黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経歴史戦のつまみ食い。.他。

 6/24分です。ジョージ・ガーシュウィンやリロイ・アンダーソンがクラシックなら、久石譲氏やすぎやまこういち氏がクラシックでもいいと思うんですよね。武満徹や伊福部昭も、映画音楽中心に評価すべきではないかと。むしろサロンミュージックの伝統を受け継ぐのはこちらで、現代音楽はなにか間違ってるんじゃないでしょうか。

【風を読む】人事を法でしばる「女性活躍」法案は再考を 論説副委員長・石井聡 +(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140624/plc14062409000007-n1.htm

 産経新聞の紙面が「歴史戦」連載で占められているわけではないので、通常運転の記事も多く載っています。アファーマティヴ・アクションへの既得権側からの反発は、残念ながらよく見かけるものです。要するに、「男であること」しか自分の存在価値を見いだせないクズ男による嫉妬の表明がこの文章です。「男」を「日本人」などに入れ替えても成り立つのは、これも残念ながらご承知のところですね。
 石井記者はこうした非難をかわすべく、「自民党はリベラルと違う保守政党なのだから、結果平等ではなく機会平等政策を採るべきだ」と理屈をつけていますが、実際に女性の多い企業には活力があり、一方で強制力をもって破らねばならないガラスの天井があるのなら、結果を求めるのも保守の役割でしょう、というか、この一点をもってして(石井記者が言うところの)「保守」は間違いでリベラルな政策が正しい、ということが言えてしまいますよね。まあ、産経新聞らしいコラムだと言えばそれまでですが。

【歴史戦 第3部 慰安婦・韓国との対話(3)】慰安婦も安重根も一緒くた 史実無視、中韓連携の不可解+(1/4ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140624/plc14062411190011-n1.htm

 《歴史は本来、いろいろな評価や見方ができるものだろう》。そうですね。この言葉を心に刻みつけるべきでしょう。あなたも、わたしも、産経新聞記者たちも。在韓日本大使館前の従軍慰安婦少女像の背後に安重根のポスターが貼ってあったのは、たまたまそういうパフォーマンスをしやすい角度というのが建物にあるんじゃないですかね。まさか正門前というわけにもいかないでしょうし、おのずから場所は限られてくるわけです。その安重根義士記念館で、彼が「テロリスト」(by安倍晋三政権)という観点がない、と記事は指摘しますが、赤穂義士記念館に「義士は当時の法を破り暴力事件を起こし死刑になったテロリスト」なんて書いてあるでしょうか。
 歴史問題での韓国の中国接近を諫めていますが、現地ハルビンでの安重根記念碑設立は、ハルビンが中国領である以上、中国の協力を得なければなりません。一方で深刻な中韓の歴史問題になれば、この記事にあるように朝貢外交の復活への警戒感や、ここにはありませんが高句麗の所属問題など、いくらでも対立点があります。ごく一部分、自分が興味ある部分だけを見て「歴史問題での中韓接近」を言い立て、「米国がどう反応するか」などありもしない心配を並べる態度こそ、フェアとは言えません。都合のいいところだけつまみ食いして全体の問題であるかのように喧伝する産経の姿勢が、ここにも現れています。