プジョー・ジャポンが5月8日に日本発表した欧州Cセグメントの新型、『308』。そのボディデザインは、旧型モデルとなった『307』のデザインソースを色濃く受け継ぐもので、非常に手堅いフルモデルチェンジであることがわかる。
プレス向けの発表会場には、フランス本国から来日したプジョーのデザイン部門であるプジョー・スタイルセンター(Centre de Style Peugeot)のデザインディレクター、ジェローム・ガリックス氏によるプレゼンテーションも行われた。
ガリックス氏は308のデザインについて、307、ひいては『207』以来のプジョーの新世代デザインを継承させつつ、いかに新しく見せるかということに力点を置いてデザインしたと明かした。
「最も重視したのは、道路上において際だった存在感を放つデザインの追求でした。具体的には、まずフロント部分が路上においてどう見えるかということ。また、高い質感を持たせるため、プレスラインによって光と影の濃淡を見せることにも力を入れました」(ガリックス氏)
このチャレンジは簡単なものではなかったようだ。初期デザインのなかから居住性を重視したモノフォルムに近いA案と、シャープなラインを多用して高いプレミアム性を追求したB案に絞り込んだが、最終デザインはひとつを選ぶのではなく、2案をひとつに融合することで新たに起こされた。また、この2案以外にピニンファリーナからのデザイン提案もなされたが、「我々の要件に合致していなかった」(ガリックス氏)ため落とされたという。
結果、「このクラスでは随一の、獲物に飛びかかる猛獣のようなフォルムを実現させることができた」とガリックス氏は主張する。実車を見ると、307と似たフォルムながら、各部の要素デザインの“強さ”は確かに増している。このデザインが日本のユーザーにどう評価されるか。