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精華大学で『風と木の詩』ワークショップ

 25日は叡山電鉄に乗って京都精華大学へ。
 ジャクリーヌ・ベルント先生のマンガ研究ゼミに、ワークショップのゲストとして招かれての参加でした。


 テーマは(精華のマンガ学部長でもある)竹宮惠子先生の代表作『風と木の詩』の分析。
 ゼミ生の千田さん、研究員の岩下朋世さんに並んでぼくも発表したのち、十数名でディスカッション、という形式。


風と木の詩 (第1巻) (白泉社文庫)風と木の詩 (第1巻) (白泉社文庫)
竹宮 惠子

白泉社 1995-03
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 千田さんが従来のBL論の延長で発表をされて、岩下さんが漫画表現の二重性について独自の考えを述べられてからぼくの出番が。
 「少女漫画を読む視点」としてありうる、読者の心理の揺れ動きを、実際に文庫版の1巻をめくりながら実況解説するような発表を行いました。
 自著の『漫画をめくる冒険』や『フィクション・ハンドブック』の理論にも触れた表現の分析をしつつ、(最近あまり使う人を見かけないメソッドである)ユング派心理学的な物語解釈を軸にして、「読者の少女はこの物語をどう感じ(う)るのか」を考える、といった内容。



 ディスカッションもなかなか盛り上がりましたし、ぼくも女性サイドの見解を聞くことができて(マンガ学科は女性が多い)、参考になるワークショップでしたね。


 叡山電鉄でまた移動してから打ち上げもあったのですが、ちょっと悪戯ごころというか、この場所に巻き込みたいな、と思って近所にいたレスター伯Pを呼び出すことに成功。
 レスターさんは本業が歴史学の人なので、学際的交流がリアルに行われる現場になるわけです。
 この打ち上げの方も面白い話ができていたと思います。というかレスターさんを漫画論サイドから口説く岩下さんのテンションはかなり上がっていた。


 0時まで飲んで解散。
 別れぎわ、岩下さんから細見美術館の「若冲と江戸絵画の世界」に誘われたので後日一緒に行く約束を。
 しばらく趣味の展覧会めぐりから離れていたので、久しぶりに楽しんでこようと思います。