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出世街道をまっしぐらの女性が、コピーライターの糸井重里氏が手がける人気ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞(ほぼ日)」に入ったらどうなるのか――。運営会社、東京糸井重里事務所(東京・港)の最高財務責任者(CFO)、篠田真貴子さんは帰国子女で元マッキンゼー、外資系企業の幹部と華々しいキャリアを歩んできた。その篠田さんが遭遇した摩訶不思議(まかふしぎ)な世界とは?

(下)「出世」の定義なんて、人それぞれでいいんじゃない? >>

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人生のある時点まで、「大きいことはいいことだ」とばかり思っていました。規模拡大を目指すのは当たり前。利益は大きければ大きいほどいいんだという世界で、より高いポジションを目指すことが「出世」なんだ、と思い込んでいました。

本当にそうなのかという問いを突きつけられたのは、東京糸井重里事務所に来てからです。それまで所属していた外資系大企業とはまったく違う組織文化に触れ、利益とは本来、人間にとっての体温や血圧みたいなものだったんだ、と気づかされました。

健康のために体温や血圧を知ることは重要ですが、それを意識しながら生きていくのは、どこか不自然ですよね?

だから、今ではこう理解しています。人間(会社)としてあるべき健全な生活を送ることができていたら、結果として財務も正常に保たれるのだ、と。

ガツガツしていないのに超優良企業だった「ほぼ日」

東京糸井重里事務所 取締役CFO 篠田真貴子氏

東京糸井重里事務所 取締役CFO 篠田真貴子氏

みなさん、「ほぼ日刊イトイ新聞(ほぼ日)」はご存じですか。広告のコピーライターだった糸井重里が1998年に開設したウェブサイトで、月間訪問者数は現在140万人ほど。私がCFOを務める東京糸井重里事務所は、この「ほぼ日」を運営している会社です。

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