三菱電機は、カタールの国営衛星通信事業者エスヘイルサットから、通信衛星「エスヘイル2」を受注したと発表した。日本の衛星メーカーがアラブ諸国から人工衛星を受注したのは初めて。
三菱電機は衛星本体に加えて、地上局と技術者へのトレーニングサービスも提供する。
今回受注した「エスヘイル2」は、2016年末に打ち上げる予定で、打ち上げ後、東経26度に位置し、中東・北アフリカ地域のアルジャジーラや、べインスポーツといった大手放送局の直接放送サービスや、政府機関向け通信サービスに利用される。また、世界初となる、静止軌道上からのアマチュア無線サービスとしても利用される予定。
「エスヘイル2」は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のデータ中継試験衛星「こだま」や技術試験衛星VIII型「きく8号」をベースに開発した三菱電機の標準衛星バス「DS2000」を使用した衛星としては16機目、商用通信衛星としては5機目となる。
このうち、3機が現在も軌道上で運用中。これまでの軌道上での信頼性と品質が評価され、今回の受注に結びついた。