インターネットでのアイデンティティをまごつかせて

ミドルエイジ・クライシスを迎え第二の思春期真っ只中のオジサンが、何故私は働くのか私の生きている意味はなんなのかについて思春期のように省察するブログです。

台南に海鮮粥を食べに行ってきた。

 コロナ禍明け&ワイフと、初めての海外旅行に台湾―台北と台南―へ行ってきました。
『鍋に弾丸を受けながら』の四巻にある台湾旅行編を去年読んで、今すぐに台湾に行きたい台南の海鮮粥を食べたい!と思い立って約1年、ようやく念願成就して台南で海鮮粥を食べてきました。

台南フードは素直で美味しい

 恐らくマンガに掲載されていた海鮮粥のお店は佰九海產粥さんなのですが、残念ながら現在移転のため休止中とのことで、お隣の活跳跳干貝海産粥で干貝海產粥を頂きました。
 いや美味しいですね。シンプルに海鮮スープとセロリが合わさってご飯を書き込む幸せ。もう言葉はいらないでしょう。やさしい素材の味を真っ直ぐに味わいました。とにかくスープが美味しくて、そこにエシャロットのみじん切りがあうんですよね。ただ日本でお店をひらいても流行らないんだろうし、この価格では実現できないだろう。本当に台湾だからこそ味わえた海鮮粥だったので行って悔いのない楽しい旅行になりました。

 台南も台北も台湾料理はいわゆる我々日本人の舌が待ち構えている中華料理より優しくシンプルです。台南名物の牛肉湯にしても、まっすぐその素材の味を使って食べる。それは純朴で優しい台湾が料理の味にも現れているようです。そう台湾の人は本当に優しいんですよね。旅行中に言葉が通じない場合があっても周りの方々が日本語や英語で助けてくれるなど親切にしていただきました。

牛肉湯もおいしかった(おまけの肉燥飯は激美味でした。分かりやすく美味しい)
帰りは台湾といえば?そう、お弁当!というわけで大一経済美食便当さんで大一特饗を頂きました。写真はリンク先を参照ください

炭焙烏龍茶の峰茂茶行

 食欲と台湾へ旅行に来た大目標をひとまず達成してお腹も満たされたので―海鮮粥や牛肉湯だけではなく―台南でしか手に入らないという炭焙煎烏龍茶を求め峰茂茶行を訪ねました。炭で自家焙煎する烏龍茶はもう台湾でも数少ないらしく、台南ではこの峰茂茶行だけらしいです。炭で茶の味が変わるのか分かりませんが、自家焙煎珈琲をしている私としては自家焙煎烏龍茶のお店に行かないわけにはいかない、しかも台南でここしかないと聞いたのならば行かずにはいられなかった。さて、肝心の炭焙烏龍茶の味ですが、いわゆる台湾茶とは全く異なるアーシーな感じ。台湾茶の美味しいものとされるのは、たとえばミルキーで甘い金萱茶だったり、さわやかで花のような香りのする凍頂烏龍茶ですが―私もそのさわやかで花の香りが大好き―ここのお茶は炭でしっかり焙煎されているからか、はっきりと力強い味です。しっかり火が入っている、けれど香ばしさとは違う台湾茶の甘い味わいと香りがするお茶です。凍頂烏龍茶なのに地面にしっかりと腰を下ろした根っ子のような味もする。昔ながらの味というか以前の炭火での自家焙煎していた烏龍茶はこういう味だったのかと、今は失われつつ時代を経験出来たのがなにより嬉しく台南に行った甲斐がありました。
お店の蔣さんは高齢なのにお元気でお喋りが大好きで商売上手でフレンドリーで楽しかったなー。日本語のラジオからは赤いスイートピーが流れていて、奥様のお父さんが日本人とかで日本好きらしいです。

清隆帆布の牛乳瓶カバン

 その後は食道楽の自分には珍しくお買い物として台南の帆布屋さんへ。台南に行くまで全くしらなかったのですがどうやら帆布の生産地として有名らしく、ちょっと調べて有名な永盛帆布行・合成帆布行・廣富號帆布包と回りお土産には便利そうだけとピンとこない中で最後に訪れた清隆帆布さんに行くと、すっごくキュートな鞄があり他の観光客もいない、他の観光客がいない=あまり知られてないのではということで、こちらでカバンを二つ買いました。これ、かわいいでしょー。牛乳カバンの方は明治帝時代のデザインそのままらしく、また手作り感がたっぷりあり素敵なものを買えました。なんでしょうね、もうあまり日本の地方でも手に入らない魅力たっぷりというか典型的なのに手あかのついていない感じというか色あせない純朴さが愛しい一品です。


 清隆帆布さんも峰茂茶行さんも、どちらも違いタイプですがとてもいい好好爺でお買い物介してお二人と少しだけ触れ合え思い出ができました。こういうのって品物と紐づいて結構覚えているものなんですよね。本当に今回も台湾良好を通して、やっぱり台湾はいい人が多く親切で優しくていいところだなというのが一番の思い出になりました。失われつつあるものが、まだ台南・台北には残っているんだなとノスタルジーやオリエンタリズムを味わうには最高の場所です。また友愛街の路地裏には流行に敏感な若者の古着屋にカフェがあり新しい文化も楽しめました。K30さんのコーヒーは美味しかったです。あーー生豆どこかで買えばよかった。。。
 最後はお弁当を買い高鐵に乗って帰ってきました。台湾新幹線も便利ですね。予約は日本からできるし発見もパスポート番号と紐づいているのでスムーズです。

 あと台南を訪れた日は道教のお祭りなのか、地域の方々が音楽を奏でたり爆音で流しながら街を練り歩いているのにも遭遇したけれど、あれなんだったのだろう。聞けばよかった。台南市街は本当にとてもいい感じに市街地とまだ再開発されてない街が残っていて現地の美味しいご飯や純朴で優しい空気が残っていて温かい場所でした。台北から日帰りもできるので是非!!台南たのしーーー!!*1

市街以外も観光するなら絶対に一泊以上をおすすめします!!!

*1:7時の台北発新幹線に乗り10時に台南について、そこから20時の新幹線で帰るまで歩きどおしで流石に疲れましたが楽しかったです。台南の市場で沢山の肉野菜魚を眺めながら「この食材で何か作りたい料理したお店の人とコミュニケーションしたい」って思っている自分を見つけて驚きました。美味しいものが好きなのもそうですが、料理も大好きな自分を再発見し、いま帰ってきて地元の味を忘れない内にと魯肉飯を仕込みながら書きました