|
カテゴリ:カテゴリ未分類
それでは、
「かみぽこ政治学的に 参院選の争点を検証する」 (3)に入りたいと思います。 3.憲法改正・安全保障 安倍さんは憲法改正を この参院選の争点に したかったようだが、 与党も野党も 誰もそれを相手にせず 争点とはならなかった。 当たり前である。(苦笑) 僕は、憲法改正や安全保障問題が 選挙の争点にならなかったことで ようやく日本も「美しい国」になったと 非常に満足している。(苦笑) なぜならば、 普通、他の国ではこういう問題が 選挙の争点になることは ないからである。 英国で、安全保障が選挙の争点に なったことはない。 イラク戦争で、労働党が 議席を減らしたじゃないかって? でも、それはあくまで、 トニー・ブレア首相が 「大量破壊兵器はある」 と、でっち上げたことに対する 不信任票であってね。 「イラク戦争を遂行したこと自体」 が、争点になったわけじゃない。 なぜならば、イラク戦争を決断した時 与党・労働党だけではなく 野党・保守党も賛成していたからだ。 当時のウィリアム・ヘイグ保守党党首が、 「ブレア首相の決断に敬意を表する」 と議会演説して、 スタンディング・オベーションが起こって 戦争を始めたわけだ。(苦笑) つまり、与野党の合意の下で 戦争を遂行したわけであってね、 これがどうして争点となろうか?(苦笑) 安全保障が政争の具にされることは どこの国でもないのであって、 大体これが普通なのだ。 憲法も同じである。 憲法改正のような問題は、 選挙に勝ったから 変えますみたいな 問題ではないわけだし、 ましてや、時の首相の思いつきで 解釈を変えられたりするものじゃない。 それは、指導力の発揮うんぬんの 問題ではないわけで、 「集団的自衛権は私の解釈で。。。」 とか、そういうことを言い出すこと自体が 安倍首相の「指導力」という概念に対する 理解不足を示していると思う。 今は、東西冷戦時代ではない。 自由主義対共産主義みたいな イデオロギー対立があるわけでもなく、 共産党が革命を起こす危険が あるわけでもない。 少なくとも、 自民党・公明党から民主党までは 憲法改正で合意形成が可能なのだから、 できるだけ多くの人が合意できるように 粘り強い努力をしていくべきだと思う。 安倍首相は 「敵は排除するもの」 が、固い信念のようですが(苦笑) 国民投票法案の時や 憲法改正を参院選の争点にと 言った時のように、 合意形成が可能な民主党を 無理やりに敵にして 排除しようとするようなことは もういいかげんにして ほしいものだと思う。 できるだけ多くの人が納得して 憲法改正が行われてほしいと 思うからね。 もちろん、僕は 安倍政権が憲法改正の検討を スタートさせたこと、 国民投票法案を通したこと自体は 高く評価していますよ。 ただ、憲法改正や安全保障は 選挙で勝ち負けを 決めるもんじゃないと 言ってもですね、 それらが選挙の結果に 影響されないわけじゃない 以前に書いたことがあるけど、 「憲法改正や安全保障は、 与野党伯仲状態になったほうが前進する」 からである。 一見、逆みたいなんだけどね。(苦笑) 例えば、戦後日本で 憲法・安全保障政策が前進したのは、 (1)「一般消費税」で総選挙惨敗し、 与野党伯仲状態になった大平内閣で 「総合安全保障構想」が生まれたこと。 (2)村山内閣(自社さ連立)で、 社会党(社民党)が憲法・安保政策を 劇的に転換した。 (3)小渕内閣(自自公連立)で、 憲法調査会設置、周辺事態法、国旗・国歌法、 通信傍受法成立。 (4)小泉内閣(自公連立)で、 テロ対策特別措置法、有事関連三法(有事法制)、 イラク特措法、国民保護法など成立。 と、自民党が弱い与野党伯仲状態や 連立政権の時代なのである。 これはどういうことかというと、 まず、与野党の議席差が大きいときは 野党は政権獲得が現実的でないので 国民の受けがいいように、気楽に 「反対!反対!」 と叫ぶものだからだ。 それに対して、自民党は 歴史的経緯もあり 一方的に野党の反対を 押し切って事を進めると 次の選挙での敗北につながる 憲法や安全保障については あまり積極的に取り組もうとは しなくなる。 一方、与野党伯仲状態になって 野党も政権獲得の可能性が出てくると 安全保障政策についても 現実的に考えるようになるので 与野党の話し合いの余地が 生まれてし、 ましてや政権の中に入ったら もう目の前の現実に 対処するしかなくなるわけである。 結果、憲法・安全保障政策は 前進することになる。 例えば、小渕内閣や小泉内閣では、 「平和の党」であるはずの公明党が(苦笑) 安全保障関連の法律の成立に 歯止め役になるかと思いきや 逆に、成立のけん引役に なってしまっている。(苦笑) 小泉内閣では、山崎幹事長が 公明党を説得して テロ特措法に賛成させることで 選挙で公明党の支援が必要な 自民党の防衛族議員を 抑えこむことに成功し、 テロ特措法を成立させている。 安倍内閣の国民投票法案で 与野党が話し合いを続けていたのに 最後に安倍首相と民主党・小沢代表が ちゃぶ台ひっくり返しをしたのは、 あまりにも与野党の議席数が 違いすぎるために、 話し合いなどしていたら、 与党は弱いイメージになると 安倍首相が考え、 一方、野党は埋没してしまって 国民になんのアピールもできないと 小沢代表が考えてしまったという 側面がある。 議席数の差が大きすぎることが ちゃぶ台ひっくり返しを 起こさせてしまったわけだ。(苦笑) 与野党の党首が 不見識だからというより そういう政治力学が 働いてしまったということだ。 したがって、今後 憲法改正や安全保障政策を 現実的に進めていくためには 与野党伯仲状態のほうが より好ましいのだと 主張させていただきたいと思う。 1つここで強調しておきたいのは、 民主党政権が生まれたほうがいいとは 言ってませんからね。(苦笑) あくまで、与野党伯仲状態。 民主党の安全保障政策が気に入らない? 確かに。。。(笑) でも、大丈夫ですよ。 そんなもの、政権がちらついたら、 あっという間に変わりますから。(苦笑) それでは、(4)へ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年07月25日 18時50分28秒
|