奥多摩はこの世の天国だ…!ハイキングの後に食べる鹿肉ソテーが格別の味だった

東京都ながら自然に恵まれた奥多摩。奥多摩駅から奥多摩湖にかけて「奥多摩むかし道」という程よいハイキングコースがあります。「白髭神社」「境の清泉」「水根貨物線の廃線跡」といった見どころを巡り、歩き疲れたら「水と緑のふれあい館」内にある「パノラマレストラン・カタクリの花」に行くのがオススメです。肉が分厚くて柔らかく、臭みなどが全くない鹿肉ソテーの定食が絶品です。限定の鹿肉が売り切れていた場合には奥多摩で獲れたヤマメを使った定食もオススメ。さらに、「小河内ダム」を模したダムカレーもあります。鹿肉、ヤマメに次ぐ名物のワサビを使ったワサビジェラートも食後にピッタリです。(青梅・小作のグルメ・和食)

奥多摩はこの世の天国だ…!ハイキングの後に食べる鹿肉ソテーが格別の味だった

はじめまして。外食研究家のココロ社です。これから「人生を豊かにする外食とは何か?」を追求していきたいと思っておりますので、どうぞよしなに。

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食べたいだけ食べると体重は増える。食べるのを我慢すると心がすさむ。食べられないストレスで余計に腹が減る。とかくに人の世は住みにくい。

――実際のところ、食べたいだけ食べて体重が増えない方法があればよいのだが、その解にもっとも近いのは、食べたいだけ食べて、へとへとになるまで運動する、という方法であり、前半は夢のようだが、後半は地獄のようであり、やはり前半だけいただきたいという気持ちになってしまう。

 

そこで、もう少し進化させた解を考えてみた。

「楽しくて無理のない運動をし、そのあと食べたいだけ食べる」である。
より具体的に書くと、「見どころのある長距離のハイキングのあとに、メニューがたくさんあるレストランで食べる」である。

ハイキングのあとに寄れるレストランはメニューが限られがちである。なぜなら、ハイキングの多くは、低地から高地へと登っていき、物資が限られたその終着地にあるのは、きまって山菜そばだからである。もちろん、山菜そば自体は、朝食をとり、1時間程度歩いたあとに山頂付近で記念としていただくごはんとしては最適なのだが、へとへとになるまで歩いて、食べたいだけ食べるというときの食事のイメージではない。また、最初に食べたいだけ食べてからハイキングをすると、体が重くなり、負債を返すような感覚になってしまうので、空腹状態のまま歩いて、貯金をする感覚でハイキングするほうが前向きな気持ちになれる。

 

そして取材班(わたしとカメラとレンズ2本)は東京・奥多摩へ急行した。

首都圏以外の方についても、うまい組み合わせを見つけて、「ハイキングコースの果てにレストランがある」という状態を作れば同じ効果が得られるのでお試しいただきたい。

 

なお、奥多摩駅には遅くとも8時に到着している必要がある。なぜなら、目的のレストランには山奥にあるのに、けっこうな人気で、しかも限定のランチを狙うのだから、11時すぎには到着している必要があるからだ。

 

奥多摩むかし道という穴場ハイキングコース 

「奥多摩むかし道」という、キャッチーな名前の道があるのを、都民の方の大半はご存じないだろう。
歩きやすいわりに、距離があり、それなりに体への負荷=カロリー消費が期待できる。
道中の風景が楽しすぎて、じぶんが今カロリーをすばらしい勢いで消費しているとは夢にも思わない。
奥多摩駅から続いており、途中で道を離脱して奥多摩湖に至るのだが、目的のレストランにたどり着くまでに約10km、約3時間歩くことになる。
 
少なめに数えても、奥多摩むかし道には3つのハイライトがある。
順にあげていこう。

(1)巨石が古くから信仰されてきたダイナミック神社、白髭神社

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神社を潰しそうな勢いでそびえ立つ巨大な石灰岩。あえてこんな近くに神社を建てて圧迫感を感じさせようとするところがすばらしく、これだけでも見て帰っていただきたい。
まず誰もいないので、ここでゆっくり体育座りをして巨石に押しつぶされた気持ちになりたい。

(2)東京都屈指の名水ゾーン、境の清泉

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カロリーを消費したくて歩いているが、途中での水分補給が必要である。このコースの脇に、東京都屈指の飲める湧水、「境の清泉」がある。これだけでも見て帰っていただきたい。
この場所がぐるなびに登録されていてもおかしくないくらいの場所である。

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わたしはここに寄るため、わざわざ家から水筒を持ってくるほどで、初めて行く方についても、このように、ペットボトルのお茶などを駅で買って、ここに来るまでに飲みきり、残りの道中はここの水を補給すれば、なんだかサバイバルしている気分になる。

 

(3)水根貨物線の廃線跡

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「廃墟には興味があるが、近くに廃墟がない」とお嘆きの貴兄にお贈りする廃線跡。東京都でもこんなに神秘的な場所があるので、これだけでも見て帰っていただきたい。

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道中のいくつかの場所で、線路のようなものが見えるが、むかし道からすこしはずれた奥多摩湖の手前では、鉄橋そのまま放置されていて、なんとも不思議な気分である。

ここはかつてSLが通っていた。頭の中でSLが山奥を走っているところを想像してほしい。

 

この記事はぐるなび「みんなのごはん」なので、これ以上の紹介は控えておくが、あと10カ所くらい紹介したいくらい、地味ながら見どころが多い道で、ジ・穴場なのである。

 

カロリー収支は1,000kcal以上のマイナスになる

景色に見惚れてすっかり本題を忘れていたが、ここでカロリー収支を振り返ってみよう。健康・体力づくり事業財団の『エクササイズガイド2006』を参照すると、歩行1時間と座っている1時間の差分は6メッツなので、3時間だとエクササイズ値18の差、つまり「1.05✕18✕体重」が消費カロリーで、体重が50~75kgとすると、ふつうに過ごすのと比べて950~1,400kcal多く消費したと推定される。さらに1日ふつうに暮らしたときの基礎代謝量をこの値に足すと、この日は、2,150~3,100kal食べて、やっとプラスマイナスゼロになる計算。

半笑いで「そんなに食べられないよ~!」と口にしてしまう。

 

目的の「水と緑のふれあい館 」は竜宮城のようである

愉快な道を3時間歩くと、さすがに空腹が身にしみてくる。そこで目の前に現れるのが、広大な奥多摩湖と、この建物である。

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このPOP体をあしらった建物、尻ごみしてしまうかもしれないが、中の様子を一言で説明すると竜宮城である。

「水と緑のふれあい館」という名前が気になるかもしれない。

さっき汲んできた水を飲みながら実感していただきたいのだが、この奥多摩湖は、正式名は「小河内貯水池」で、湖にしか見えないが、ここの水は多摩川へと流れ出、上水道として使われている。

そしてこの建物は、ここから始まる上水道の仕組みがよくわかる建物なのである。

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中は螺旋状になっており、その頂上にはわれわれの目指すレストランがある。

クライマックスにふさわしい演出である。

 

目的地の、「パノラマレストラン・カタクリの花」に到着した。

名前にふさわしく、レイクビューである。窓から見える景色はまさに水と緑。

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この店、道の駅にあるありふれたレストランに見えるかもしれないが、日々、奥多摩ならではの名物をわれわれに提供するために日夜努力しており、いまホットなのは「シカ焼肉定食」と「ダムカレー」である。繰り返しになるが、いままで歩いてきたから、カロリー的な文脈では、何を食べてもまったく問題ない。カツカレーなども用意されているので物足りなくなることはない。

 

カロリーを一切気にせず、食べたいだけ食べる

まずは限定のシカ焼肉定食(1,500円)。このために家を早めに出たのである。

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「焼肉」と書いてあったので、焼いたままの肉を想像していたのだが、丁寧にソテーされ、たっぷりトマトと野菜のソースがかかっている。「奥多摩産 鹿のソテー トマトソース 奥多摩の山菜を添えて」などと呼んだほうがしっくりくる。

肉は厚いのに柔らかく、まったく臭みがない。鹿肉のイメージが一変する逸品である。

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また、脇役のはずの山菜もすばらしいボリュームと瑞々しさで、これだけでもごはんが進むので、あっというまにご飯がなくなってしまった。

なお、わたしが行ったときは限定20食だったのだが、捕獲が減っているときは限定5食になったり、販売休止になっているときもある。そのときは、同じく奥多摩産のヤマメのフライをメインにした、奥多摩山水定食(1,100円)も用意されており、奥多摩の味を満喫できるので安心してほしい。

 

そして、食べたいだけ食べることにしたので、ふたたび食券を買い、今度はもうひとつの名物、小河内ダムカレー(1,000円)にする。

 

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ダムカレーは文字通り、この小河内ダムをかたどったカレーで、ダムとカレーが好きな人にとってはうってつけてである。

ビジュアルを重視しているため、大盛りは不可。日本の正統派の洋食の味で、具も多くて満足する。

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なお、このソーセージを抜いたらカレーが決壊……と思うかもしれないが、ダムの奥にまでは至っていないので安心して抜いてほしい。

 

これでも物足りなくなったら、隣のおみやげコーナーに移動して、わさびジェラート(250円)を食べると心身ともに落ち着く。

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わさびアイスは、本物のわさびの粒が入っていて、ミントを上回る爽快感があり、毎食後に食べたいと思う味。

 

満腹になったら、そのままバスに乗って帰還してもよいが、湖のまわりを歩いて、奥多摩湖の象徴である麦山浮橋に向かうことにした。

合計12km以上は歩いたことになるので、さらに消費カロリーを増やすことになる。浮橋は、観光のためではなく、地域住人の足として用意されたものである。通勤通学に浮橋を使っているところを想像するとワクワクするけれども、毎日渡るとさしたる感慨はないのかもしれない。

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この橋を渡ると浮橋に着く。

 

小一時間歩いてわたしが見たものとは……。

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水位低下のため、通行禁止になっていた……。(※なお、8月に入ってからの連日の雨のおかげもあって、2017年8月11日からは通行可能になっている)

 

ダムカレーを思い返してみると、たしかにつながっていなかった。

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関係ないと思うが、妙に納得してしまった。

 

「カタクリの花」では、奥多摩清流定食など、まだ奥多摩の名物がたくさんある。

次回も食べたいだけ食べるし、みなさんにも食べたいだけ食べていただきたい。

 

今回歩いたルート

1. 奥多摩駅 2. 奥多摩「むかし道」入り口 3. 境の清泉 4. 白鬚神社 5. 廃線跡 6. カタクリの花 7. 麦山浮橋

 

 

紹介したお店

パノラマレストラン カタクリの花
住所:東京都西多摩郡奥多摩町原5 奥多摩 水と緑のふれあい館
TEL:0428-86-2731

r.gnavi.co.jp

 

著者プロフィール

ライター。主著は『マイナス思考法講座』『忍耐力養成ドリル』『モテる小説』。ブログ「ココロ社」も運営中。 

ブログ:ココロ社
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