みんな「パスタマシン」を買うべきだ!うどんもパスタもラーメンも、手作りすると圧倒的に美味しくて楽しい

「パスタマシン」があれば、パスタはもちろん、うどん、ラーメン、餃子、シュウマイ、ラザニア、ワンタンなどが自在に作れます。今回紹介するのは3種類の生地。中力粉と水、塩で作ったうどん生地、デュラム小麦粉と強力粉、卵で作る生パスタ生地、中強力粉と水、塩、かんすいで作るラーメン生地です。手で粉に水を回したらまとめ上げて(ものによっては寝かし)、パスタマシンで何度か伸ばしてはたたみ、また伸ばしてはたたみ、生地を鍛えたら、好みの薄さにして麺をカット!このカットする瞬間がたまりません。自分で打った麺はもちろん美味しいですし、餃子やシュウマイの皮などいろいろな形にできるのがまた良いところ。新しい時代、令和になった記念にパスタマシンを買って製麺してみてはいかがでしょうか?(イタリアン・フレンチのグルメガイド)

みんな「パスタマシン」を買うべきだ!うどんもパスタもラーメンも、手作りすると圧倒的に美味しくて楽しい

こんにちは。製麺愛好家の玉置と申します。

とうとう年号が令和に変わりましたね。

そんな時代の変わり目に立ち会ったところで、貴方の食生活に新しい風を吹かせてみませんか。

このピカピカしたかっこいい道具で!

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はい、パスタマシンです。

前に2,000円くらいで購入した激安マシンもあるんですが、令和記念だと言い張って1万円くらいのイタリア製マシンを買いなおしてみました。

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たとえばこの「ATLAS 150」であれば、本体中央に構えるローラーの隙間(0~9のダイヤルで2mmから0.2mmの間を10段階で調節可能)で生地を伸ばし、薄く伸ばした生地を付属のカッター(切り刃)でタリオリーニ(幅1.5mm)とフェットチーネ(幅6mm)に精密なカットができる機械、それがこのパスタマシーン!回そう、ハンドル!

さらにオプションで別売りのカッターを買えば、様々な幅や形状のパスタをも創造可能だ!

※メーカーによって仕様は少々違います。

 

眺めて良し、磨いて良し、飾って良し、そして調理しても良し。

このピカピカマシンを粉まみれにするのがもったいない気もしますが、今回の記事では3種類の生地を用意して、麺を中心に様々な料理を作ってみたいと思います。

※ちなみに私が普段使っているのは、昭和に製造された古い鋳物製の「家庭用製麺機」という国産マシンなのですが、このパスタマシンを使ったら「料理に使うだけならこれでいいじゃん!」ってなった次第です。

 

 

 

中力粉を使って、うどんと餃子と焼売を作ろう

まず作るのは、パスタじゃなくて、うどんです。

なぜかというと簡単で美味しいから。うどんは手打ちに挑戦してもいいですが、パスタマシンがあれば圧倒的に完成度の高い麺が簡単に作れます。

うどん作りに使う小麦粉は中力粉。小麦に含まれるグルテンの量が、天ぷらとかケーキで使う薄力粉と、パンなどで使う強力粉の中間の粉です。パッケージに「うどん」って書いてあるのを使えば間違いないでしょう。

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うどんの加水率(小麦粉に対する水の割合)は、手打ちのレシピよりも少なめにするのがコツ。具体的に言うと「中力粉100:水43:塩5」の割合が作りやすかったです。

ただ気温や湿度、粉の種類によって微妙に仕上がりが変わってくるので、ちゃんとデータを記録していくと、思った通りの麺が作れるようになっていきます。

きっと失敗しない生地の作り方

生地の作り方は、材料が違うだけでどの麺も基本的には一緒です。といいつつ後述する水分の少ないラーメン用中華麺はちょっと違うのですが。

まず粉はザルでふるってください。これをやると粉に水分が混ざりやすくなります。そして、これをサボるとダマになりやすいです。

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麺類は基本的に一人前を粉100gで計算します。

作りやすいのは3人前くらいということで、中力粉300g、水129(43×3)g、塩15gで打ちます。このボールは33cmですが、もう一回り小さいボールであれば2人前でどうぞ。ボールは大きければ大きいほど、厚みがあればあるほど、生地を混ぜやすいです。

まず水に塩をしっかりと溶かしたら、チョロチョロと粉に落としながら、左手はソフトボールを握るような形で構え、その指の先をボールの底につけたままクルクルと動かし、粉と塩水を混ぜていきます。「水回し」という作業です。

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この時、塩水を手に掛けちゃうと粉がくっつくので、気を付けましょう。手の毛はさっき剃りました。

水を全部落としたら、掌同士ですり合わせたり、大きく全体をかき混ぜたり、様々なアプローチで5分以上がんばって混ぜて、パラッパラでふんわりしたオカラ状態を目指します。

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この状態まで粉を育てたら、ようやく生地に力を込めます。

この段階では捏ねるというよりも、押し固めて一つにまとめ上げるという感じです。

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一つにまとまったら、乾燥しないようビニール袋に入れて30分以上寝かせます。表面がごつごつして、ひび割れていますが、気にしないで大丈夫です。

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そしてまた捏ねて(生地が硬くなってくるまで)、また寝かせて、もう一回捏ねて、また寝かせます。

「オカラ状に混ぜる→一つにまとめる→休ませる→捏ねる→休ませる→捏ねる→休ませる」という感じです。

といっても、この流れじゃないといけないというものではありません。捏ねたり休ませる時間とかも、とりあえず適当でいいです。私も自己流みたいなもんです。麺作りはお菓子作りなどに比べると、ストライクゾーンの広い料理です。もちろん突き詰めれば奥が深い世界ですが。

きっと滑らかな生地になるはずと信じていれば、こんな感じで滑らかな球体になってくれます。

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パスタマシンで生地を伸ばす

続いては生地を伸ばす作業です。このままだとパスタマシンに入らないので、まな板の上などで、ローラーの隙間の2倍以内の厚さまで伸ばします。

うどんの生地は柔らかいので手で押すだけでも伸びますが、麺棒を使ってもいいし、ビニール袋の上から足で踏んでもいいし、包丁で3等分してから伸ばしてもOKです。やりやすい方法を探しましょう。

生地がべたつく場合は、打ち粉として中力粉を振りかけてください。

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さあ、とうとうパスタマシンの出番です。

テーブルの傷つき防止に滑り止めシートを挟み、付属のクランプでしっかりと固定します。

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パスタマシンのローラーのダイヤルを、ローラーの間隔が一番広くなる「0」に合わせて、薄く伸ばした生地を差し込み、ハンドルを回します。

すると生地が滑らかに伸びていくパスタマシンの気持ちよさが、きっと味わえることでしょう。

はー、気持ちいい。

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ここから先のやり方はいろいろあるんですが、私の場合は「0」で伸ばしてから、ダイヤルを「1」にしてまた伸ばし、続いて「2」にしてさらに伸ばします。

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そして適度に伸びた生地を二つ折りにして、またダイヤルを「0」に戻した状態で通します。

この流れを2回ほど繰り返して、しっかり生地を鍛えます。これが「複合圧延(ふくごうあつえん)」です。

手打ちうどんでよくやる「踏んで、畳んで、踏んで、畳んで、踏んで」という工程を再現するイメージです。

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ここから先は折りたたまずに、好みの厚さまで、ダイヤルを1メモリずつ変えて薄くしていきます。うどんなら「4」くらいがいいですかね。

「0→1→2→二つ折り→0→1→2→二つ折り→0→1→2→3→4」ということです。

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複合圧延の後で生地がべたつくようであれば、コーンスターチや餅とり粉(加工でんぷん)を打ち粉として、茶こしなどを使って薄く振ってください。

打ち粉は中力粉でもいいですけど、コーンスターチなどのほうが生地をくっつかせないようにする力が断然強いです。片栗粉でもいいですが、茹でた時にお湯が粘りやすいです。

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あとはハンドルを太麺用の切り刃にセットして、適当な長さに揃えた生地を麺にしていきます。さあ、製麺においてこれが一番気持ちの良い瞬間です。これまでの苦労はこのカタルシスを得るためにあったのです。いや食べるためですが。

生地が長いままパスタマシンでカットして、ハサミで切り揃えてもOK。やりやすいようにどうぞ。

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あとはたっぷりのお湯で茹でて、水でしめれば出来上がり。

麺をすぐに食べない場合は、打ち粉(コーンスターチ等)を多めに振ってください。

茹で時間はダイヤルが「4」の厚さで4分半くらいでした。

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手打ち(?)うどんがうまいんです

まずは冷やしうどんを温かい汁で。

つけ汁はつゆでたっぷりの豚肉を煮たものを用意しました。

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スーパーで売っている粉を使って、自分で作ったとは思えないうまさ。

ツルツルでプルンプルンのモニュンモニュン。

シンプルだけどこれがうまいんだ。パスタマシンを使わない手打ちで、この均一なクオリティを出そうと思ったら、相当の修業が必要なんじゃないでしょうか。不揃いの手打ち麺も味わいですけどね。

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ダイヤルを「6」まで薄くすると、名古屋名物のきしめんっぽくなります。

また細麺用の切り刃で細いうどんを作ってもうまいですよ。

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餃子や焼売も美味しいよ

うどん用に作った生地で、餃子と焼売も作ってみました。

餃子の生地の作り方は、熱湯で捏ねろとか、強力粉を使えとか、いろいろ流儀はあるのですが、うどんと共用で十分美味しくできます。こだわりたいひとはこだわってください。

ダイヤルを「6」で生地を伸ばし、打ち粉(コーンスターチか片栗粉)を薄く振って、適当なサイズのお皿を当てて、ナイフで丸く切り抜きます。

水餃子ならもうちょっと生地が厚くてもいいですかね。

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具はなんでもいいですが、キャベツのみじん切りと豚ひき肉を混ぜて、塩・胡椒をしただけのシンプルなものにしました。

今回はこの具をいろいろと使います。お楽しみに。

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水をノリにして餃子を包んでいきます。

お皿のサイズが微妙に大きかったようで、でっかい餃子ができました。

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これをフライパンでうまいこと焼いたら、皮から手作りのちょっと自慢したい餃子が出来上がり。

この餃子、たまらなく皮がうまいんですよ。

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パスタマシンさえあれば、皮の厚さや大きさが完璧に制御できるので、希望通りの餃子ができます。生地の材料を変えれば食感までコントロール可能。どうぞ令和最初の餃子パーティーを開いてください。

抜いた後の生地は、スープの具にすれば無駄がありません。

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ちなみに焼売も簡単に作れました。

具も皮も餃子と同じ材料で、形を変えて蒸しただけですが。面倒なので四角い皮にしてみました。

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この構え方が大切です。焼売の底を薬指で押さえて、具をつめてください。

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これを100円ショップで買った蒸し器で蒸します。焼売の下にキャベツや白菜を敷くのがコツです。

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焼き餃子と蒸し焼売、材料は全く同じなのに、形や調理方法が違うだけで、全く違う料理に仕上がるのがおもしろい。

ちなみに私は焼売というものを初めて手作りしましたが、これは美味しいものですね。

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この豚ひき肉とキャベツの具をつゆで煮て、固めに茹でて洗った麺を入れた、温かいうどんもおいしかったです。

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デュラム小麦粉と強力粉で、生パスタを作ろう!

さあうどん作りでパスタマシンの基本をマスターしたら、生パスタも作ってみましょう。なんといってもパスタマシンですからね。

さてパスタと一口にいってもものすごい種類がありますが、今回はぐっさんというシェフから習った作り方をベースにした、卵と小麦粉だけで生地を作る生パスタです。

使う小麦粉は、本場のイタリアでよく使われるデュラム小麦粉(硬質小麦の小麦粉)と、スーパーで売っているカメリヤ強力粉を半々でやってみます。パスタらしさと作りやすさのいいとこどりブレンドとお考えください。

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基本は粉100gに対して卵1つなのですが、せっかくなので黄身が多めの贅沢なパスタを打ってみましょう。

デュラム小麦粉150gと強力粉150gに対して、使用する卵は4つ。全卵2個と卵黄2個をベースにします。卵の大きさにばらつきがあるので、水分が足りない場合に余った卵白をちょっと足します。

今回はMサイズの卵だったので、卵白2.5個分と卵黄4個分でまとめました。卵白が1.5個分余りますが、それは好きに食べてください。

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生地の作り方は先ほどのうどんと同じですが、デュラム小麦粉と卵なので、まとまりにくさがすごいです。それでもギリギリの少ない水分量で頑張ってまとめましょう。

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ぐっさん曰く、捏ねすぎると生パスタには不要なコシが出てしまうので、ほどほどでまとめ上げるのがコツだそうです。

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まだ生地がパッサパサですが、きっと大丈夫。

休ませて捏ねるという工程を、生地に艶がでるまで繰り返します。

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ほら、大丈夫でした。

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パスタの生地は水分が少ないけどペタペタとくっつくので、しっかりと打ち粉(強力粉)をして麺棒で薄くします。

手で伸ばしてもいいですが、うどんに比べて生地の仕上がりがかなり固いので、やっぱり麺棒があると楽ですね。

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パスタマシンで生パスタを作る

パスタマシンの使い方はうどんと一緒です。この時点での打ち粉をコーンスターチではなく強力粉としたのは、この後に複合圧延をするためです。コーンスターチを使うと、生地同士がくっつかなくなってしまいます。

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生地を「5」の厚さまで伸ばしたら、細い切り刃でカットしてみました。

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小麦粉と卵だけで作った麺、こんなに美しいんですよ。

はー。

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これを2分半ほどたっぷりの熱湯(塩入り)で茹でまして、ペペロンチーノ+豚とキャベツの具で仕上げてみました。

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これがうどんとも乾麺のパスタとも、全然違う食感なんです。

擬音でいえばモキュモキュのモニュモニュ。うどんで感じたモチモチの腰とは全く違う弾力が味わえます。

茹で卵(しかも黄身寄り)の食感を持った麺を想像してください。歯に力を込めると弾力で反発するのではなく、そのまま受け止めて歯切れよく切れていく感じが未知。うまく想像できなかったら、実際に作ってみてください。

太麺の生パスタも美味しいよ

もちろん生パスタなので平麺もオススメです。「7」まで薄くして、3分半茹でてみました。

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ソースは市販の安いカルボナーラで食べてみたのですが、ケチらずにもうちょっと高いやつを買えばよかったと後悔するくらいに、パスタ自体がおいしかったです。

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ラザニアだって作れます

そしてうどんの生地から餃子や焼売を作ったように、パスタの生地でラザニア作りに挑戦してみました。

生地を「6」まで伸ばして3分半茹でて、パスタ用のミートソースに豚肉とキャベツを混ぜて煮詰めた具と、「生地→具→生地→具→チーズ」と重ねてオーブンレンジで焼いてみました。

「ホワイトソースとかも使ってもっとちゃんと作れよ!」って思った方は、ぜひそのようにしていただければ幸いです。

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これがダブルの歯ごたえでした。ソースと接している生地はブリブリで、はみ出ている部分はバリバリ。生地が主役のラザニア、うまいですよ。

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ラーメン用の中華麺だって作れます

さて最後はラーメン用の中華麺です。

中華麺の打ち水には「かんすい」という添加物が入るのですが、その主原料は炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどのアルカリ性の物質。

かんすいは通販などで買うこともできますが、このためだけに買うのも大変なので、スーパーなどでも買える食品用の重曹を乾煎りしたものを使用。乾煎りに使うフライパンや鍋はアルミNG、黒ずんでしまうそうですよ。

重曹は炭酸水素ナトリウムなのですが、加熱による熱分解によって、よりアルカリ性の強い炭酸ナトリウムになると理科の先生に教わりました。

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水分の少ない中華麺を作ってみよう

中華麺の水分量ですが、喜多方ラーメンのようなモチモチした麺を目指すのであれば、中強力粉100に対して、水42、塩1、かんすい1くらいの割合で、うどんと同じように打ってください。

ここではもう少し水分を減らした低加水の力強い麺を打ってみます。カメリヤ強力粉300g、水114g(38%)、かんすい3gでいってみましょう。もう少し水分を下げた低加水な麺も魅力的ですが、あまり攻めすぎるとパスタマシンが壊れるのでほどほどで。小麦粉にこだわるのも楽しいですよ。

この水分量だと水回しをしてもパラッパラですが、地道に15分くらい頑張っていると生地から粉っぽさがなくなり、だんだんとグルテンが生成されて繋がろうという気配が伝わってきます。

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伝わりますか、この繋がろうという気配。

感じてください、麺になってやろうという鼓動。

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ここからの工程が、うどんやパスタとちょっと違います。

このクスクスみたいな生地をグイっと固めて捏ねるというのは人の力だと無理なので、厚手のフリーザーバッグに放り込みます。このまま30分以上休ませてください。

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そして生地を適当な厚さで揃えて袋を折り返し、排気口としてストローを刺して、掌でグイーっと押し固めます。力が足りないなと感じたら、タオルなどを敷いて足で踏めばばっちり。

はい、「フリーザーバッグ式麺帯固め」です。今、技名を決めました。

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これをすぐ麺にしてもいいですし、ストローを抜いて冷蔵庫で寝かし熟成を楽しんでもいいでしょう。その場合、必ず常温に戻してからパスタマシンで麺にしてください。

パスタマシンで中華麺ができました!

生地を袋から取り出す時は、ハサミでフリーザーバッグを切ります。そのまま取り出そうとすると、砂の器のように生地がボロボロと崩れます。

パスタマシンで麺にする作業自体は、うどんやパスタと一緒です。ただ水分量がかなり少ないので、ちょっと難しいかもしれません。複合圧延の回数を増やしたり、生地と会話をしながら伸ばしてみてください。

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慎重に「5」の厚さまで伸ばしたら、細い方の切り刃でカット。

何度やっても楽しい瞬間がここにあります。

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このままストレート麺として茹でてもいいですが、中華そばっぽいちぢれ麺にしてみましょう。

コーンスターチの打ち粉をたっぷりとまぶし、固めのおにぎりを握るように、ぐいぐいっと押し固めます。

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こんなことをすると麺同士がくっついちゃいそうですが、これが意外と大丈夫なんです。ほぐしてあげれば、自家製ちぢれ麺の出来上がり。

このひと手間で、すすり心地がだいぶ変わってきます。

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ワンタンだって作れます

さて中華麺の生地を使って、せっかくだからワンタンも作ってみましょう。

「8」まで薄くした中華麺の生地を用意して、四角く切ると大きすぎるので直角三角形に切って、そこに例の具を少量入れて二つ折りにします。

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生地が重なる部分に水をつけて、グッと密着させます。

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熱湯を用意したらワンタンを先に入れて、1分ほど経ってから同じ鍋で麺を茹でます。麺の茹で時間は2分半といったところでしょうか。

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麺を茹でている間にスープを用意します。本格的に作ってももちろんいいですが、醤油大さじ1、鶏がらスープの素6g、和風だしの素3gを300ccの熱湯で丼に溶かし、ごま油をちょろっと垂らしただけのスープでも十分美味しいです。

ここに湯切りした麺とワンタンを入れて、ネギでも加えればワンタンメンの完成です!

ワンタン、でか!

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食べてみると、これぞ小麦が主役のラーメンです。唇をブルブルと震わせるちぢれ麺のすすり心地、テロンとしたワンタンの官能的な舌触り。いわゆる町中華的なワンタンメンですが、こういうのが好きという人も多いはず。

自分にラーメン作りの才能があるんじゃないかと、うっかり勘違いするほどの美味しさです。

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手入れだって意外と簡単

パスタマシンは手入れが面倒に思えるかもしれませんが、適当なブラシで粉を落とし、乾いた布で拭いてあげれば完了です。意外と簡単。ただし柔らかすぎる生地で麺を作ると、詰まったりこびりついて、掃除が大変になりますのでご注意を。

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これは私も初めて知ったのですが、最近のパスタマシンは切り刃の裏にある櫛刃と呼ばれるパーツ(白いプラスチック部分)が簡単に外れるので、苦労なく清潔に保つことができますよ。パスタマシンも日々進化しているんですね。

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どうしてもキッチンが粉だらけになるかもしれませんが、そのために掃除機という発明があるじゃないですか。だから大丈夫です。

ということでパスタマシン、新時代のキッチンに大変おすすめです!

 

使った道具

参考までに、今回使ったATLAS 150の情報を置いておきます。

www.amazon.co.jp

 

著者プロフィール

 

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著者 玉置標本
趣味は食材の採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は古い家庭用製麺機を使った麺作りが趣味。

ツイッター:@hyouhon
ホームページ:私的標本
製麺活動:趣味の製麺

玉置標本「みんなのごはん」過去記事一覧

 
                           
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