はじめに
『Delphi 2』 についての概要です。
概要
製品概要です。
項目 | 説明 |
---|---|
製品名 | Delphi 2 |
コードネーム | Polaris |
発売年 | 1996 |
発売元 | Borland International |
ビルドバージョン | 2.0 |
コンパイラバージョン | 9.0 |
BDS バージョン | - |
サポートプラットフォーム | Windows |
前バージョンとの違い
- 初の 32bit Windows 用 Delphi
-
//
による行コメントが使えるようになった - 長い文字列型がサポートされた
- バリアント型が追加された
- オブジェクト型に対してプロパティが使えるようになった
- 呼び出し規約が増えた
- finalization が使えるようになった
- フォームの継承が行えるようになった
- OLE コントロールのインポートが可能になった
- データモジュールが使えるようになった
- スレッドが使えるようになった
- 32bit 版 BDE が付属する
- 帳票ツールとして『QuickReport』が付属する
- ネットワークコンポーネントとして
NEWT Intranet (NetManage)
が付属 1
その他
- Delphi 2 自体は 32bit アプリケーションだが、インストーラが 16bit アプリケーションであるため、64bit Windows へはそのままではインストールできない
- コマンドラインコンパイラは
DCC32.EXE
- インストール CD 内に『Delphi 1.0』が収録されている
- インストール CD 内に Delphi 1 から 2 へマイグレーションするためのドキュメントが収録されている (
INFO\BORLAND\D32_NOTE.DOC
) - 『C++Builder 1.0 C/S』がアンティークソフトとして無償公開されたので、Delphi 2 相当のコンパイラを無償で入手可能になった
- TBitmap にバッファオーバーフローの脆弱性がある
- 1996 年は『Windows NT 4.0』が発売された年です
おわりに
現在の Delphi の直接の祖先と言っていいと思います。
このバージョンで作られた実行形式ファイルは最新の Windows でも動作します。
Mr.XRAY さんの記事
Mr.XRAY さんの「Delphi サンプルプログラム集」は Delphi 2 以降全般で有用な情報が詰まっています。Delphi (Windows プログラミング) で何か困った事があったらサイト内検索してみましょう。大抵検索に引っ掛かると思います (w
併設されている Halbow さんによる「Win32 API by Object Pascal of Delphi」も読んでおくと、Windows プログラミングで問題が発生した時の解決の糸口になるかもしれません。
See also:
- ボーランドが「Delphi 2.0J」を 6 月 24 日に発売 (PC Watch)
- ボーランド、Delphi 2.0J に Internet Solutions Pack をバンドル (PC Watch)
- Delphi 1~4 でコンソールアプリケーションを作る (Qiita)
- Delphi と Windows の呼び出し規約 (Qiita)
- Delphi 2 ~ 3.1 は 32bit アプリケーションだけどインストーラが 16bit アプリケーションなせいで 64bit Windows へインストールできない件をどうにかする (Qiita)
- CPU ウィンドウを Delphi 2 および 3 で使う (Qiita)
- C++Builder 1.0 Client/Server が無償公開されたので Windows 10 (64bit) / 11 にインストールしたいけど、インストーラが 16bit アプリケーションなせいで 64bit Windows へインストールできない件をどうにかして、ついでに 32bit Delphi として使ってみる (Qiita)
- Delphi および C++ Builder における VCL Bitmap LoadFromFile の脆弱性について (Support Wiki)
索引
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改訂版から Internet Solutions Pack が付属する事になった。既存の登録ユーザーには改訂版の CD-ROM が発送された。 ↩