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急激な進化を続けるAIをどのように業務へ取り込むか? これは多くの企業やビジネスパーソンにとっての課題です。

「生成AIをより深く活用するには、"ユーザー自身の情報を前提とした出力"が重要です」と話すのは、経営コンサルタントで士業(特定行政書士)でもある横須賀輝尚氏。同氏が開発した「MyAI」は、生成AIにユーザーの情報を与えることで、より自分に適した回答を得られるようになる方法論です。

『「ムダ仕事」も「悩む時間」もゼロにする GPTsライフハック』(技術評論社)より一部抜粋・編集し、生成AIとの新たな付き合い方をお伝えします。



■入力を学習させないようにするための設定
「ChatGPTに自分の情報を入れたら、何に使われるかわからず怖い」「個人的な情報を入れるのは気が引ける」など、情報漏洩などを恐れている人も多いと思います。OpenAI社のポリシーには、たしかに「入力したコンテンツを使用することがある」とも記載されており、不安に思う気持ちもわかります。

しかし、入力した情報を学習させないように設定することは可能です(この方法を「オプトアウト」と呼ぶことがあります)。

設定はかんたんで、画面右上アカウントの「設定」から「データコントロール」を選び、「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにするだけです。これでOpenAI社にあなたの情報が使われることはありませんし、後で解除することも可能です。

有料のChatGPT Plus加入後、ログインすると、いつも見るチャットルームに入ると思います。ここから、GPTsを作成する画面に飛ぶには、次のA、Bどちらかの操作をおこなってください。

ステップA1 左サイドバーから「GPTを探す」をクリック

ステップA2 出てきた画面の右上部、「+作成する」をクリック

ステップB1 画面右上部、アカウントのアイコンをクリックし、「マイGPT」をクリック

ステップB2 出てきた画面の「GPTを作成する」をクリック

なお、ChatGPTはiOS・Android版でも提供されています。ですが2024年10月現在は、GPTsの作成は基本的にはパソコン上でしかできません(※GPTsの使用はスマホアプリからも可能です)。そのため、PC版での操作を前提に解説している点はご了承ください。

またChatGPTにログインすると、まっさらなチャットが表示されると思います。このチャット上で、あなたの情報をメッセ―ジとして打ち込んでChatGPTに教えることでも、一応ChatGPTを「あなた特化」にカスタマイズすることは可能です。

しかしこの方法だと、会話の総量が一定数を越えると、最初に入れたあなたの情報からその後に続くやりとりなど、古い情報から徐々に、ChatGPTは忘れていってしまいます。

都度のチャットでも記憶が保持されるようにする「メモリ機能」というものもあるのですが、これはGPTsとは違い、今後あなたがChatGPTと始めるすべてのチャットにあなたの情報が共有されてしまいます。理由は省略しますが、この方式だと回答の精度が下がる場合が多いため、今回は違う方法を取っています。

■なんでも回答してくれる、万能のMyAIは作れる?
安心して生成AIに自分の情報を入れ込めるとなると、あなたの性格や趣味をよく知り、自分専用にカスタマイズされたGPTsである、「MyAI」を作りたくなってきますよね。そこで

「ジャンルごとにわけずに、あらゆる自分の情報を詰め込んで、自分にとっての完璧・万能なMyAIは作れないのか?」

という疑問を持つ方も居るかもしれませんので、解説しておきます。

これは可能か不可能かで言えば、できないことはないです。しかし、あまりお勧めしません。なぜなら、あらゆる情報を入れてしまうと、あらゆる角度から回答やアドバイスが来てしまうからです。

たとえば、あなたのあらゆる情報を入れた、パーフェクトなMyAIを作ったとしましょう。そしてそのMyAIに、ある日転職の相談をしてみたとします。すると、あなたの趣味を知っているMyAIは、あなたの趣味を通じての気分転換を進めてきます……もちろん、それが悪いわけではないのですが、目的達成までの道のりはブレてしまいます。転職について考えているのであれば、転職に特化した回答をしてほしいですよね。

ほかにも、「ビジネスの企画の相談をしたら、趣味を生かしての提案をしてくる」など、非現実的になる確率が高いアイディアが出てしまうこともあります。もちろんあくまでアイディアなのでそういう発想は必要かもしれませんし、趣味からの企画実現の可能性もゼロではないのですが、回答としてはややズレているわけです。

情報がありすぎると、やはり生成AIは優先順位に悩んでしまいます。あなたも誰かの相談に乗るときに、ありとあらゆる問題や関係のない情報を持ち込まれても困るでしょう。基本的には、仕事上の悩みは仕事上の悩み。趣味の話はあくまで趣味の話。分けて構成した方が、生成AIも悩まないのです。


横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役/特定行政書士

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【プロフィール】
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1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ2,000人以上が参加。著書に『プロが教える潰れる会社のシグナル』(さくら舎)、『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』(さくら舎)、『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、他多数。

公式サイト https://yokosukateruhisa.com/
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