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剣道道歌(読み人不詳)
立会いは竹刀で打つな手で打つな胴造りして足で打つべし 悪念の起こる所を切り払うこれが宝の剣なりけり 癖が出て弱くなったと知らずして同じ強さと思うはかなさ 手の内のできたる人の取る太刀は心にかなう働きをなす 法定は学ばんほどに道遠し命のあらんかぎりつとめよ(法定は形稽古を指す) 切り結ぶ太刀の下こそ地獄なれ身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ 稽古をば疑うほどにくふうせよ解きたるあとが悟りなりけり 道場に入るべきときは身を正し心の鏡くもりなきよう 年毎に咲くや吉野の桜花木を斬りてみよ花のあるかは 剣術を使う人ほど馬鹿はなし頭叩かれ礼をいうなり 鹿島新当流・塚原ト伝高幹…卜伝百首より 武士の名にあふものは矢なれや深くもあふげ高砂の松 武士の鎧の下に乗る馬はくせありとても強き好めり 太刀の寸臍にくらべて差しつべしわが身の丈の合わぬ嫌へり 弓はただおのが力にまかすべし手にあまりたる弓な好みそ 勝負はながきみぢかきかはらねどさのみみぢかき太刀な好みそ 鍔はただ革にまされるものはなし糸にておけばぬれて乾かぬ 鍔はだた切りぬきあるを好むべし厚き無紋をふかく嫌へり 武士の軍の場にわに出るとき湯漬けにしくはなしと知るベし 武士のいつも身に添へ持つべきは刃つくる為の砥石なるべし 武士は女にそまぬ心もてこれぞほまれの教なりける 武士の軍の庭にもつ物は梅干にますものはあらじな 武士の酒を過ごすぞ不覚なる無下に飲まぬも又おろかなり 武士の心のうちに死の一つ忘れざりせば不覚あらじな 武士の生死二つをうち捨てて進む心にしくことはなし 柳生新陰流 柳生石舟斎宗厳 世を渡るわざのなきゆゑ兵法を隠家とのみたのむ身ぞ憂き かくれがとたのむはよしや兵法のあらそひごとは無用成けり 兵法のかちをとりても世の海をわたりかねたる石の舟かな 兵法は能なきもののわざなれば口業喧嘩の基ひ成りけり 兵法はうかまぬ石のふねなれど好きのみちにはすてられもせず 兵法や腰のかたなもあひおなじ朝夕いらでゐることもあり 兵法は稽古鍛錬つねにしていろにいださでかくしつつしめ へいはうのならひそのおりいでざるとかたるは己が恥としらずや 無刀にて稽古鍛錬取りえてはわが兵法の位をぞしる へいはうは器用によらず其の人のすける心のたしなむにあり 兵法はしりてもしらぬ由にしてゐる折々の用にしたがへ 兵法は弟子の心をさぐりみて極意おろかにつたへはしすな 兵法はふかき淵瀬のうす氷渡るこころのならひ成りけり 無刀さへきりかねたらん其の人のかたなにあひていかがしてまし 我が太刀に我と非を打つ工夫してつもる位のこころよくしれ 人をきらん心しばしば兵法にわれがうたれぬならひしてまで つつしまず兵法面に出しなば人に憎まれ恥やかくらん つねづねに五常の心なき人に家法の兵法印可ゆるすな うかまざる兵法ゆゑに石のふねくちぬうき名や末に残さん 無刀にてきはまるならば兵法者こしのかたなは無用なりけり 世をたもち国のまもりと成る人の心に兵法つかはぬなはし 万物は無に対するぞ兵法も無刀の心奥義なりけり 中々に猶里ちかくなりにけり余りに山の奥をたづねて 斬り結ぶ刀の下ぞ地獄なれただ斬り込めよ神妙の剣 柳生但馬守宗矩 むねのうち雲吹きはらふ風もがな心の月をあきらかにせん 心こそ心まよはす心なれ心に心心ゆるすな(不動智神妙碌より ながめやる山のあなたに立つけぶり爰にたく火の炎なりけり 柳生十兵衛三厳 兵法に勝たんと思ふ心こそ仕合に負くるはじめなりけり 柳生連也斎厳包(尾張柳生家) 徳を得れば一天世界ことごとく風に木草のなびくことわり 柳生兵庫助(尾張柳生家) 腰の折れまた坐るのを嫌ふなり折れて坐るはなほ悪しきなり 懸け退きに膝のすわるに二つありつかれ足をばわけていましむ 切合いに心ひかれてとにかくに及びかかるは初中後のくせ 切合いに手の下るのは直すべしせつかく勝て負にこそなれ 両足の一度に坐る不自由はぬかり砂原倒れやすさよ 拳にて太刀を使ふは弱みにて手の内まはり打ち合いに負く 直立つったつた身とは自由のすがたにて位といふはなほ心あり 位とは行住坐臥に動静に直立つものぞ位なるけり 立ち上がる手元に敵を引寄せて須弥の一刀両断にせよ 打つ時に拳に面添へぬれば面も反らず拳さがらず 懸る時も退く時も足はただ居つかぬやうに使ふべきなり 徳川光友(尾張二代藩主、新陰流六代家元) 出でぬ間の山のあなたを思ひやるこころやさきに月を見るらむ 雲はらふ嵐の庭の池水にもるより早くうつる月かげ 上泉伊勢守信綱・新蔭流 いづくにも心とまらば棲みかへよ長らへばまた本の古郷 里はただ降らざりけれと旅人のいふに山路の雪をしらるる おのづから映らばうつる映るとは月も思はず水も思はず 直心影流 稽古とは一より始め十に行き十より還る元のその一 示現流 いましめの左のひじの動かねば太刀のはやさを知る人ぞなき 伊藤一刀斎景久・一刀流 敵をただ打つと思ふな身を守れおのずからなる賤が屋の月 千葉周作成政・北辰一刀流 極意とは己が睫毛のごとくにて近くあれどもみえざりにけり 我体は破軍の星の形にて敵する方へまはす剣先 谷川の瀬々を流るる栃がらも実を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ 雨あられ雪や氷とへだつれどとけては同じ谷川の水 小野次郎右衛門忠明・小野派一刀流 世はひろし事わざはつきせじさりとてはわがしるばかり有りと思ふな 是のみと思ひきはめそ幾数も上に上ありすいもうのけん 心形刀流目録序 ふしおがむいがきのうちは水なれや心の月のすめばうつるに 花もみぢ冬の白雪見し事もおもへばくやし色に出にけり 黒雲のうちより動く雷なればこれぞ無妙の味わいと知れ(松浦壱岐守清) 天然理心流道歌 荒海の水につれそふ浮鳥の沖の嵐にの心動かず 梶派一刀流伝書 剣術の稽古は人に勝たずして昨日の我に今日勝つと知れ 伊東左近祐近・岩流 春風になびく柳の糸ゆうも岩も潰さばくずれぬるべし 宮本武蔵玄信・二天一流 乾坤をその侭庭に見るときは我は天地の外にこそ住め 井上景雲・雲弘流(針ヶ谷夕雲系) 有りとすれば無し無しとすれば有る世の中の月だにうとき夜半の影法師 鞍馬流 気は長く心は丸く腹立てず己小さく人は大きく 居合道道歌 神夢想林崎流・林崎甚助重信 居合とは人に斬られず人斬らずおのれを責めて平らかな道 居合こそ朝夕抜きてこころみよ数抜きせねば太刀もこなれず 居合とは心に勝つが居合なり人に逆ふは非刀ひがたなと知れ 田宮流居合道 極意とは表の内にあるものを心尽しに奥な尋ねそ 自鏡流居合道 稽古には清水の末の細々と絶えず流るる心こそよき 夕立のせきとめがたきやり水はやがて雫もなきものぞかし うつるとも月も思はず映すとも水は思はぬ猿澤の池 幾千度闇路をたどり小車の乗得てみれば輪のあらばこそ 稽古には山澤河原崖や淵飢えも寒暑も無きものにして 吹けは行く吹かねば行かぬ浮雲の風に任する身こそやすけれ 山河に落ちて流るる栃殻も身を捨ててこそ浮かむ瀬もあれ わけ登る麓の道は多けれど同じ雲井の月をこそ見れ 兵法は立たざる前に先ず勝ちて立会いてはや敵はほろぶる 体と太刀一致に成りてまん丸に心も丸にこれぞ一円 稽古にも立たざる前の勝にして身は浮島の松の色かな 無双直伝英信流居合術 居合とは心に勝つが居合なり人に逆らふを非力とは知れ わがみち乃居合ひとすじざつだんに知らぬ兵法人にかたるな 合気道道歌 開祖・植芝盛平 誠をば更に誠に練り上げて顕出一如の真諦を知れ 太刀ふるい前にあるかと襲ひ来る敵の後に我は立ちけり まが敵に切りつけさせて我が姿後に立ちて敵を切るべし 左右をば切るも払ふも打捨てて人の心はすぐに馳せゆけ 取りまきし槍の林に入る時はこたては己が心とぞ知れ 敵多勢我をかこみて攻むるとも一人の敵と思ひたたかへ 気のみわざたまの志づめやみそぎわざみちびきたまへ天地の神 己が身にひそめる敵をエイと切りヤアと物皆イェイと導け つるぎわざ筆や口にはつくされず言ぶれせずに悟り行へ 大宇宙剣のなかにもののふの光となりて世にぞ開かん 誠とは剣の道と人は言ふ神に問はれて答ふすべなし 古より文武の道は両輪と買いこの時に稽古の徳に身魂悟りぬ まよいなば恋しき道にも入りぬべし心の駒に手綱ゆるすな 右手をば陽にあらはし左手は陰にかへして敵をみちびけ ふりまはす太刀に目付けて何かせん拳は人の切るところたれ 鬼おろち吾に向いておそいこば後に立ちて愛にみちびけ 道人のするどく光る御心は身魂の中のひそむ悪魔に 合気にてよろず力を働かし美しき世と安く和すべし 美しきこの天地の御姿は主のつくりし一家なりけり 日置流弓道道歌 朝嵐初心の射手に教えなば昼をば過ぎて夕嵐なり 胴の伏す射手にあまたの難ぞある胸尻出でて顔は反るなり 肩骨の出づる射手こそ矢強けれ勝手下がりて射る肩は憂し 顔もちはやよとて人の呼ぶときにいよと答へて見向く姿よ 矢の心弓の張り顔知らずしてただ射る人は名をば取るまじ 稽古には直すところは多くともただ一色というて射させよ 矢をかけて引きしぼるには覚ゆるぞ放つときには無念無想よ 誰もげにはやりし時は好くぞかしとほして射ぬる人はまれなり 弓づるのすわりといふはかまえよりはなれし後も違はぬをいふ 思ひきや山ふところをゆたゆたと影すみ上がる弓張の月 槍術道歌 手闇の夜の鑓の構えは一露にて音なきやうに当りてぞ知れ(法蔵院流) 手は待たいに足は懸けんにてたゆみなく行く水鳥の心なるべし(大島流) 松涛館流空手道道歌 空手とは人に打たれず人打たずことのなきを基とするなり(小西康裕) 柔術道歌 捕らはれては水に浮く木の身をもてし浪にまかせつ風にまかせつ(天神楊心流) 雲晴れて後の光と思ふなよもとより空に有明の月(起倒流・寺田一左衛門正浄) ほらぬ井にのぞかぬ人の影さしてたよらぬ月と映る月影(気楽流) 天道流薙刀術道歌 生まれ得し直なる形そのままにまがらで勝つを兵法といふ(寺河原弁蔵一納) 極意とて別にきわまる事もなしたえぬ心のたしなみをいう 神道夢想道杖術道歌 突けば槍払えば薙刀打てば太刀杖はかくにもはずれざりけり 根岸流手裏剣術道歌 根岸松齢宣教 手と肩の力を抜いて腰強く飛ばす剣は岩通すなり 伊賀流忍法道歌 寺田一左衛門正浄 忍びには習ひの道は多けれど先ず第一は敵に近づけ
by 55kara
| 2006-02-04 12:59
| 道歌もの
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