今日はまたTwitterで受けた質問にお答えしていきます。
質問内容は、
海外を視野に入れ大学を中退して起業するのはどうなのか?
というものですね。
結論として、大学は出ておいた方がいい
私の回答から言うと、大学は出ておいたほうがいいです。
これは、とりあえず大学を出ておけば将来は安心とか、良い企業にも就職できる可能性があるから、という理由から言っているのではありません。
もし皆さんが将来的に海外に行きたいとなった時、大学の学位を取得していないと、ビザの申請が下りないというケースがあるからです。
アメリカに限らず他の海外でも同様です。
例えば皆さんがスタートアップで起業して、そのビジネスがうまく軌道に乗って、ソフトバンクみたいな大きな会社になって、海外に支店を作るなどの海外進出のためのビザ申請であれば(学位がなくても)良いです。
そうではなく、ビジネスがあまりうまくいかず、とりあえず今までやってきた起業などの経歴を活かしてアメリカのベンチャーキャピタルで働きたいとか、海外で就職したいとか、その後またスタートアップを試みたい、といったことを途中のキャリアで想定しているのであれば、大学の学位がないと、こちらに来るビザは(EビザにしろH1Bビザにしろ)申請の許可が下りないんですね。
なので、そういう理由で大学は出た方がいいということです。
大学中退で可能性を狭めてしまう
もし大学を出ていないと、再就職の選択肢は日本国内だけに限られてしまいます。大学の学位があれば、就職するにしろ、ベンチャーキャピタルに参加するにしろ、世界中に選択肢の幅が広がります。つまり、大学を出てないことで今後のキャリアや可能性を非常に狭めてしまうんですね。
もちろん大学を出たかどうかと、その人にスキルがあるかないかは、全然関係ないと私も思います。ただ、海外の移民局はその人の経歴を書類で見るだけなんですね。その人が大学を出てないどんなに優れた起業家であっても、ビザを出すかどうかというのは書類で判断しますので、大学を出ておいた方が有利ということです。
大学かビジネスかの二択ではない
今もし皆さんがビジネスをされていて、今そのビジネスがめちゃくちゃ軌道に乗っているのであれば、大学を中退しても全然良いと思います。例えば堀江貴文さんも、東大を中退されましたね。その頃はインターネットバブルの時期で、ネット系のサイトで結構稼げることがわかって、大学を辞められ、事業に専念されました。
(堀江さんのように)大学を辞めてでもそのビジネスを行うメリットがあるとか、今でないとビジネスチャンスを失うという状況なのであれば、大学を中退されて事業をやられた方が一気に稼げると思います。その場合、(中退して)ビジネスを軌道に乗せた後で、再び学び直すのでも全然遅くないと思います。
逆に、今のビジネスが成り立ってないのに、「自分はこれをやりたくてやりがいがあるから、大学なんて行っても意味がない」と言って中退してしまうのはもったいないです。
確かに大学を中退したら面白い人だと見られて、自分のプロフィールが魅力的になる可能性もありますが、いつか海外に行きたいと思った時に、大学中退が理由でビザを断念せざる負えず海外で働けないという状況は、結構残念ですからね。
大学を中退して追い込まれた(ハングリーな)状況だから成功するという考え方、つまり、「成功者の方はみんな大学を中退して自分を追い込んだからこそ、頑張って成功したんだ」というような話が日本では結構浸透しているんじゃないでしょうか。
でも、大学を中退せず通いながらビジネスやられている成功者の方はかなりの数いらっしゃいますし、大学を中退=成功できるとは限らないんです。
大学中退して成功した方もいれば、大学に通って成功した方もたくさんいるということは、よく考えていただく必要があると思います。
日本人と「ハングリー精神=成功」論
サッカーを例にすると、日本人のプロサッカー選手って「ハングリー精神がない」「もっとハングリーでなきゃダメなんだよ」と言われるんですが、実際日本に居るとハングリーになる状況がないので結構厳しいんですよね。
ブラジルなんかの場合、サッカー選手にならないと生きていけないんですよ。皆さん小さな子供の頃から、「今の貧困状態は抜け出したい」「プロサッカー選手になれなきゃスラム街で貧困生活を送ることになるんだ」というハングリー精神でプロサッカー選手を目指すわけです。
でも日本にいたらそれほど貧困に陥ることもありませんし、ハングリーになれって言われてもハングリーになれないですよね。
なので、ブラジル人がハングリーだから日本人もハングリーになれではなくて、日本で育った人達にはそれなりに日本人の性格にあったやり方があると思います。
ハングリー精神の有無だけでなく、ブラジルのようにプレイ中に罵倒したり文句を言ったりしてプレッシャーをかけあうより、ワールドカップで優勝した日本の女子サッカーのようにチームワークでやっていく方が日本ではうまくいきますよね。
つまり、他の国の選手と生活環境も性格も違うので、違ったアプローチが日本人には有効なわけです。
学位取得=保険をかける
起業も上述のサッカーと一緒で、日本人に合ったやり方がありますよね。お金もなく大学もやめて後先ないというハングリーな状況で成功する起業家もたくさんいる一方で、親がお金持ちだから起業して失敗しても大丈夫という保険がある方が、自由にビジネスが出来てかえってうまく行くなんていうケースもあるんです。
私は個人的には、後者の方が日本人には合うのかなと思うんですよね。
ある程度の保険をかけながら成功した経営者の方を私はたくさん見ているのですが、ネット上でよく取り上げられている成功者はどん底から這い上がってきた悲劇のヒーロー・ヒロインが多いです。その方がネタ的には面白いので、そういった個人や社長の情報ばかりがネットにたくさん取り上げられるわけです。
でも実際シリコンバレーで起業してうまくいってる成功者や、日本の起業家で成功してる社長さんに会うと、意外に家が裕福だったり、いろんな保険がある方がたくさんです。
私もその方が日本人は成功するんじゃないのかなと思っていて、「大学を中退して自分を追い込まないと成功しない」というのは結構勘違いな気がします。
そこはよく考えてから起業されたほうがいいと思います。
ということで私の回答をまとめますと、
将来的に海外で働くといったケースがありうるので、とりあえず学位だけ取っておくと良いと思う。
ということになります。
(大学に通う時間がもったいないというのであれば)たとえば他の生徒さんにアルバイト的にお金を出して授業ノートを見せてもらって、それを使って1日で勉強して時間をかけずに単位を取っちゃうなどすれば、大学に在籍しながらでもビジネスはできます。
大学はとりあえず卒業して、在学中にビジネスをうまく軌道に乗せて、大学を卒業する時にビジネスで突き抜けるのもいいんじゃないかと私は思います。
ということで、今回はちょっと控えめでリスクをあまりとらないやり方を私はおすすめしましたがが、それでも皆さんの中で「やっぱりビジネスをいきなりやりたい!」という人は、私の意見はあまり参考にせずに思い切ってやっても良いとは思います!
動画はコチラ↓酒井潤
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