おもろいなあ(仮)

「こう感じた」を勝手にシェアしたい感想ブログ

迫力満点:アイリッシュマンの名優たち

【忠誠心・仲間との友情・裏切りがテーマ】3人の男の壮大な人生物語

ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシ3人の俳優が出演する映画【アイリッシュマン(2019年)】映像、脚本、演技、制作技術全てにおいての凄みが、俳優としての重みと同居し社会や人間関係とその外からは簡単に見ることはできない部分をさらけ出していく精神的な奥深いところまで入ってきて語りかけてくるような作品だ。

マーティン・スコセッシ監督は、俳優を古株で揃えるつもりはなかったが、絞っていくうちに現在の3人になったと語っている。この映画の中ではひとりの男の30代、40代を経て年老いていくまでの人生をリアルに繊細に、そして壮大に描かれている

年を重ねても仲間がいても、どんな場面でも裏切りはあるものだ。

信じている人からの裏切り、仕事を持っていてもその仕事に対する家族からの視線、あえて口には出さないが行動や振る舞い、仕草ひとつで、【相手のことをどう感じているか】【好きか、嫌いか】【合うか合わないか】といった瞬間瞬間で感じる感情を人間心理や動きを交えてリアルにわかりやすく描かれている。自身の身の回りでも起こっている感情の動きだと考えながら見ると学びもあるので面白い。

主人公の現在している仕事が社会的階級から下の扱いをされる。周りから無言の【下に見られている】【見下されて愚か者扱い】されていることを感じつつ感情表現はできないまま、その揺れ動く気持ちに耐えなければならない深い感情を描きながら、言葉にしようのない孤独感、悲しみなども彼の人生を通して見える作品。

視覚効果も使った若返りから年配老人まで現代の総技術に圧巻

劇中で演技も安心して見られるのに加え、若い年齢から年配で年老いるまでを驚くほど繊細に表現されていてかつ自然だったため、見ていて飽きなかった。大ベテラン俳優たちに技術力がプラスされたアイリッシュマンを実際に観て感性の刺激となってほしい。

 

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人生や人間関係について考えたいとき観てほしい映画

ロバート・デ・ニーロとアルパチーノはゴッドファーザーで共演、ロバート・デ・ニーロにおいてはアン・ハサウェイと共演したマイ・インターンとは、また違う魅力が垣間見られる。彼らが俳優人生で何を大切に思って演じているのかを知りたくなった。

 

※映画の時間は3時間超でやや長めだが、肩の力を抜いて軽く観てもいいと思う。銃撃シーンなど血の出るシーンが多数あります。

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