牛タンは丸ごと買え!炊飯器で作る「ゆでタン」があまりに美味くて巨大肉塊が秒で消えた

焼肉でも定番の牛タン。焼肉屋さんだと薄切りのものが多いですが、自分でカタマリ肉を買えば好きな量を好きな厚さにカットできて、思う存分タンを味わえます。今回はカタマリの牛タンをタン中、タン元、タンサガリに分けて、それぞれの部位ごとに美味しく調理しました。タン中はもっともメジャーでコリコリ感、プリッと感が強い部位です。このタン中は5cmほどの厚切りにして切り込みを入れ、ネギ塩ダレをサンド。フライパンで焼けば贅沢なタン焼きが完成です。タン元は脂がよくのっていて柔らかいのでカツに。厚切りにしたタン元をバッター液にくぐらせてパン粉をまぶし、トースターでじっくり焼けば完成です。油で揚げないレシピなので簡単かつヘルシーに仕上がりますよ。タンサガリはゆでタンに。炊飯器でほったらかしにするだけで完成します。めちゃくちゃ柔らかいのですがタンの歯ごたえは感じられ、専門店顔負けの味に仕上がります。ゆでタンを作った後のスープにカレールーを入れれば、とびきり美味しいタンカレーも完成する一石二鳥のレシピです。(焼肉のグルメガイド)

牛タンは丸ごと買え!炊飯器で作る「ゆでタン」があまりに美味くて巨大肉塊が秒で消えた

こんにちは!料理研究家のジョーさん。です!

 

突然ですが、こちらのお肉、一体何だと思いますか?

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答えは、牛タン!

子供から大人まで大人気の「牛タン」ですが、焼肉屋さんで満足いく量を食べようと思うと、けっこうなお値段になってしまいますよね。

 

「好きなだけお腹いっぱい牛タンを食べられたらな……」
「焼肉屋さんにはない分厚~~~い牛タン、食べてみたいな……」

 

こんな願いを持っている人は筆者以外にもたくさんいることと思います。

そうです、だったら自分で買ってしまえばよいわけです。とにかく好きなだけ、好きな分厚さでカットしても値段はお店で食べるよりグッと安く済む! 

 

というわけで、肉のハナマサでこのカタマリ牛タンを購入してきました。 

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こちらの牛タンはアメリカ産で、100gあたり529円。

セール時や仕入れ状況次第でもっと安くなることもあり、別のスーパーではニュージーランド産で、100gあたり398円のものもありました。

 

※ハナマサでは、いつでもまるまる一本の状態で売っているわけではなく、店舗や仕入れ状況によるそうです。今回はお店に電話をして、切る前の状態のものを売っていただきました。

 

今回はこの夢みたいなカタマリ牛タンを使って部位ごとの美味しいレシピを紹介します!

 

牛タンの部位解説

レシピを紹介する前に、タンの部位ごとの違いについて説明します。

「タン元」や「タン中」といった名前を聞いたことがある方も多いと思いますが、具体的にはどの場所のことなんでしょうか?

正解はこちら!

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タンの部位を図解してみました。今回買った牛タンブロックは「タン先」(舌先にあたる部分)が初めから切り落とされていたのでありません。タン先は歯ごたえが強く、味の濃い部位なんですよ。一般的に煮込み料理にして食べることが多いです。

 

さて、それぞれを切り分けてみるとこうなります。

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それぞれをとりあえずシンプルに焼いてみて食べ比べてみました。これもカタマリだからこその贅沢……!

タン中

いちばん量の多い部分で、慣れ親しんだ牛タンの味。
サシもあまり入っておらず、とろける食感というよりはコリコリ感、プリッと感が強いです。香りも控えめで上品なので誰からも愛されるのではないでしょうか。

タン元

タン元は1頭あたりからとれる量が少ない希少部位で、一般的に高級な部類です。
タン中に比べると脂も比較的多く、食感も柔らかいです。とはいえ牛タンらしいシャキッと感は残っています。

タンサガリ

いわゆる牛タンと、他の部位との中間くらいの食感。
タン中よりも弾力があってプリッとしているのですが、噛み切ると肉らしい繊維質のようなものを感じます。風味も牛肉らしく、肉肉しい香りが漂います。

 

では部位ごとの特徴がわかったうえで、これらをフル活用したレシピを紹介します!

 

タン中→「厚切りタンのネギサンド」

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材料(作りやすい分量)

  • タン中・・・250g
  • 青ネギ・・・5~6本
    【A】
  • ごま油・・・大さじ1と1/2
  • 塩・・・小さじ1/2
  • レモン汁(または酢)・・・小さじ1/2
  • こしょう・・・少々
  • 白ごま・・・小さじ1/2
  • ごま油・・・適量

作り方

  1. 青ネギは小口切りにし、Aと混ぜ合わせる。
  2. タン中は5cmの厚さに切ったら、真ん中に切り込みを入れる。切り込みに1のネギダレを詰める。
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  3. フライパンにごま油を引き中火で熱したら、2を入れて火が通るまで焼く。

 

自分で買ってきた牛タンなら、こんな夢のような分厚さも自由自在……!

あとこのネギダレ詰め込み方式もポイント。焼肉でタンを焼くときに網の隙間からこぼれ落ちていくネギをもどかしいと思っていたすべての人に捧げたい。

この分厚さ、プリップリ感を存分に味わえて最高です。分厚いから噛めば噛むほど口の中が肉汁の洪水。枯れ果てることなく無限に旨味が出てくるのでは?というくらい、牛タンの味をずーっと味わっていられます。自分でカタマリ肉を買ったからこそ得られる至福の体験です。

 

タン元→「トースターで作る厚切りタンかつ」

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材料(作りやすい分量)

  • タン元・・・250g
  • 卵・・・1個
  • 小麦粉・・・大さじ3
  • 水・・・大さじ1
  • パン粉・・・50g
  • オリーブオイル・・・大さじ3

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  1. タン元は3cmの厚さに切る。
  2. 卵、小麦粉、水を混ぜ合わせてバッター液を作る。
  3. パン粉とオリーブオイルを混ぜ合わせる。
  4. タン元に小麦粉をまぶし、2のバッター液にくぐらせ、3のパン粉をまぶす。
  5. アルミ箔にオリーブオイル(分量外)を薄く塗り、4をトースターで10分加熱し、裏返してさらに10分加熱する。

ロースカツのような厚みの牛タンカツ~~~!脂ののったタン元だからこそできるレシピです。油で揚げずにトースターで作れるのも簡単かつヘルシー。拍子抜けするほど簡単に噛み切れてしまう柔らかさですよ!

とんかつのようにソースをかけて食べるのも良いですが、牛タンの風味を味わいたかったら塩がオススメです!

 

 

タンサガリ→「炊飯器で作るゆでタン」(&タンカレー)

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材料(作りやすい分量)

  • タンサガリ・・・250g
  • 塩・・・小さじ1
  • あらびき黒こしょう・・・適量
    【A】
  • しょうが・・・3かけ
  • 長ねぎの青い部分・・・1本分
  • æ°´ ãƒ»ãƒ»ãƒ»600ml
  • 酒・・・50ml

作り方

  1. タンサガリに塩を揉み込み、冷蔵庫で20分置く。
  2. 炊飯釜に1を入れ、Aの材料を全て加える。
  3. 通常の炊飯モードで加熱する。炊飯が終わってもフタをあけずに保温モードのまま2時間放置する。
  4. 2時間経ったら取り出し、粗熱が取れたら食べやすい大きさに切り分け、仕上げにあらびき黒こしょうを振る。

炊飯器で放置するだけなのに、まるで牛タン専門店のような味!これこれ、これが食べたかったんだよ……!

めちゃくちゃ柔らかいのですが、煮崩れることもなくプリッとしたタンの歯ごたえは残っています。しょうがと長ネギのおかげで上品な味わいに仕上がっています。

 

ちなみに、ゆでタンを作った炊飯釜にはいい感じに出汁が出たスープができあがっていますよね?これも絶対に捨てないでほしいのです。

そのまま飲んでも美味しいのですが、ここにカレールーを入れると…… 

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めちゃくちゃいい感じのタンカレーに!!

これお店出せるんじゃ……と思うほど美味しいです。カレーの強い風味にも負けないくらい牛タンの香りが残っています。薬味として入れたネギもカレーの具として一緒に食べるとトロットロで美味しいですよ。

 

牛タンまるまる1本、使いきれるかな……?などと最初は思っていましたが、あっという間になくなりました。美味しすぎるから。実際に買ってみればわかります。

カタマリ牛タンを手に入れるには、肉のハナマサやコストコ、その他スーパー、お肉屋さんに電話で問い合わせるのが確実です。店頭に並んでいなくても、問い合わせれば売ってもらえる事が多いみたいなので、タン好きの方はぜひトライしてみてくださいね!本当に幸せですよ~!

 

著者プロフィール

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ジョーさん。

料理研究家。1988年生まれ。

「台所に立つのが楽しくなるように」をモットーに幅広いレシピを日々考案。Twitterに投稿するレシピも人気で、フォロワー数は21万人超。

著書の「めんどうなことしないうまさ極みレシピ」 (KADOKAWA) は、発売日に重版が決まるほどの人気ぶり。

 

レシピ記事の企画開発、調理、盛り付け、撮影、執筆、編集を一人で行い、レシピ動画の撮影と編集も自ら行うマルチな料理家。

 

Twitter:https://twitter.com/syokojiro

公式サイト「タベタノ?」:http://tabetano.main.jp/

 
                           
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