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2007年07月25日
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それでは、

「かみぽこ政治学的に
参院選の争点を検証する」

最後に、経済政策について。

4.経済政策

これ、今回の参院選では
まったく争点になってないわけだけど、
参院選の結果は、
参院選後の経済政策の方向性に
ものすごい影響があると思いますよ。

これまで

「インテリ喧嘩師・塩崎恭久シリーズ」(爆笑)
(と、勝手に今、名づけてしまいますが=苦笑)

で、書いてきたことなので
ご興味あらば
そっちを読んでいただければと
思いますけれども、
要は、安倍政権になってから、

「静かに、しかし劇的に
経済政策の方向性が変わっている」

ということなんだよね。

どういうことか簡単に書くと、
小泉政権時代というのは、
とにかく経済を立て直して
成長軌道に乗せることが
なによりも優先事項だった。

だから、財政赤字の拡大には目をつぶり
銀行に公的資金を投入して、
不良債権問題を片付ける一方で、
日銀の公定歩合は限りなくゼロに抑えて、
とにかく、銀行と企業を
立ち直らせようとした。

結果、経済は成長軌道に乗った。

しかし、それは
大蔵省(財政赤字)と
日銀(ゼロ金利)に
経済の悪い部分を
とりあえず押し付けることで
銀行と企業を立ち直らせることを
優先させたということなので、
日本経済全体が
正常に戻ったというわけじゃない。

安倍政権は、実は
この小泉政権時代の経済政策を
静かに、しかし大胆に
転換させていた。

それは、経済が成長軌道に乗っている間に
財政赤字とゼロ金利という
日本経済に残った異常な部分を
徐々に正常化させていこうという
方向転換である。

そして、安倍政権では
財務省寄りの政治家が
(例えば、谷垣さん、与謝野さんなど)
政権から「排除」されてしまい、
逆に、日銀OBの塩崎官房長官が
経済政策の主導権を握ることで、
ゼロ金利を徐々に正常化することが
財政再建よりも
優先されることになった。
(まあ、消費税というのが
過去、大平、中曽根、竹下、宇野、
細川、橋本という歴代内閣を
事実上崩壊させてきた
極めて政治的リスクの高い
政策課題であることも
日銀をまず優先させた
大きな理由であるとは
思うけれどもね。)

これは、日銀の政策委員会で
短期金利の引き上げの
検討が行われていることが
明らかになった時、
中川秀幹事長や
太田経済担当相や、
尾身財務相が
いろいろ批判した時に
塩崎長官が

「公定歩合は日銀の専管事項」

と、静かに発言すると、
そういう批判がピタッと
やんだことでわかる。

この安倍政権の経済政策の運営を
僕は高く評価しています。
そして、「塩崎エントリー」で
紹介したThe Economistの記事のように、
それは海外でも
高く評価されているように思う。

さて、参院選後にそれがどうなるかと
いうことなのだけれども。。。(苦笑)

自民党が勝てば問題なし。
問題は自民党が負けた時だ。

自民党が負けた時、
とりあえず最初に
なにが起こるかというと、

「安倍首相の人事権の事実上の剥奪」

である。

まずは、「仲良し官邸団」の解体である。(笑)
その時、塩崎官房長官がどうなるか。

僕は、政権内に留まるのは
難しいかもしれないと思うし、
もし留まっても、影響力の低下は
避けられないと思う。

そうなると、何が始まるかというと、
以前から散々言っているけど、
参院選後の政局の舞台は、
政府税調・自民税調での
大バトルの勃発である。

安倍政権から「排除」されてきた
財務省よりの政治家が
税調を舞台に大暴れを始める。
要は、

「消費税の大増税」

である。

もちろん、消費税増税を含む
税制改革の検討は、
参院選の勝敗にかかわらず
規定路線である。

しかし、問題は
消費税の上げ幅が
どれだけになるかと
いうことなのだ。

安倍政権が参院選に勝利して、
塩崎長官が
経済運営の主導権を
握り続けるならば、
消費税の上げ幅は

「経済情勢を見ながら慎重な範囲で
日銀の金利と同時に徐々に上げられる」

になるだろう。

しかし、塩崎長官という
抑え役がなくなってしまうと
また、「日銀法改正」と
脅す政治家が出てきて、
日銀の金利はゼロに抑えられ、
消費税率はとめどなく
上げられるということも
起こるだろうね。

自民党が負けたら、
消費税の検討はできなくなるだろうと
単純に言う人がいるけど、
事はそんなに単純じゃないですよ。

基本的に参院選の敗北では
政権交代は起きないだろうし、
人気のない内閣のうちに
国民の嫌がることを
やってしまったほうがいいという
判断だってあるからね。

民主党だって、
消費税増税に
賛成はしないだろうけど、
知らん顔というかね、
安倍政権のうちに
増税させたほうがいいと
思うかもしれない。

「政権が近くなると、現実的になる」

のだから。(苦笑)

これに、もし国民新党と
安倍政権の連立が起こって、

「亀ちゃんの公共事業大増発路線」(爆笑)

が、復活したりしたら、
いったい日本経済は
どうなるのでしょうか?(失笑)

ということで、
経済政策の評価というのは、
本来、この参院選では
とてつもなく重要な争点だと
思うのだけども、
まったく議論されていないのは
非常に残念なことだと思う。

さて、ここまで「かみぽこ政治学」的に
参院選の主要な争点と各党の違い、
どの党が勝つとどういうことになるかを
簡単にまとめてまいりましたが、
どこの党に入れたらいいか、
さっぱりわからなくなって
しまったのではないでしょうか?(苦笑)

でも、政策の評価も
政局の要素を
ちょこっと入れてみることで
ちょっと一風変わったものに
なるでしょう?(苦笑)

まあ、しかし
どの党がぜんぶいいということは
基本的にないのですね。
それぞれいいところもあれば
悪いところもある。

だから、一応ここでは
それぞれの政策課題について
シンプルにまとめてみたので、
あとは皆様が
政策課題に優先順位をつけて、
優先順位が高い課題は
どの政党がいいかとか、
いろいろ考えて
投票していただければと
存じます。

それでは、またね。

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「かみぽこ政治学」バックナンバーはこちら。





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最終更新日  2007年07月25日 18時52分25秒



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