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兄弟で東大生「沖縄の生徒、恐れず上を」団体設立し合宿など開催 伊礼漢さん、理貴さん<うちなー群星2025>3


兄弟で東大生「沖縄の生徒、恐れず上を」団体設立し合宿など開催 伊礼漢さん、理貴さん<うちなー群星2025>3 兄弟で東京大学に通う伊礼漢さん(右)と理貴さん=東京都の東京大学前
この記事を書いた人 アバター画像 外間 愛也

 国内最難関の国立大学である東京大学に通う県出身の兄弟がいる。経済学部4年の伊礼漢さん(23)と教養学部2年の理貴さん(20)は学業に励みながら、大学で学んだことを生かして沖縄の発展に貢献したいとの思いで、東大や県外難関大学を目指す中高生を支援する活動にも取り組んでいる。中高生らに対し「沖縄の生徒には東大を目指せる力があると知ってほしい」とエールを送る。

 ともに昭和薬科大学付属高校出身の漢さんと理貴さん。漢さんは高校生のころ「どうせ行くならトップを目指したい」と東大進学を志した。東大は2年生までは全学生が「教養学部」に所属し、3年生から進みたい学部を選択できる仕組みのため、学びながらやりたい道を探せることも魅力に映った。

 漢さんは1浪を経て東大に入学後、2023年に「学生団体ALOHA(アロハ)」を立ち上げた。模擬授業を開いたり勉強合宿を開催したりして、県出身の東大生仲間と県内の中高生に東大への道を伝えている。在学しながらオーストラリアへの留学も果たしたほか、東大では複数のサークルを掛け持ちしたり、1年間の長期インターンシップに参加したりと、めまぐるしい日々を送ってきた。

 理貴さんは中高生のころから兄が東大を目指す姿を見ており、自然と東大進学を志すようになった。漢さんから塾の情報や勉強の進め方、参考書や過去問集の選び方などあらゆる面で助言を受け、無事に現役で合格した。

 理貴さんは「兄から留学やインターンの話を聞き、自分もやりたいと思った。アロハの活動も一緒にやっているが、兄のコミュニケーション能力の高さには驚く」と、刺激を受ける部分が多いと語る。漢さんは「弟は素直でまじめで芯がある。人間関係を円滑にし、仕事をスムーズに進められる素養があり、なるほどと学ぶところもある」と互いに尊敬し合う関係だ。

 沖縄の高校生らを支援しているのには理由がある。漢さんは「沖縄から東大に進学したウチナーンチュが多くの経験を積み、沖縄に戻って還元することで沖縄の発展につなげたい」と夢を描いている。理貴さんも「東大進学というハードルを下げる手伝いをしたい。沖縄の中高生の皆さんは自分の力にかせをはめず、恐れずに上を目指してほしい」と呼びかけた。

 (外間愛也)

 学生団体ALOHA(アロハ) 沖縄から東京大学など県外難関大学を目指す高校生を支援する学生団体。2023年2月設立。代表は伊礼漢さん。9日現在、県出身の東大生14人が在籍。東大生交流会や勉強合宿、東大キャンパスツアーなどを実施した。キャッチフレーズは「沖縄から東大を、日常に」。