実業家の堀江貴文氏がユーチューブ番組で、辺野古新基地建設に反対している人を念頭に、「住民の危険よりもジュゴンが大事なんですよ」と発言していたことが13日、分かった。米軍基地縮小を求めてきた県民の訴えを無視した内容で批判が出ている。番組は「NewsPicks(ニューズピックス)」が9日付で配信したもの。
ゲスト出演した佐喜真淳宜野湾市長が普天間返還について、「いま辺野古の埋め立てが進んでいるが、長い年月で紆余曲折(うよきょくせつ)した」と説明。これを受け、堀江氏が辺野古反対の人を念頭に、「どういうロジックなのか、住民の危険よりもジュゴンが大事という」と発言。「ジュゴンと(人命を)てんびんにかけていますよ」とも語った。
普天間返還は、1995年の米兵による少女乱暴事件に端を発する。反基地感情が高まった同年の県民大会では「基地の整理縮小」などの要求を決議。2013年に県内全市町村の首長や議長らが署名・押印した「建白書」でも県民の生命・財産が脅かされている状況を訴え、普天間の閉鎖・撤去と県内移設断念を求めてきた。堀江氏の発言はこうした歴史的経緯に反するものだ。
辺野古在住で抗議活動を続ける男性は取材に「沖縄の過去の歴史や、現在起こっている問題の背景を分かってないのではないか」と指摘。「こちらに来て対話をしたい。いつでも来てください」と語った。
本紙は字幕を付けて配信したニューズピックスに、堀江氏の発言の根拠や信憑(しんぴょう)性の認識などを回答するよう求めている。
一方、堀江氏は13日、「本当は原発作れると良いんだけど、そんなことすると沖縄のマスコミが発狂しそう笑笑」と自身のX(旧ツイッター)に投稿。言動がエスカレートしている。