気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2010年11月18日付
●EV「蓄電池」に活用、電力不足時工場に供給、三菱が実証実験(読売・10面)
●マツダ、大株主なく「自立」新たな提携先模索も(読売・10面)
●車3社中国へ加速、三菱自・富士重・マツダ、業績回復狙う(読売・10面)
●GM売り出し株、4億7800万株に増、調達額1兆6430億円にも(読売・10面)
●自動車保険料、高齢者値上げ、損保大手方針(朝日・1 面)
●プリウス生産半減へ(朝日・12面)
●レアアース輸出対日実績が突出(産経・9面)
●新卒採用活動後ろ倒し、商社業界団体、4月→8月以降提言(産経・11面)
●車上荒らしの手口をユーチューブで学ぶ、窃盗容疑、少年3人逮捕(産経・23面)
●中国に研究開発拠点、トヨタ、市場調査強化(東京・8面)
●高速道3社で海外事業、東日本など、運営・管理の新会社、ベトナム・インドで受注へ(日経・1面)
●環境車普及狙い、各社競演、ロス自動車ショー開幕(日経・9面)
●米家電量販と三菱自が提携、電気自動車の充電設備(日経・9面)
ひとくちコメント
損害保険大手各社は2011年度から任意の自動車保険の仕組みを見直し、中でも事故増加で保険金支払いが増えている高齢ドライバーの保険料率を若い年齢層よりも引き上げる意向を固めたという。きょうの朝日が1面で報じている。
それによると、損保ジャパンが来年4月、東京海上日動火災保険も同7月から補償が始まる分から引き上げる方針で、三井住友海上火災保険なども検討中で、他社も追随する可能性が高いという。
任意の保険料率は現在、運転に不慣れな若者は細かく年齢で区切っているが、「35歳以上」は同率の料金。新しい仕組みでは、運転手が30歳以上の場合は「30歳以上40歳未満」のように10歳ごとに区分し、最も高齢な層は「70歳以上」として、グループごとに料率を決める意向という。引き上げ幅は検討中だが、特に高齢層を引き上げる模様だ。
朝日の記事での試算によると、運転者の無事故年数が短い「10等級」で保険契約(対人、対物無制限、車両保険の保険金額150万円、運転者は家族限定)を結んだ場合、年間10万円の保険料を払っている人は26歳以上30歳未満は3000円程度増え、60歳以上は6000円程度増える見通しという。
確かに、高齢者の交通事故が多発しており、保険金支払い額が増加することで、損保各社の経営を圧迫するという事情もよく理解できる。しかし、保険料率を引き上げれば、それだけで高齢ドライバーの事故を防げるというわけでもない。高齢者は政府の補助金でエコカーを購入しても、結局、得をした分は毎年の自動車保険の支払いで消えてしまうことになりそうだ。