料理研究家はなぜレシピを考案し続けられるのか…?仕事場を覗いてみたら大事なことがわかった気がした

料理研究家・河瀬璃菜さんのお仕事に密着してきました。料理研究家はどのようにレシピを考案し、写真を撮影し、記事を作成しているのでしょうか?撮影用にテーブルの天板だけを買い揃えたり、旅行時に器作家のもとを訪れて器を集めたり、といった料理研究家ならではの知恵と工夫を伺いました。レシピを考案するにあたって、心がけているのは再現性・実用性・意外性とのこと。誰にでも作れて、簡単で、意外な組み合わせを提案することで多くの読者にとって役立つレシピを考えているそうです。(和食のグルメガイド)

料理研究家はなぜレシピを考案し続けられるのか…?仕事場を覗いてみたら大事なことがわかった気がした

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こんにちは。ライターの斎藤充博です。となりにいる女性は料理研究家の河瀬璃菜さんです。

 

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河瀬さんは当サイト「みんなのごはん」に2014年から参加。レシピ記事を多数(本当に数えるのもめんどうになるくらい多数)執筆しています。

 

河瀬さんの記事はすごくバズっているんですよ。

「漬けモッツァレラ」は4万リツイート。

 

「そうめんのつけダレ」は2.9万リツイート。こんなバズレシピを何本も出しています。

 

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最近では発泡酒「本麒麟」の広告や、

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スマートフォン「Xperia」のCMにも出演されていました。すごいことになっている。

 

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そして今日来ているのは、河瀬さんのキッチンスタジオ。河瀬さんはレシピ記事の多くをここで制作・撮影しています。

 

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というわけで、今日は実際に河瀬さんが料理を作っているところを見せていただきながら、料理研究家という仕事の裏側に迫っていきたいのですが……。

 

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よろしくお願いします! それでは以前に「みんなのごはん」で紹介させてもらった「鯖そぼろキーマカレー」を作ってみましょうか。

 

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やったー! 料理研究家の手料理を食べられるの貴重な体験……! よろしくお願いします。

 

超かんたん 鯖の味噌煮缶で作るカレー

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・鯖の味噌煮缶1個
・ご飯
・カレールー1個
・醤油少々

 

河瀬さんが用意した材料はこれだけ。ようは鯖の味噌煮缶とカレールーをまぜただけの物っぽい……? かんたんそうだけど、うまいんだろうか……? まずかったらおもしろいな。

 

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そういえば、鯖缶って最近流行っていますよね?

 

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流行っていますね。2018年の「今年の一皿」も鯖でした。

 

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やっぱり。最近スーパーで鯖缶を安売りしているのを見かけないですよね。まあそれでも全然手軽に買える食材ではありますが……。

 

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鯖缶っていいんですよ。かんたんに魚を摂ることができるし、タンパク質が鶏胸肉なみに豊富です。

 

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あんまり鯖缶について語るのやめましょう。これ以上みんなが鯖缶の魅力に目覚めてしまうとまずい……。

 

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手順1:鯖の味噌煮缶を耐熱容器に入れてよくほぐす。カレールーを1個入れる。

 

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カレールーは決まった種類がありますか?

 

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なんでもいいと思いますよ!

 

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おお、なんと実用的なおおざっぱさ……。

 

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手順2:醤油を少々入れる。

 

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手順3:500ワットの電子レンジで3分間温める

 

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この電子レンジは特殊な物だったりしますか?

 

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家電量販店で買った、普通の電子レンジです。

 

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それにしてもかんたんですね。混ぜてレンチンしただけ。料理研究家の手料理とは……。

 

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レストランのレシピや商品のレシピにおいてはまた違うと思いますが、「レシピ記事」において一番重要なのは「再現性」なんです。誰もが持っている道具で作れなくちゃいけないんですよ。

 

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なるほど。そりゃそうですね。

 

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特にウェブの記事だと、拡散してほしいじゃないですか。「ふだん全く料理をしない人でもできる」くらいの物がいいんです。

 

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確かにこれだったら誰でもできますね。

 

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とは言っても、料理研究家ならではの道具もありました。 ãƒšãƒ³ç«‹ã¦ã¿ãŸã„な容器です。河瀬さんはここに使いかけの菜箸やトングを入れています。

 

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これ便利ですね。確かに料理をしているときに、菜箸を一時的に置いておきたくなりますよね。

 

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そう、こういう物を用意しておくと便利なんですよ。

 

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大がかりな撮影の時は、広いバットに菜箸やお玉を置いています。

 

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無くても大丈夫だけど、用意しておくと便利な道具……。プロの知恵を感じさせますね。家でもマネしたくなる。

 

食器は「料理がきちんと見せられる物」を

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レンジで温めている間に器を選びましょうか。

 

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おお。オシャレな器がいっぱい。

 

河瀬さんの仕事は、料理を作るだけでなく、それを撮影して記事にするところまで。確かに食器のストックは必要ですね。

 

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こんなにたくさんそろえるのは、大変なんじゃないですか?

 

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そうでもないですよ。器も好きですからね。私は旅行に行ったときに、その土地の器作家を訪れて器を買っています。

 

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作家の所に行くんだ。ハードル高くないですか。

 

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地方の器作家は、工房と売店を兼ねた場所を持っていることが多いんです。一般の人も普通に買えますよ。安く買えますし、おすすめですね。

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へー。それなら気軽に行けるのかな。僕も旅行の時に行ってみたい……。

 

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ある作家さんから「自分が作った作品にどんな料理が盛られるかを見る機会がなかなかない」と聞いたことがあって。少しでも作家さんたちの創作の力づけになればと思って日本の器作家さんの作品を使うようにしてます。

 

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そうか、河瀬さんが使うとウェブや雑誌に載るから、作家さんとしてもうれしいんですね。

 

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器を選ぶポイントってありますか?

 

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料理をちゃんと見せられるものですね。たとえば、ボリュームの少ない料理に深いお皿を使うと、真上からしか撮影ができなくなってしまうんです。

 

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あ、なるほど。

 

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撮影の時はマットな質感のお皿が便利ですね。光沢があるとちょっと大変で。写真を後から見て拡大したら、光沢の中に自分が写り込んでいたり……。そういう写真は使えないので。

 

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ああ……。わかります。飲食店で取材していても、そういうことある。

 

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それ以外には、あまり食器に決まりって無いんです。昔は「青い食器は食欲を減退させるからだめ」なんて言われていたこともありましたが、今ではそんなこともありませんよね。

 

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青い食器、ふつうに見る気がします。

 

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青い食器の話が出たから、これを使いましょうか。深さもちょうどいいですね。

 

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なんかすごくおしゃれな器ですね……。よい……。

 

盛り付けは「写真映え」を気にしながら

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手順4:レンジで温めたものをスプーンでかきまぜる。完成

 

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あ、かきまぜた途端にカレーの香りが立ってきましたね。うまそう。

 

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これでカレーは完成ですね。あとはご飯と一緒に盛り付けです。

 

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ご飯をレンジで解凍する河瀬さん。

 

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このご飯用のタッパー、うちで使っているのと全く同じやつだ。親近感湧きますね……。

 

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これ、量がちょうどいいんですよ。

 

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そうそう! これは本当にちょうどいい。ご飯用じゃないタッパーで冷凍保存していたこともあるんですが、小さい物でも量が多すぎちゃうんですよね。もう30歳過ぎるとご飯をたくさん食べられないし。ご飯用タッパーは本当に最高……。

 

料理研究家と一緒の道具を使っていたのがうれしくて、ブツブツ言ってしまいましたが、ここ不要ですね。

 

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盛り付けをする河瀬さん。

 

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盛り付けで気をつけていることってありますか?

 

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正面を決めて盛り付けること。あとは「写真映え」には気を配りますね。

 

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家で食べるときは、これで完成でいいと思うんですよ。

 

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すごくきれいに盛り付けてあると思います。

 

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でも、記事にするときはもうちょっと華やかにしたい。

 

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「卵黄」を乗せてみるとか。

 

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すごい! 急にレシピ記事っぽい雰囲気になった!

 

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卵はシズル感が出やすくて便利なんですよね。ついつい頼りがちではありますが。

 

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他にもかんたんにシズル感が出るものはありますか? 

 

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チーズですね。焦げ目をつけたり、箸で持ち上げたときに伸びたりして。これもシズル感が出るんですよ。

 

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確かにそういうのよく見る気がします!

 

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レシピ動画でよくありますよね。

 

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差し色として、ネギやパセリを入れたりするのもいいですね。このカレーにはネギを散らしてみましょうか。

 

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カレーが盛られているときは既に「うまそう」って思ったんですが、こうして色を付け足していくと「すごくいいもの」に見えてきますね……。

 

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ネギのように、あとからかける物って便利ですよね。こういうのはレシピの材料に「あれば:ネギ」みたいに書きます。他には糸唐辛子やごま、黒コショウや鰹節なんかもオススメです。

 

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「あれば」っていろんなところで見たことがある……。レシピ文法ってありますね。

 

いざ撮影に

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これから撮影に入ります。まずテーブルの天板を選びましょうか。

 

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なるほど……。天板だけ用意しているんですね。おもしろい。

 

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 æ¶¼ã—げな「大理石」を使ってみましょう。そろそろ蒸し暑くなってくるころなので。

 

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テーブルの上に大理石の天板を乗せて、その上に先ほどのカレーを乗せます。アップで撮れば、大理石のテーブルにカレーが乗っているかのよう……。

 

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大きな三脚をセット。部屋の明かりは全部消して、撮影用の照明(写真右上)を天井に向けています。

パソコンなどはカメラに写らないところに寄せているの、現場の裏側って感じがしますね。

  

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カメラは何を使っていますか?

 

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CanonのEOS 5D Mark IVです。レンズはタムロンのマクロ。使うレンズはほぼこれだけです。撮影をする人って「レンズ沼」にハマりがちってよく言いますが、私はそんなことないですね。

 

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撮影のコツってありますでしょうか?

  

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料理の食材が全部見える角度から撮るのが重要ですね。一目で何が使われているかわかるようにしなくてはいけないので。あとは、その料理の一番美味しい表情を撮ってあげることですかね。

 

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なるほどなあ。

 

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このカレーはどう撮っても全部見えますけれどもね。

 

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このカレーだったら、卵の黄身を割った方がおいしそうに見えますね。

 

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あーなるほど。確かにこっちの方が黄身の「トロ」っとしている感じが出ていますね。

 

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レフ板の代わりに白いランチョンマットを使ってバシバシ撮影していきます。

 

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これいつも一人でやっているんですか? 大変そう……。

 

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これくらいだったら一人です。慣れです。慣れ。

 

ここで実際に河瀬さんが撮った写真をお見せしたかったのですが、ちょっといろいろありまして、僕がうっかり素材をなくしてしまいまして……。

 

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当サイトの過去の記事から。ネギではなくてパセリを使っていますが、こんな感じ。すごくきれいでうまそう……。

 

 

料理研究家の料理を試食

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この日はカレーの他に「モッツァレラチーズのめんつゆ漬け」と「鮭キムチ」も作ってもらいました。2つともものすごいバズったメニューです。

 

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うめぇ~。この記事の冒頭で「料理研究家が作った料理がまずかったらおもしろいな」なんて思っていた僕はバカでした。

 

まず鯖缶で作るカレー。サバの味噌煮の缶詰って、ちょっと甘ったるかったり、生臭かったりするところがあるじゃないですか。それがカレールーと醤油でいい感じに隠されている。その結果、サバの脂と味噌のうまみが、カレー味によく合います。

 

漬けモッツァレラは、モッツァレラチーズを一晩めんつゆにつけた料理です。チーズのうまみと、めんつゆの2種類のうまみが一気に口の中に入ってくる。酒が飲みたくなる料理。

 

鮭キムチは、お刺身用のサーモンとキムチを和えて、少量のキムチの素で味を整え、一晩漬けておいた料理。サーモンの脂とキムチのうまみが意外とマッチする。これはどんぶり飯にかけたらうまそう。

 

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河瀬さんってレシピをどのくらい作っているんですか?

 

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「レシピ記事」で言うと今は月に30くらいですね。でも一番忙しかったときは毎月70くらい作っていたかな。

 

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すごい。レシピってどういう風に考えていくんですか?

 

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再現性、実用性、意外性を考えています。例えば意外性でいうと、このメニューも「鯖缶とカレー」「めんつゆとモッツァレラチーズ」「鮭とキムチ」どれもみんなが知っているものですが、組み合わせると意外ですよね。

 

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確かに意外。見ると「これ本当にうまいのか?」って確認したくなりますね。

 

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また「うまみの種類を足してゆく」というのも重要ですね。「モッツァレラチーズのめんつゆ漬け」がわかりやすい例で、チーズのうまみとめんつゆのうまみを足しています。

 

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パズルみたいですね。おもしろい……。

 

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それから私は「レシピは人の悩みを解決するもの」だと思っていて。

 

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どういうことですか?

 

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「鮭キムチ」を例にすると、「お刺身用のサーモンが余っちゃう」ことって考えられるじゃないですか。でもこうしてキムチにつけ込むと、次の日でもおいしく食べることができる。

 

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なるほど。レシピ一つで余った物がおいしく食べられるようになる……。

  

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ヤミー・ザ・パクチー パクチー醤油|Yummy the PHAKCHIより

 

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2017年には「パクチー醤油」という調味料をプロデュースしました。これも悩み解決だと思っています。いまパクチーがはやっていますが、保管しておくとすぐにシナシナになってしまうんですよね。それを調味料にすることで、いつでもパクチーの味を楽しむことができます。

 

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「悩み解決」か……。そういう精神があるから、河瀬さんのレシピってみんなに受け入れられるんでしょうね。

 

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記事が拡散されることも大切だとは思うんですが、見てくださっている方の「家事としての料理」の負担を減らすことも大切ですよね。その結果、ご家庭で長く愛されるレシピになればと思っています。

 

いまは「6次化」に力を入れている

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料理研究家やレシピ記事作成以外にも、いろいろなお仕事をされていますよね。

 

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最近では「6次化」の仕事に力を入れているんですよ。

 

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6次化?

農業や水産業などの第一次産業が食品加工・流通販売にも業務展開している経営形態を表す
6次産業 - Wikipediaより

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たとえば、宇和島の水産会社に販促を依頼されて、「マグロの解体ショー」をプロデュースしたり。

 

株式会社 宇和島プロジェクト UWAJIMA PROJECT

 

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それ、河瀬さんのSNSで見たことあります。「マグロの解体ショー始めました」って書いてあって。いいな~って思いました。一生に一度は告知したいですよ。「マグロの解体ショー始めました」

 

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そういうもんですか(笑)。宇和島の高校で部活として「マグロの解体」を行っている女子高生がいるんですよ。その部員がそのまま水産会社に就職していて。販促に使わない手はないだろう、と。

 

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それはぜったいに盛り上がりますよね。でも会社の内側にいると、意外と身近すぎて思いつかないのかな……。そういうのって色々あるのかもしれませんね。

 

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他には「アジフライ」のプロデュースもしています。この「山田のフライ」は長崎で獲れたアジをフライにしたものなんですが、どうしても「アジフライ」って写真映えしにくいんですよね。

 

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そこでこのパッケージなんですね? 

 

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そう。アジフライのしっぽを武士のチョンマゲに見立てて……。ちょっとかわいくないですか?

 

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ぜったい写真撮りたくなりますね。

 

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商品って「作って終わり」じゃないので、ちゃんとみんなに届くところまで考えないといけないんです。でもそのためのリソースがどこも足りていない。そういうところの手助けをしていきたいなって思っています。

 

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それも先ほど言っていた「悩み解決」の一つですね。

 

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というわけで、料理研究家の河瀬璃菜さんでした。「自分でもやってみようかな」という気になるレシピや、見た瞬間に「うまそう」って思える写真。僕はふだんなんとなく見ていたのですが、たくさんの工夫で作られていました。

 

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後日、サバ缶のカレーを作ってみました。自分一人でも手軽にできておいしいですね。でも写真は全然うまく撮れませんでした……。

 

みんなのごはんにはたくさんのレシピがあります。みなさんもぜひチャレンジしてみてください。

 

取材協力

河瀬璃菜

@Linasuke0508

「みんなのごはん」河瀬さんの過去記事一覧

 

プロフィール

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斎藤充博

指圧師・ライター・マンガ家などをしています。昼寝とビールが好きです。
Twitter:@3216
note:斎藤充博 

 
                           
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