学校に通っていました。

なので、受験浪人はできないと考え、予備試験の受験年であった2018年(大4)には予備試験と並行で民間企業及び公務員の就活をしました。

・予備試験の短答試験(5月)前に複数社(含:公務員試験)受験

・短答試験〜論文試験(7月)で5社以上(同上)受験

・論文試験終了後も複数社受験

…と鬼のスケジュールをこなしました。

スケジュール的にも精神的にも無理をしましたが、余裕(バッファー)を設けないと「予備試験合格」という目標達成を阻害しかねないとことを後で知りました…

『倒れない計画術』【Amazon】【楽天】

 

【シミュレーション】2023年頭から2024年予備試験合格を目指すとしたら何をする?

前提:大学生、無職又は労働時間が非常に短い

理由:僕が予備試験を1年未満で合格した時は大学生でした。時間がある場合以外を前提にシミュレーションできません。

 

上記「基本方針」で掲げた3原則に従って計画を立てます。

僕だったらアガルートアカデミーを受講します。

 

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アガルートにする理由は、以下の通り。

・ネット予備校なので自分のペースで進められる、リアル店舗型予備校より安い、通学不要

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・先輩(73期)にアガルート出身で早期合格者の知り合いが複数いる安心感

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しかし、独りでは不安な方・お金に余裕のある方がオプション付きを使うことは否定しません。ライザップが好きなタイプの人には向いてそう!

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問題集について

予備校テキスト以外に市販の問題集を買うべきかという質問をよく受けます。

予備校に通うなら、以下のようにするとよいです。

・予備校の問題集に論点網羅性があるのであれば、市販の問題集は使わず、予備校の問題集のみを使用します。なお、アガルートの重要問題習得講座には網羅性があるので、アガルートを利用する場合には市販のものは買いません(ただし、選択科目のみ市販問題集を購入します)。

・予備校の問題集に網羅性がない/予備校の講座に問題集が付属しないなどの場合は、論点網羅性がある問題集を1冊だけ購入し、それを繰り返します。

 

考え方の前提は以下の通り。ポイントは、逆算です。

予備試験に合格するには試験問題を解けなければなりません。

→試験問題を解けるようになるには、問題演習をしなければならない(上掲書籍『使える脳の鍛え方』『進化する勉強法』参照)。

→そこで、僕のやり方は、

・最初期のインプットの時期は短く

・インプットを終えた後は、問題演習が勉強の中心(勉強時間の8割以上が演習)

・論文試験の勉強で全体像をつかんだ後で、短答の細かい知識を仕入れる(俯瞰→細部の流れの方が頭に入りやすい)

【アガルートアガデミーを利用する場合のモデルスケジュール】

以下はモデルケースです。

アガルートの講義スケジュール(https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/production.wp.s3.agaroot.jp/wp-content/uploads/2022/07/08141115/2024yobisaitan_schedulev3.pdf)

~2023年8月31日まで:各科目順次、総合講義300→論文答案の「書き方」→重要問題習得講座の順で視聴する

これらの講座は問題を解くための前提知識です。できる限り早く終わらせ、早期に問題演習に移りたいです。2023年8月31日までには全科目1周目を終えたい。

配信が開始されている科目から順次、「総合講義1周→論文答案の「書き方」1周→重要問題習得講座の周回」を行います。

また、総合講義300受講中(=インプット期)に全く問題を解かなくてよいわけではありません。問題を解くことで記憶が定着するので、スキマ時間で問題演習です。

この時期は、インプット講義を受けた分野の一問一答を、講義を受けた日及びその他時間に余裕がある時に解くと、次のステップ(重要問題習得講座以降)にスムーズにつながると思います。

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重要問題習得講座の1周目及び2周目以降についてコメント

総合講義及び論文答案の「書き方」を視聴し終わった科目から順次、重要問題習得講座の受講を進めましょう。

講義を受講する前に予習=何も見ずに問題を解くことを推奨します。何も見ないのは、思い出すことで記憶が定着するからです。

(テキストを見ながらの回答は、基本方針②で触れた勉強法「思い出すことで記憶の定着を図る」に反し、勉強の効果が薄れます。)

不明な点は、予習答案を作成した後で講義を見る前に、総合講義300のテキストを見返すのがよいでしょう。

重要問題習得講座の中で解説を聴いた問題については、スキマ時間に、回答を紙に書かずに頭の中で(以下断りない限り同じ)解き直します。

なお、僕の勉強法の核は、

①問題演習の回数を増やす=思い出す回数を増やす:書くと1問にかける時間が長くなり、解く問題数が減る(但し、理解に必要なら書いてもOK)

②科目を頻繁に替える(1問ずつ別科目の問題を解くのが理想)

③30分程度勉強したら休憩。目を瞑って新規の情報をシャットダウンする

でした。

問題演習の際は解説を読み、解説を読んでもわからなければ総合講義300のテキストを参照しましょう(以下問題演習の際は同様)。

2023年9月1日~同年10月19日頃:重要問題習得講座で問題演習を継続。並行で法律実務基礎科目対策講座の視聴を完了する

予備試験過去問講座及び旧司法試験過去問講座を解く前に、基礎固め(基本問題である重要問題習得講座の内容をある程度定着させる)をします。

これ以降、重要問題習得講座(及び後に触れる選択科目の問題集)の繰り返しは、受験生活における核とします。

予備試験は経験上、基本問題において論点を判別し、論証が完璧に書け、ある程度の当てはめができていれば合格できると思うからです。

shihounoinu.hatenablog.com

また、この時期に上記の重要問題習得講座演習とは別に、法律実務基礎科目の講義を視聴しましょう。視聴完了部分につきその都度、下記問題集での演習を開始して、この時期に各問題を1周したいです。

 
民事実務基礎 (予備試験論文 2)
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刑事実務基礎 (伊藤塾試験対策問題集:予備試験論文 1)
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2023年10月20日頃~2023年11月30日頃:予備試験論文過去問解析講座及び旧司法試験論文過去問解析講座の1周目を終わらせる

上記の通り。

スキマ時間は、受講した各論文過去問講座(予備試験論文過去問解析講座及び旧司法試験論文過去問解析講座)の解き直し。

余裕があれば、重要問題習得講座及び法律実務基礎科目問題集の解き直しも。

2023年12月1日頃~同月31日頃:今までに扱ったアガルートの問題講座の解き直し

問題集の解き直しはいくらしすぎても、しすぎるということはありません。

基本問題が完璧に解ければ、余裕を持って試験に合格できると思います。

2024月1月1日頃~2024年2月15日頃:選択問題講座の受講及び問題集での演習

論証の「使い方」講座だけ受講を後回しにします。

講義→過去問解析講座→市販の問題集の順で進めます。

いずれも俯瞰的理解を目的にしており、概観→細かい所の順で勉強したいからです。

選択科目は、講義に付属する基本問題集がないので市販問題集を利用します。

僕は労働法選択だったので*1労働法の話しかできませんが、労働法であれば、論点の網羅性が高い『事例演習労働法』を使用します。

僕はホームランは狙わず、どんな問題が来ても一定水準の答案を作ることを目標にするので、問題集には論点の網羅性を求めます。

スキマ時間は、基本7科目及び選択科目の問題演習をします。

『事例演習労働法 第3版補訂版』

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2024年2月15日~2024年3月31日:論証集の「使い方」講座を受講。同時に、重要問題集習得講座、選択科目問題集、法律実務基礎科目問題集及び各論文問題過去問講座を解き直し(スキマ時間も同様)

この時期が始まる前には、重要問題習得講座は4~5周以上しており、特に基本7科目については論文問題を解ける基礎は固まっていると思います。

この時期に知識にさらなる磨きをかけたいです。そこで、この時期の初めに論証集の「使い方」講座(選択科目含む)を受講し、基本的な論証の復習をします。

その後、論証集で得た知識を定着させるため、重要問題習得講座、選択科目問題集、法律実務基礎科目問題集、各論文過去問講座を繰り返し解き、論証の知識を定着させるとともに論文問題の論点判別・解答の精度を上げます。

この時期で論文に関しては合格レベルにまで達することも可能かと思います(但し、短答対策集中期間を挟むと論文への対応力が落ちる場合あり)。

また、この時期から1~2週間に1通程度、本番同様に答案を紙に書く(起案する)ことで自分の弱点を知る(知識の正確さ、時間配分の適切さ等)ことができれば理想です。

本番を見据えた予行演習という意味で、起案する問題は予備試験の過去問が理想。

起案した問題は添削を受け、添削を受けた後にもう一度起案し直すとベスト。

この時期において、重要問題習得講座及び選択科目問題集、法律実務基礎科目問題集、各論文過去問講座を各2周以上はしたいです。

2024年4月1日頃~7月中旬(短答試験本番):短答対策・強化期間

この頃から短答対策をするのが現実的と思います。

これより遅いと短答試験の合格が怪しくなるかもしれませんし、これより早いと最難関の論文試験の対策が疎かになりかねません。

まず、短答講座(Ⅰ:20時間、Ⅱ:125時間、過去問:97時間)を受講しましょう。

もちろん予習の際に問題を解きます。短答の場合はア〜オ等の記号を書くだけなので講座受講前の予習で回答は紙に書きましょう。

 

スキマ時間は短答問題の演習が中心です。アガルートの短答講座には全年度の過去問が含まれるようなので、それのみを使用します。

初期に使用した資格スクエアのアプリやその他の市販の問題集等は一切使用しません*2。

短答講座全部を視聴した後は、短答問題をひたすら解きます。短答試験本番までに全科目最低5周したいです。

ところで、僕は受験生時代、この時期に短答対策に集中しすぎて論文の実力が落ちることを懸念していました(受験生の中にはそうなってしまう人もいたようです)。

ですので、この短答対策期間においても、論文問題を少しだけ演習します。答え合わせを含め1日30分~1時間程度で収まるくらいの演習量(僕なら1日3~6(選択科目含む)科目×各科目1問ずつ=合計3~6問)を、頭の中で演習します。

 

試験本番前は体調にも配慮し、夜更かしはしないで下さい。

shihounoinu.hatenablog.com

2024年7月中旬(短答試験終了)~9月上旬(論文本番):重要問題習得講座、選択科目問題集、法律実務基礎科目問題集及び論文過去問講座の解き直しがメイン。予備試験答練と法律実務基礎科目答練をペースメーカーに

重要問題習得講座はこの時期に解く回数を含め累計8~10周以上、その他の問題集及び論文過去問講座は累計5~6周以上できればよいです*3

ただし、たとえ短答集中対策期間までに上記の周回数を既にこなした場合であっても、この短答試験と論文試験の間の時期に各問題を最低2周はします。

やっぱり本番前にしばらく解かないと忘れるからです。

本番で答案用紙に書けなければ今までの努力も水の泡。

直前期には記憶のメンテナンスとして、特に重要問題習得講座、選択科目問題集、法律実務基礎科目問題集といった論点網羅的な問題集は解き直します。

また、論証集のチェックも問題演習と並行してコツコツ行えるとよいですね。

そして、アガルートのカリキュラムにある予備試験答練及び法律実務基礎科目答練は、全科目しっかり答案を書き(起案し)ましょう。

本番のシミュレーションとして、回答時間等は本番同様の環境で解きます。

 

試験本番前は体調にも配慮し、夜更かしはしないで下さい。

論文試験終了後~論文試験合格発表:好きにするがよい

理想は口述に備えて勉強することですが、僕はやる気が起きませんでした。なので、毎日公園で2時間くらいぼーっとした後、アニメ『メジャー』を見ていました。

頑張れるなら、スキマ時間くらいは法律実務基礎科目(口述試験の科目)の解き直しを中心に勉強してもいいかも。

論文試験合格発表~口述試験(僕が受験した2018年は10月下旬でした):2週間ちょっとしかありません!!!

死に物狂いで法律実務基礎科目の勉強。口述模試は受けよう。

民事は要件事実がメインで、あとは要件事実以外の民法、民訴法の知識がちょっと。

僕は弁護士職務基本規程の問題が出なかった人ですが、受任不可事件や利益相反をはじめとする頻出問題は答えられるようになりたい。が、弁護士倫理の深追いは禁物。メインじゃない。

でも、皆さんはこの期間に0から詰め込むのではなくて、これまで知識を積み上げてきているはずなので、多分大丈夫*4!

刑事は刑法と刑訴法、刑訴規則の基本的知識があれば大丈夫。

 

試験本番前は体調にも配慮し、夜更かしはしないで下さい。

論文試験に合格していれば確率的に口述試験もほぼ通ります。

緊張したり不安になるのは(思い出したくないほど^^;)分かりますが…ホテルでテレビでも見ながらハーゲンダッツでも食べてリラックスするといいと思います!

一般教養講座は僕なら見ません

一般教養の対策講座は僕なら見ません。

が、講義時間は長くないので、一般教養問題に不安があり、かつ時間的余裕があるならスキマ時間で聞き流してもいいかも。

僕は一般教養は無対策で合格しました。対策している人の方が少数派かと。基本的には一般教養は対策しないでいいんじゃないかと思います。

最後にひとことアドバイス

以上を参考にしてもよいですが、ご自身の状況に合わせて柔軟に変更してください。

タスクは後回しにしない方がよいですが(むしろ上記記載の時期より前倒ししたいくらい!)、仮に思い通りに行かなくとも自分を責めないように。

 

短期での合格を目指すということは、裏を返せば他の受験生よりスタートが遅いということになりますから、方向性はさっさと定めて勉強に取り掛かりたいですね!

 

上記シミュレーションで用いたオンライン予備校講義(おすすめです!時期によっては割引もあります)

 【2024年・2025年合格目標】司法試験|予備試験最短合格カリキュラム 【PR】

*1:司法試験時代の話です。僕が受験した頃、予備試験に選択科目はありませんでした。

*2:

時間は有限なので、網羅性のあるアガルートの短答講座だけをやるのが時間配分の観点から合理的です。

*3:

ちなみに僕は、予備試験受験時代に『スタンダード100』という論文問題集を使用したのですが、論文試験までに各科目12~14周の問題演習をしたとの記録があります。

shihounoinu.hatenablog.com

*4:僕はこの時期に0から詰め込みました。ひどい出来でした。

予備試験・司法試験 添削を経験して感じた、論文の勉強法

そういえば、昨年某予備校にて少しだけ答案添削をしたことがありました。

感想は、試験本番があと数ヶ月というところで、受験生間の出来はものすごく差が激しい。

この時点で、既に合否はほぼ決しているのではないかと思えたほどです。

論文試験で得点できる受験生と、得点できない受験生の差は何か?

僕が、添削を通じて感じたことは、

得点できない受験生は、問題の所在を適切に掴めていないか、または、規範をまともに書けていない。

僕が添削した限りでは、得点が低い原因はほぼこれといっても過言ではなかったです。

 

ご存じのとおり、予備試験及び司法試験の論文試験は、

①問題の所在の指摘→②規範(≒判断基準)の定立→③事実のあてはめ

の枠組みに沿って書くことがセオリーです。

 

ここで、

①を間違えば、その後の②や③が、

①は正しくても②が正しくなければ、③が、

必然的に的外れなものとなります。

いわゆる雪崩式失点というやつに近いです。

 

逆に①及び②を正確に書ければ、③を大外しすることはないと思います。

③は、問題文に書いてある事実を、②で書いた規範に沿うようにピックアップする(だけの)作業だからです(あくまで予備・司法試験では)。

保証はできませんが、あてはめが少々下手でも、上記①②を外さなければ、基本的に合格できるような気がしています。

 

論文対策の道標

なので、論文対策では、問題の所在の把握と規範の定立を正確にできるようになることが先決です。

規範はテキストに掲載されたものは全て暗記し、受験日当日には一文字も迷わずに書けるくらいで当然くらいに思ってください。

逆に、あてはめに力を入れるのは、問題の所在の把握と規範の定立ができるようになってからでも遅くない。

理由は既述のとおりで、

・問題の所在の把握と規範の定立ができるならば、あてはめで基本的に大外しはしない

・前提となる問題の所在の把握と規範の定立が不正確なら、あてはめが正確になることはない

からです。

どこが勉強の肝なのか、何を優先的に押さえるべきかを考えると、上記のとおりです。

 

当ブログでは、オンライン予備校の受講を推奨しており、それに関する記事も複数執筆していますが、オンライン予備校を受講する場合も同様に、まずは①問題の所在の把握と②規範の定立を優先して暗記するのが望ましいと思います。

どんな問題でもこれらだけは外さないようになったら、合格は近いと思います。

 

shihounoinu.hatenablog.com

 

①及び②については、普段の勉強だけでなんとかできる(本番の状態に左右されにくい)ので、希望がありますよね!

才能ではなく、意識して努力するかどうかだと個人的に思います。

 

P.S.

ちなみに僕も、上記のような考えで①②を重視して予備試験・司法試験の勉強をしていました。

このブログには、僕の令和元年度(2019年)の再現答案を書いた記事もありますが、ぶっちゃけあてはめはそんなに上手くないと思います(当時、他のブロガーさんにもそのように指摘されました笑)。