当社はベトナムでシステムの開発からマーケティング・営業のすべてを行っています。 ベトナムでは大卒で経験があり、且つ英語でコミュニケーションが出来る社員が大体5万円程度で雇用できます。日本の大卒初任給のほぼ1/4ですので、この価格差を使ってITのオフショア開発だったり、委託作業が人気を見せているのが最近のベトナムです。ただコストが1/4の人が日本人同様のアウトプットを挙げられるかというと、さすがにそんなに良い話は何処にも転がっていません。 ■仕事が早く終わったのでYoutube 当社はQ&Meというベトナムでの市場調査を運営しているのですが、先日「業務中のサボり状況」について調査しました。社内業務を行っているベトナム人を中心に集めた調査ですが、「ウェブ閲覧(64%)」「音楽を聴く(50%)」などはまだしも、「Youtubeを見る(41%)」「(仕事に関係のない)ファイルをダウンロードする(40%)」など、雇用する側から見るとガックリする数字が並びます。当社でも僕が外出して戻ってくると社内の空気が弛緩しまくっていることが良くあります。 なぜサボってしまうのか・・。「1位=リラックする時間が必要だから(66%)」「2位=仕事が早く片付いたから(51%)」との回答です。与えられた業務をしっかり終えたのでリラックスさせていただきます・・という感じでしょうか。 ■言われた事を効率的にやるベトナム式 ベトナム人は仕事の取り組み方が効率的な一方で、自分の作業の「合格点」が低いため、言われた作業をそこそこのレベルで実行して終了ということになりがちです。そして結果的に顧客や会社が求めるアウトプットに届かず何度もやり直しになってしまいます。AとBを御願いしたときに機転を利かせてCもやってくれる・・というのは業務へのコミットの高い日本だから期待出来ることです。日本のやり方全てが正しいとは決して思いませんが、日本人の「仕事の取り組み方」や「アウトプットの質」は世界的にもの凄く高く、同じものを特にアジア新興国に求めるのは現状無理があります。 ベトナム含めた新興国では、労働単価が安いためスタッフの数が多くなり、管理がおざなりになり各個人の作業が見えにくくなってしまいます。その為、なかなかスタッフの細かな状況把握に手が回らず、生産性が向上しないという悪循環に陥りがちです。多くの日本企業がベトナムに進出していますが、業務の質の部分で苦戦している企業は多いようです(当社も含めてですが・・)。 ■成長の鍵は継続的な教育とコミュニケーション 一方で、彼らのスキルアップに関しての向上心は高く、当社等でもトレーニングの時間を作ると真剣そのものです。彼らの多くが成長の機会を求めており、その為のアドバイス・情報には素直に耳を傾けてくれます。彼らの生産性を向上させられないのは経営側の責任でもあります。 「スタッフに仕事の意義を伝える事」、「スキルアップのの機会を作る事」、「彼らの向上心を煽るような(少し緩めの)競争の機会を与えること」を継続的に行っていくことが新興国での成長の鍵となるように感じます。若く真面目な国民性のベトナムの潜在性は他のアジア新興国と比べても高いと思います。一朝一夕には結果の出るものではないですが、これらを根気強く続けられる企業が新興国にて成長していくように感じています。 【参考記事】 ■消費市場としてのベトナムの魅力 (黒川賢吾 株式会社Asia Plus CEO) http://sharescafe.net/41591667-20141028.html ■竹中平蔵氏×クラウド会計ソフトfreee・佐々木大輔対談「いまだにFAXを使う中小企業こそクラウドの導入を」 http://sharescafe.net/41527996-20141024.html ■すき家のワンオペを批判するなら、牛丼にも深夜料金を払うべきだ。 (榊 裕葵 社会保険労務士) http://sharescafe.net/41373749-20141016.html ■マタハラ、逆マタハラに企業が陥らないためにできること。(後藤百合子 経営者) http://sharescafe.net/41573584-20141027.html ■銀座にお店を開いたコンサル出身の女性社長がオススメする”ひらり戦法”(小紫恵美子 中小企業診断士) http://sharescafe.net/41328157-20141013.html 黒川賢吾 株式会社Asia Plus CEO これより先はプライベートモードに設定されています。閲覧するには許可ユーザーでログインが必要です。 シェアーズカフェ・オンラインからのお知らせ ■シェアーズカフェ・オンラインは2014年から国内最大のポータルサイト・Yahoo!ニュースに掲載記事を配信しています ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家の書き手を募集しています。 ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家向けに執筆指導を行っています。 ■シェアーズカフェ・オンラインを運営するシェアーズカフェは住宅・保険・投資・家計管理・年金など、個人向けの相談・レッスンを提供しています。編集長で「保険を売らないFP」の中嶋が対応します。 |