抗議日数の掲示板に関するひろゆきさんのツイッター投稿や「沖縄の人って文法通りしゃべれない」などとした発言について、基地建設への抗議に参加する芥川賞作家の目取真俊さんに見解を聞いた。
▼ひろゆきさん「0日にした方がよくない?」 辺野古ゲート前の座り込み抗議巡る投稿が物議
―どう捉えるか。
「(動画の)再生回数を増やして広告収入を得る『炎上商法』で辺野古が標的にされた」
「(座り込みの定義の)辞書的な話は荒唐無稽だ。座りっぱなしでなく、実情に応じた形でやっている。真剣に取材せずにおちょくり『中国の利益になる』とネット右翼的な方向に議論すると(動画の)再生が増えると熟知している」
―ひろゆきさんはネット番組でも座り込みの定義に終始した。
「自分の土俵から出ず、対話が成立しない。辺野古や沖縄の歴史、日本の国防や安保などを議論すると無知がばれるので、避けている」
「ツイッターで『いいね』を押す人は何十万人といるが、それを過大評価すべきではない。文化人や著名人を含め、沖縄を応援する人たちの層の厚さも意識すべきだ」
―沖縄での座り込み抗議の位置付けは。
「ネット番組内で辺野古の座り込みついて『カジュアル化』との表現があった。どこがいけないのか。平和運動に命を懸けてはいけない。『命を懸けてやれ』とハードルを上げれば、運動が続かなくなる。何百という運動の失敗の上に成功がある。『意味がない』と断じるのは傍観者的だ」
―本土と沖縄の意識差などはあるか。
「東村高江で大阪府警警官が発した『土人発言』と、ひろゆきさんの『文法』発言は共通点はある。ただ、今回は炎上目的の側面が大きい」
―ひろゆきさんは最初から対話を拒否する姿勢に見える。
「辺野古で真剣に話を聞けば得られたものがあったと思う。個人の体験を聞くだけでも財産になる。偏見をあおってちゃかせば、コミュニケーションが遮断される」
「何を発言するにしても書くにしても、実際に来て苦労や楽しさを知ることが、ネットで知識を得るよりも重要だ」
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