黙然日記(廃墟)

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産経「主張」のOECD調査観。

 6/27分です。チチのチチはヂヂ。ハハのハハはババ。ヂヂの子はヲヂ。ババの子はヲバ。(ヲ=小)

【主張】国際教員調査 増員より資質向上めざせ+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140627/edc14062703170001-n1.htm

 OECDの教員勤務実態調査のニュースには注目していました。産経新聞の主張と真逆の結果が出たので、おそらく無視するだろう、だとしたらどうやって取り上げてやろうか、と思っていたわけです。しかしまさかこうして「主張」(社説)で取り上げるとは。そして見事に明後日の方向へすっ飛んでいくとは、予想外というか期待をはるかに超えるというか、嬉しくなってしまいます。教師の指導力低下という大テーマについて、「日本の教師は忙しすぎて生徒の指導をする暇がない」という話は以前から指摘され、それも授業時間より部活の指導や事務作業に時間を取られているのだという指摘も現場から上がっていました。それに対して産経や第一次・第二次安倍晋三政権は、なんの根拠もなく思い込みで「忙しいはずがない、サボっているからだ、教員免許更新試験や校長の権限強化でもっと締め付けろ」と、とんでもない主張を繰り返し、十ヶこうしてきたわけです。それが、客観的な調査で実際に現場の言うとおりだったことがわかって、ちょっとは顔を赤らめるかと思ったら、ますます従来の主張に磨きを掛けてきたわけです。見事な夢想主義に、頭が割れんばかりに痛くなってきます。
 実はここまでの説明で、一箇所抜かしていたことがあります。教師が忙しすぎると指摘し増員を求めているのは、日教組の主張でもあります。そして産経は、日教組をイデオロギー的な理由で鬼のように憎んでいます。日教組の言うことなら100%間違っている、なにがなんでも受け入れるわけに行かない、という、たいへんイデオロギッシュな理由で、教師の忙しさを否定していたのです。しかし教師の忙しさとそれがもたらす問題点は、わたしのような門外漢が見ても明白だし、文科省も認めていることだし、こうして海外からの調査も出ました。教師の増員と待遇向上は喫緊の過大であり、教育再生をおちょぼ口で唱える安倍政権にとっても、集団的自衛権なんかより最優先の課題であるはずなのですが、唯一イデオロギー的な理由から、「日教組が唱えていることは一切実現させない」という、ただそれだけの理由から、教育現場の声を無視しているのです。《「先生たちは働き過ぎだ」という声は多くない》というのは、産経論説委員はどういう耳をしているんでしょうか。「教師は夏休みをまるごと休める」と思っているような世間の誤解を、そのままにしているのではないでしょうね。