現実確認『なぜわれわれは外来生物を受け入れる必要があるのか』
「ちょっと変だよその自然保護」「ちょい待ちその生物多様性保全、保護対象が恣意的すぎやしませんか」と幾重にもツッコミを入れてくるのはイギリスの昆虫学者さん。
【イエスズメ】アジアの草原で暮らしていた、かなり生息地域が限られた、赤褐色と黄土色と黒色と灰色の見たところまったく平凡な鳥が、輸送手段と食料と棲みかを与えてくれる人間のおかげで、世界でも有数の広範囲に分布する種になったのだ。
人間が穀物を食べさせ、薬を与え、キツネから守っているため、地球上の大型鳥類の総バイオマスは増加した。約220億羽のニワトリ、5億羽のシチメンチョウ…
【気候変動と生物の移動】動物の種のおよそ3分の2がすでに少なくともどこか「新しい場所」 -- そこでは50年前という最近でも生存できなかった -- に生息している一方で、ほかの場所から消えてしまった。
異なる生物の間の相互作用を調べる研究者たちは、かなり前にほかの種に重大な影響を与える種が少数いるが、大多数はそうではないことを明らかにしている。
失ったものよりも注目すべきなのは、ほかの種を完全に絶滅させた外来種がいかに少ないかということである。オセアニアのさまざまな島に人間が運んだ何千もの外来種のうち、在来種を絶滅に至らせたものは数十種しかいない。世界最大級の大陸でほかの種を絶滅させたものはさらに少ない。
この2000年で1875種の外来種が野生個体群として定着し、侵略的な種によって引き起こされた絶滅がゼロという、イギリスでの比率についてよく考えてみるといい。
今読んでいる本「なぜわれわれは外来生物を受け入れる必要があるのか」がおもしろい。
— 銀魂の蓮舫(声をかけて卵を腐らせる者) (@renho39) 2019年6月10日
過去、現在、未来の中で生き物が変遷することは当然のこととして、悪い面、良い面の両面があることを気づかせてくれる内容。
「なぜわれわれは外来生物を受け入れる必要があるのか」
— 銀魂の蓮舫(声をかけて卵を腐らせる者) (@renho39) 2019年2月7日
を読んでる。
日頃感じてる環境保全活動家のおかしいなと思う点が書かれてあって好き。
なぜわれわれは外来生物を受け入れる必要があるのか
— BARANEKO (@BARANEKO0409) 2019年1月26日
クリス・D・トマス 原書房
タイトルでトンデモ本だと決めつけず、立ち読みしてみると面白く考えさせるところもある本。 pic.twitter.com/NmQMe9tjxS
『なぜわれわれは外来生物を受け入れる必要があるのか』
クリス・D.トマス
原書房
自然保護の錯誤に対するツッコミが正論すぎて、しまいには「伝統の解体、脱構築」に近いテイストになってくる内容なんだけれど、これもしかして皮肉を良しとするイギリスの文化風土が影響してたりします?
この本『なぜわれわれは外来生物を受け入れる必要があるのか』の肝については、別の昆虫学者さんの手による
『すごい進化 「一見すると不合理」の謎を解く』
のほうで、ひとしきり記していますので、ご参照してみてください。
それと、書名の『なぜわれわれは外来生物を受け入れる必要があるのか』に直球でつながる
『外来種は本当に悪者か? 新しい野生 THE NEW WILD』
も合わせ読みオススメ。
#読了
— 木守りんご (@_last_apple) 2019年4月11日
クリス・D・トマス「なぜわれわれは外来生物を受け入れる必要があるのか」原書房 2018年
著者は生態学者・進化生物学者。
数十年から数百年の間に新しい種が生まれた例をたくさん挙げているところが、一番興味をひかれました。
『ミニ特集:環境や生態系を考える本 海外その2』
『ミニ特集:環境や生態系を考える本 海外その1』
『ミニ特集:環境や生態系を考える本 日本その3』
『ミニ特集:環境や生態系を考える本 日本その2』
『ミニ特集:環境や生態系を考える本 日本その1』
『ミニ特集:虫たちについての本 その9』
『ミニ特集:虫たちについての本 その8』
『ミニ特集:虫たちについての本 その7』
『ミニ特集:虫たちについての本 その6』