あのラーメンの名店の店主たちは今。健在! 復活した名店5軒【山本剛志】

移り変わりの激しいラーメン界においては名店とたくさんの人から称賛されてきたお店であっても、いろいろな事情で現在は閉店していることも珍しくありません。けれど、そんな今は亡き名店の店主が再びラーメン店をオープンさせ、復活している事例もあります。そこで今回は「あの名店の店主たちは今。健在! 復活した名店5軒」と銘打って、新宿・戸塚・松原団地・尼崎の5店をラーメン王の山本剛志さんが紹介します。(新宿のグルメ・ラーメン・送別会・歓迎会)

あのラーメンの名店の店主たちは今。健在! 復活した名店5軒【山本剛志】

栄枯盛衰を繰り返すラーメンの世界で、惜しまれながらも消えていった店は少なくない。そんな中、再びラーメン店主としての復活を果たしてくれた店が話題になっている。かつての味を復活させる店、味をリニューアルした店、新しい味をプラスした店とスタイルは様々だが、これまでの経験があるだけに、地に足を付けた美味しさが楽しめる。今回は2014年に「復活」を果たした5軒をご紹介していきたい。

 

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あの名店が「尼上り」!「ロックンビリースーパーワン@尼崎」

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2005年に神奈川県相模原市で創業し、町田駅近く、赤坂へ移転していった「69’N’ROLL ONE(ロックンロールワン)」。2014年4月に突如閉店してファンを驚かせたが、店主の嶋﨑氏は3ヶ月後、兵庫県尼崎市塚口に「ロックンビリースーパーワン」を開店させた。カウンターだけ10席の店内は厨房を広く取り、創業当初の店内を思わせる。

 

基本メニューだった「2号ラァメン」は「尼ロック」と名を変えつつも、その魅力は健在。比内地鶏100%のスープに、生醤油をブレンドした醤油味。国産小麦を使った細ストレート麺の、滑らかながら力を失わない柔らかな味が相性よくまとめられている。塩やつけ麺、限定メニューもどんどん繰り出していて、関西でも注目の1軒になっている。

 

店名:ロックンビリースーパーワン
住所:兵庫県尼崎市南塚口町3-29-13

 

銀座八丁目の名店が、名調子と共に復活!「勇@松原団地」

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「がんこラーメン十代目」から独立し、銀座八丁目の路地に行列を作っていた「らーめん 勇」。2007年に閉店した際、張替店主は「再開するつもりはない」と言っていたので、正直なところ諦めていた。ところが2014年6月、何故か埼玉県草加市の国道バイパス沿いに突如復活。しかも、大きな看板に駐車場も完備という、銀座時代とは真逆のコンセプト。テーブル席が揃っていて、家族連れでも気軽に入れる店になっている。

 

銀座時代からの味を受け継ぐ「塩」(写真上)と「醤油」は、周辺の客層に合わせてしょっぱさは抑えているが、かつての味を彷彿とさせる「銀座味」も用意していて、かつてのファンもにんまりしてしまう出来映え。また、「味噌」や「まぜ麺」といったかつての名作だけでなく、「黒とんこつ」(写真下)や「G麺」など、こってり派も思わず食べたくなる新作も登場。店主の名調子トークも草加で復活した。

 

らーめん 勇
住所:埼玉県草加市北谷1-2-17


ぐるなび - らーめん 勇(草加/ラーメン)

 

名店「カミカゼ」店主が新しい味で復活!「中華そば尋@戸塚」

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2001年に横浜市泉区で創業した「中華そば カミカゼ」。あっさり派の名店として人気を集めていたが2004年に閉店。その後、藤沢市で再開したもののそちらも閉店。違う仕事をしていたというご主人が、縁あって戸塚で新店を開業させた。カミカゼ時代とは異なる「中華そば」(写真上)は、煮干を効かせたあっさり味ながら、まろやかでバランスのとれた醤油味。自家製麺をたっぷり食べてほしいということで価格も手頃。

 

トッピングの「味付卵」は、半熟全盛の時代に敢えて、ご主人の好みである固茹でで仕上げていて、しっかりした味付けが秀逸。「カミカゼ」時代の人気サイドメニュー「チャーシューライス」(写真下)は健在。ローストしたチャーシューが乗っているが、ライスの中には刻みチャーシューが仕込まれていて、思わず顔もほころんでしまう。

 

中華そば 尋
住所:神奈川県横浜市戸塚区汲沢町1201


ぐるなび - 中華そば 尋(戸塚・東戸塚/ラーメン)

 

自然の恵みにこだわったラーメンが復活!「らーめん 森や」

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2004年に東戸塚に開店した「森や」。2012年に閉店して、その味は幻になったかと思われたが、2014年7月に復活。駅からは離れているが、「本郷台」「戸塚」からバス便が多く無理せず行ける場所にある。自然の恵みを存分に活かしたラーメン作りは復活後も健在。これまでのタレを「元味」とし、薫り高いタレを用いた「新味」をメニューに追加。

 

麺ははるゆたか100%使用の太麺と、国産小麦をブレンドした細麺の2種類を揃えていて、レギュラーメニューだけで選択に悩むほど。「醤油新味はるゆたかワンタンメン」(写真上)は、じんわり旨みが広がるスープにチャーシューやワンタンがインパクトを加え、はるゆたかの麺が相性よい。「塩元味細麺ラーメン」(写真下)は、すっきりスープがしゃっきり茹でた細麺に絡みついて最後まで飽きずに食べられる。

 

らーめん 森や
住所:神奈川県横浜市栄区長沼町339


ぐるなび - らーめん森や(港南台・洋光台/ラーメン)

 

名店を譲り新店でリスタート!「製麺rabo@西新宿五丁目」

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初台の名店「嗟哉」は、店主だった小野里氏が2014年に店員に譲って引退と発表されてラーメン好きに衝撃が走った。しかし本当の衝撃は、その後自身が一人で営業する「製麺rabo」を、方南通りから一本入った所に開店させた事にあった。居抜きの店内は気取らない雰囲気で、夜はつまみメニューも用意しているとの事。

 

鶏を使ったあっさりスープの「中華そば」(写真上)は、まろやかなスープを細麺でするすると啜れる。魚介スープを加えたこってり系の「ラーメン」(写真下)は、油脂に頼らずくどすぎない、バランスのよいスープ。中太麺が滑らかにマッチしている。他にもあっさり魚介系スープの「支那そば」や、つけ麺もメニューに並べていて、何度でも通いたい味のある店になっている。

 

店名:製麺rabo
住所:東京都渋谷区本町4-13-10

 

推薦者:山本剛志

f:id:minnano58:20140905121634j:plainラーメン王。ラーメン評論家。1969年東京都生まれ、千葉県出身、東京都江戸川区在住。2000年放送の「TVチャンピオンラーメン王選手権」で優勝。15年間で全国47都道府県の9500軒、13600杯を食破。現在も年に700杯前後のラーメンを食べている。ブロマガで公開している本気のラーメン情報チャンネル「ラーマガ」共同責任編集者。

 

 
                           
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