イヒヒヒヒ……と怪しげに笑う魔女と、「ねっておいしい、ねるねるね~るね!」のフレーズで平成期の子どもたちをトリコにした「ねるねるねるね」。
最近では大人向けフレーバーが出るなど多彩な活躍を見せるが、ファミリーマート限定で「ドリンクになった」と耳にした。
飲むのか……あれを……? ゴクゴクと……?
・「ねるねるねるねゼリードリンク」(参考価格:税込268円)
さっそく買ってきた! ……と言いたいところだったが、7月30日発売にもかかわらず最初に訪れた店舗では品切れ&次回入荷未定だった。人気だな。
プラ容器に入ったカップドリンクで、正面に透明窓が開いている。見えているのはブルーのゼリー。
光の関係もあるのだが、ねずみ色というかスモーキーブルーというか、なかなか攻めたカラーリングだ。
ドーム状のフタを外すと
「ねるねるのもと」「シュワシュワパウダー」が付属している。
容器に「楽しみ方」が書いてあるのでよく読もう。開封する前に上下に振る工程は忘れられない。
するとトロトロ食感のゼリーになった。フィルムをはがすと、ラムネのような爽やかな香りが広がる。まずは「そのまま」楽しんで欲しいとのこと。名店の蕎麦か。
これは……懐かしの「シャンペンソーダ」の味……!
昭和後期、駄菓子屋に行くとコーラやメロンソーダなどの「ジュースの素」を売っていた。手のひらサイズの小袋に、いかにも冷えて汗をかいていそうな涼しげなソーダグラスがプリントされている。
中の粉は、口に含むとシュワシュワと発泡して美味しい。「ムシャムシャと粉を食べる」行為に熱中した子どもは数知れないだろう。
一応「粉末ジュース」なのだが、水を入れると途端にマズくなったのはなぜだろう。パッケージを見て憧れたような味には決してならないのだ。
話が逸れたが、そんな思い出が走馬灯のように脳裏をかけめぐるノスタルジックな味。意外に美味しいじゃないか。
第二段階「ねるねるのもと」を入れる。「ねっておいしい~」のパートはここからだ。
粉がゼリーに着地した瞬間、見た目がどんどん赤紫色に変わる。
かき混ぜるとモコモコと発泡してくる。この感じ、すごく「ねるねるねるね」っぽい!
今でこそ「色が変わるフレーバーティー」や「途中でイメチェンするかき氷」など、色変えにフォーカスしたSNS映えフードは珍しくないが、「ねるねるねるね」はその先駆者だろう。劇的な変化は、何度見ても不思議に感じる。
ぱっと見、ベリースムージーのような、ちょっとオシャレな色味になった。飲んでみると味まで変わっている! ブドウ味だ。えぇぇぇぇなんで!?
もう待ちきれない! 第三段階「シュワシュワパウダー」を投入する。
カラースプレーのチョコレートかな? と思ったら全然違った。モコモコのムースに飲み込まれて姿を見失ったが、炭酸のようにシュワシュワ発泡するパウダーだ。まとまって口に入ると炭酸力が集中するので刺激がクセになる。快感だ。
なんか横から見るとすごいことになってんな。ソーダの青とブドウの赤が混ざった褐色の液体にパウダーがゆらゆらと沈み込んでいく。
およそ食べ物らしからぬ原色ばかりで、「食指が動く」とか「食欲がわく」ということは決してないのだが、かなり楽しい。
フッヘッヘッヘッ……と魔女が言いたくなるのもわかる。「食べ物で遊ぶな」と言われて育った昭和生まれとしては背徳感があるが、それが逆にたまらない……
・アレンジレシピも
筆者はキンキンに冷やして、デフォルトのゼリーに「シュワシュワパウダー」だけを加えるのが爽やかで美味しかった。公式サイトでは、お菓子の「ねるねるねるね」を使ったアレンジレシピも紹介されている。
色が変わる、味が変わる、ロールプレイがはかどる、いろいろ試してみたくなる……イタズラ心を刺激する罪なお菓子「ねるねるねるね」。ドリンクにもその精神が、たしかに受け継がれている。販売は全国のファミリーマート限定だ。
参考リンク:クラシエ株式会社
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
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