黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経オピニオンのお気楽さ。

 6/12分です。いよいよ開幕ですね(12時間ずれていますが)。脳内がすっかりブラジルモードですが、バリー・マニロウ氏で知られる名曲『コパカバーナ』は、リオデジャネイロのコパカバーナ海岸やそこのホテルではなく、ニューヨークにあるナイトクラブ(ハバナより北でもっともホットなスポット)が舞台だ、という豆知識は、実は産経新聞掲載の松尾理也記者のコラムで得たものです*1。

【産経抄】サムライ・トリオ 6月12日(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/140612/scr14061203210001-n1.htm

【主張】W杯開幕 日本の存在感を示したい(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/140612/scr14061203220003-n1.htm

【正論】W杯から世界の潮流読み解けば 双日総合研究所副所長・吉崎達彦(1/4ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/140612/scr14061203220002-n1.htm

 というオープニングトークを用意して待っていたら、産経オピニオン欄は3連発ですよ。軽薄きわまりないですね。特に「主張」の後半と「産経抄」は、日本人審判が開幕戦の笛を吹くことを取り上げています。素晴らしいことですが、日本代表というわけではありません。オールジャパンで審判の技量を磨いてきた記憶もありません。「日本代表が決勝戦に進むようなもの」という表現も引用されていますが、日本代表チームはFIFAのワールドカップで現在の優勝国です。もちろん、審判は女子競技も男子競技もありません。サッカー大国としての自覚をもう少し持ってもらいたいものです。それから「主張」は、試合が始まってしまえばW杯反対のデモもストもおさまるだろう、と気楽に書いていますが、サッカーが世界を平和にした愛すべき時代が、いつまでも続くとは限りません。64年ぶりの開催で、あのブラジルさえもが、という大きな転換点になる可能性も秘めているのです。もちろん、そうはならないことを切に祈りますが……。
 「正論」はもっとお気楽で、「代表の実力は国力に比例する」という、根拠のわからない理論に基づいて、新興国がどうのと論じています。わたしの理論だと「人口にあるていど比例する、というよりあまりに人口が少ないと強くなるのは無理」というものですが、これも例外がいくらでも挙げられます。国力でいうなら(「あるていど」という言い訳もつけていないところに注意)、経済力で米国と日本がワンツーを決めていた時代、1994年米国大会まで両国ともかすりもしなかったのは、どう説明するのでしょう。もちろん人口理論でも、現在中国とインドがかすりもしていないのは説明できません。弱い理由を説明する理論派作れても、強い理由を説明する理論派ないのです。まあ、読むに値しない文章です。

*1:d:id:pr3:20101122:1290437804 参照。