802: お魚加えた名無しさん 04/07/04 16:08 ID:w2G/mD1u
私が学生の頃、ありがちな貧乏旅行を北アメリカでやった時の
話です。

半ば暇つぶしに近い旅行で、帰国したときに話の種になればいい
位の気持ちで西海岸からカナダに入ったときに、金が尽きた。
仕方が無いので、日本料理屋を見つけて働かせてくれないか?
と言っては見た物の人手がいるはずも無く、断られた。これまた
仕方が無い。近くの公園で野宿をしようと決め込んだときに、
件の日本料理屋のオーナーが、声をかけて来た。
「仕事は無いが、家に空き部屋があるから泊まりなさい」という。
有り難く受けた。次の日、出入り業者の配達の助手の仕事を見
つけてくれた。一ヶ月ほどで去ろうと思っていたのだが、オーナー
の子供(8歳)と仲良くなり、去りがたく半年近くも世話になった。
家族の様に接してくれて、半端な若造の私を街に溶け込む様にと、
ボランティアにも連れて行ってくれた。(これが本当によかった)

明日は、いよいよ別れると言う最後の晩に、知り合った人たちを
招いてささやかなパーティーまで開いてくれた。そのパーティー
が終わった後に、オーナー夫婦と話をした。自分がこの旅行を軽い
気持ちでしていた事、オーナーや街の人たちに甘えて来た事を恥ず
かしいと思っている事など。裕福でもない自分が、またこの街に訪
れる事もないであろうこと。そして一番気になっている事は、この
受けた恩をどう返したらよいのだろうかという事でした。そうすると
オーナーは言いました。「私も若い頃にドイツでとても世話になった
ことがあるんだ。君と同じ様にお礼がしたいと思った。その事を相手に
伝えた時に、言われた言葉がある。私はそれに従っているだけだ。」と。

804: お魚加えたななしさん 04/07/04 16:25 ID:w2G/mD1u
続き

それは「君が受けた恩は返す物ではなく、譲り渡すものなんだよ」ということ
でした。旅人はとどまる人間ではなく、通り過ぎて行く人間だ。だから恩を受
けたと思うなら、その恩を他の人に受け渡しなさい。というものでした。
私は、そのとき気づいたんです。人が生きて行く事も旅だとすれば、他人への
親切は、やはり旅人への親切と同じなんだと。オーナーが世話になったドイツ
人は、オーナーにそれを伝え、オーナーはそれを私に伝えた。私もそうする事
で誰かがまたそれを伝える。そうでなくても、優しくされた事のある人間は、
絶対他人にも、優しくできるはずだと思う。

ここのスレに書かれている事、日常の小さな事だけどそれが少しづつ受け渡
されて行けば、世の中捨てたもんじゃないと思えますよね。

805: おさかなくわえた名無しさん 04/07/04 17:57 ID:8+bmhQyX
リアル「ペイ・フォワード」だね

806: おさかなくわえた名無しさん 04/07/04 20:00 ID:bzpNtRfo
ええはなし聞かせてもろたわぁ〜〜

引用元: ・□ いい人・やさしい人のお話 4 □

1001: 以下、おすすめ記事をお送りします: 2023年02月24日 18:18 ID:saikyokijyo