「場所」を作らなければ始まらない時代
先日、神田にあるランニング施設に行った。ランニング施設というのはマチナカで走る人のためにロッカーやシャワールーム等を完備した場所のこと。
自分が行ったのはラフィネランニングスタイルという神田にあるお店。
初めて行ったのが中々快適だった。
清潔感もあり、500円位でモノをあずけ何も気にすることなく皇居周辺を走れる上に、シャワーまで浴びられる、ランナーにとっては非常にありがたい施設だ。
ただ、驚いたのはその快適さだけではなかった。
そこに置いてあるシャンプーやクエン酸のジュースなど、ありとあらゆるものがサンプリング的な名目で置いてあった。
そうか、「週に何度か皇居周辺を走るランナー」くらいまで、特定の層を集めることができれば、この場所も1つのメディアになるのか・・・・。
実は本業よりもこういったサンプリングや広告の募集の方が儲かっているのかもしれないと、感じた。
丁度そのランニング施設に行った週かその前の週のカンブリア宮殿で、移動スーパーをやっている企業の特集を行っていた。
その業者は買い物難民が多い過疎地で移動スーパーを行っている。詳しくは下記のリンクを身て欲しい。
その中でおもしろかったのはスーパー事業そのものではなく、過疎地をめぐったことでたまった80歳以上の地方高齢者とのネットワークを目当てに多くの食品メーカー等がマーケティング調査やサンプリングを依頼していたこと。
これまでの歴史で80歳以上へのマーケティングの歴史はない。
そして今それを行う術は紙媒体でもなく、テレビでもなく、もちろんインターネットでもない。
移動スーパーの業者がこつこつと事業を発展させ、その場所自体をひとつのメディアとしたことで初めて高齢層にマーケティングができるようになった。
価値観・生き方・ライフスタイルが何通りもあったり、これまでの歴史以上に寿命が伸びたり、これまででは考えられないほど多様化した現代では、もはやこれまでのマスマーケティングは通用せず、特定の層に向けた場所をつくってそこの場所をメディア化していかなければ、リーチしたい層に辿りつけない。
したがって、これからはLGBTの方やイスラム教徒等、これまで日本で多くは存在しなかった層へのマーケティングも、「場所を作る」ということによって実現されるようになるのではないか。