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2024年10月27日(日)に、大阪府泉佐野市、関西国際空港 にて行われた、「第18回KIX国際交流ドラゴンボート大会」 の模様より、前編。 今年で通算第18回目となる本大会だが、2004年からの 開始であり、途中に、台風による中止(計2回)と、 コロナ禍による中止(計3回)を含んでいる。 なお、中止年は大会回数に通算していない場合もある。 本大会は、元々は本年9月1日(日)に開催が予定されて いたのだが、通称「背負い投げ台風」と呼ばれ、迷走した 台風10号の影響で、この日程に延期となっている。 (注:一般に、ドラゴン系大会での「延期」は珍しく、 普通は中止となるが、本大会は、準備期間、準備物も多く、 延期としたのであろう) この延期により、海外参戦チームの旅程変更は困難につき 例年のような海外チーム群の参戦は無い。 「国際交流」大会と銘打ってはいるが、今年については 国内系チームのみのエントリー(参戦)である。 また、同様に台風で日程変更された、滋賀県での大規模大会 「びわこペーロン」とも同一日の重複開催となってしまい、 一部のドラゴン専業チームは、琵琶湖の大会に向っている為、 本大会では結果的に強豪チームの多くが欠場、よって、中堅の 専業チームや企業系新鋭チームにも、優勝や入賞のチャンスの ある大会だ。(注:私もkIX大会観戦撮影の為「びわこペーロン」 の観戦記事は、今年は掲載できない) 2018年までは、二期島側のデッキで本大会が開催されて いたが、地盤沈下の影響により、二期島デッキは水没して 現在では使えず、2019年からは、一期島側に大会会場を 移している。(参考:関空島は定期的にジャッキアップが 必要とされている)(↓写真は、大会会場から臨む二期島) なお、この会場からは飛行機が離着陸する様子は殆ど見えず、 「ドラゴンと飛び立つ飛行機を同時に撮ってやろう」という 野望(笑)は、まず失敗するだろう。 ちなみに、仮に、二期島側からは、それが可能だとしても、 遠距離で、かつ離れた角度にある飛行機とドラゴン艇を同時に 両者とも大きく写すのは不可能である。 (それは正しいカメラの画角感覚を持っていれば、撮る前から でも容易にわかる事であるから、無理にそれを狙う必要は無い。 --- 従前の時代に「そう(飛行機とドラゴンを同時に)撮ってくれ」 と私に要望を言って来た関係者も何人か居たのだが、その都度 「両方とも大きく撮れる筈がないでしょう!?」と却下した。 まあ、写真を普段から撮らない人(カメラマンでは無い人)には、 そうした”構図感覚”が一切無い事が、良くわかった実例だ。 --- なお、後編記事に掲載するが、二期島から一期島の滑走路へ タキシング途中で陸上停止している飛行機とドラゴン艇を 遠距離で一緒に撮る事は可能である) さて、関西空港駅(JR/南海)からは約700m、徒歩10分程 でドラゴンボート大会会場に到着する。 本前編記事では、本大会の「スモール(10人漕ぎ)の部」 と本大会関連の状況等の、よもやま話を主体とする。 (続く後編記事では、20人漕ぎオープンと20人漕ぎ混合の 部の結果紹介をする) 大会当日の天候は、晴れ、一時曇り、最高気温26~27℃ 10月の末というのに、夏日(最高気温25℃以上)である。 元々「雨予報」だったので長袖を着て来たが、ちょっと 暑く感じた。 なお、雨は夜半になって降ったのだが、ここのところの 観戦記事で何度か書いているように、事前の週間天気予報 (雨予報)は、やはり、全くアテにならなかった次第だ。 風は、無風~2.5m/sの追い風 又は 1m/s程度の横風。 レースに強く影響が出る程ではなく、適切な競技環境だ。 本大会では、関空島の立地環境(周辺に陸地の無い海の上) から、「強風」が常に課題となり、艇に浸水して沈没して しまうケースも多い。(過去に沈没は計8回程あったか?) まあ、今日の弱風程度では浸水沈没には至らないであろう。 ちなみに近年から本大会には風速計(2000円台の個人所有品) を持ち込んでいる。強風は、沈没に至らない迄もレースへの 影響も少なからず存在する。なお、他の会場施設等で見かける 「吹流し」は、本会場には無い(見えない)ので、やはり 風速計での確認は必要であろう。ちなみに、10m/sを超える 強風となった場合、レースは中断または大会中止となる内規だ。 全参加チーム数は43。そして20人漕ぎチームが多く、加えて 企業チーム等では応援/観戦者の数が極めて多く、大会の 開会式(↑写真)は、なかなか壮観だし、会場に詰め掛けた 人数も、恐らくは2000人近くと、非常に多い。 各レースは200m戦だ。ただし、ブイ設置作業の関係等で、 あまり距離の正確性はなく、僅かに短いケースも良くある。 今回の大会でも同様で、レースタイムから推測するに 190m前後程度と、やや短いと思われる。 このレース距離でのタイム差は、正規の200m戦に比べて、 3秒前後速くなると思われる。(注:風にも影響される) そういえば、私が撮影をしている際、隣でレースを観戦 していた企業チームの初参加の若手選手が「なんで、レース タイムの合計にしないのですか?」と私に質問してきたので 匠「風が吹いたり、波の状態でタイムが変動するからですよ。 順位戦にしておけば、少なくともそのレース内では公平です」 と説明すると、「なるほど」と納得していただいた模様。 匠「ただし、参戦チーム数の少ないカテゴリーでは、予選や 敗者復活戦等を行わず、2回から3回戦の合計タイムで 順位を競う場合もあります。その際にも同一レース内での 環境の公平性は維持されます」 のように追加説明をしておいた。 本大会過去5回分の戦績(注:コロナ休止期間3年分を含む) (注:第1回(2004年)~第12回(2015年)は省略)を 以下に記載しておく。決勝戦は5艘建て(稀に4艘建て)で 通常大会での3位まで入賞ではなく、5位までが入賞だ。 *第13回:2016年8月28日開催 <スモールの部(10人漕ぎ)> 開催無し (注:未設置。この年まで本大会は常に20人漕ぎであった) <男女混合の部> 1位:1分05秒:あめちゃん(東海龍舟/愛知+琵琶ドラ/滋賀) 2位:1分05秒:関西龍舟(兵庫) 3位:1分07秒:キャセイ・パシフィック C(香港) 4位:1分08秒:チームすいか(すいすい丸/京都+河童/大阪) 5位:1分08秒:吹田龍舟倶楽部(大阪) <オープンの部> 1位:0分59秒:bp(大阪) 2位:1分04秒:SPS118(関西空港専属海上保安庁) 3位:1分06秒:キャセイ・パシフィック A(香港) 4位:1分07秒:関空飛龍(大阪/関西空港) 5位:1分14秒:Rスポーツマンクラブ(大阪) *第14回:2017年8月27日開催 晴れ、強い風(7~10m/s) <スモールの部> (注:関空関連および地方自治体関連のみの参加制限) 1位:1分03秒:KIAS合同チーム 2位:1分03秒:みみずく 3位:1分08秒:KAPサッカー部 4位:1分10秒:関西空港運用部 5位:1分10秒:公益社団法事 泉佐野青年会議所 <男女混合の部> 1位:0分48秒:Fish Eagle (海外) 2位:0分49秒:関西龍舟(兵庫) 3位:0分51秒:あめちゃん(愛知/滋賀) 4位:0分52秒:Standard Chartered Bank B (海外) 5位:0分52秒:キャセイ・パシフィック B(香港) <オープンの部> 1位:0分46秒:bp(大阪) 2位:0分49秒:Nihon Genma(香港) 3位:0分51秒:Standard Chartered Bank A (海外) 4位:0分51秒:キャセイ・パシフィック A(香港) 5位:0分51秒:ヤンググリーン(兵庫・相生) *第15回:2018年9月2日開催、晴れ (参考:本大会の2日後の9月4日、風速58m/sの最強台風 21号が近畿地方を直撃し、関空には甚大な被害が発生した) <スモールの部> (注:関空関連および地方自治体関連のみ) 1位:0分58秒:KIAS消防チームA(関西空港職員) 2位:1分01秒:KIAS消防チームB(関西空港職員) 3位:1分02秒:ヤング エージーピー(関西空港関連企業?) 4位:1分07秒:Team iLane Lane1 (関西空港設備関連企業) 5位:1分09秒:チーム Onion(自治体関連) <男女混合の部> 1位:0分47秒:関西龍舟(兵庫) 2位:0分48秒:あめちゃん(愛知/滋賀) 3位:0分50秒:熊野水軍(和歌山) 4位:0分52秒:PINK POWER (香港) 5位:0分55秒:Team BANANA(兵庫) <オープンの部> 1位:0分47秒:bp(大阪) 2位:0分48秒:bp next(大阪) 3位:0分49秒:ヤンググリーン(兵庫・相生) 4位:0分50秒:Castle Peak(香港) 5位:0分56秒:ゆうゆう漕げるんです(静岡県混成チーム) *第16回:2019年9月1日開催、曇り時々晴れ、最高30℃、やや強い風 <スモールの部> (注:参加資格が少し緩和され、関西空港関連以外の 初出場チーム等もエントリーが可能となった。以降も同様) 1位:0分53秒:潜水艦うんりゅう(広島、海上自衛隊) 2位:0分57秒:Stanley Raptors(香港) 3位:1分00秒:HKUST MBAAA(海外) 4位:1分01秒:鹿島龍舟部(大阪/東京/他) 5位:1分07秒:KOS消防 山チーム(関西空港職員) <男女混合の部> 1位:0分50秒:関西龍舟(兵庫) 2位:0分55秒:Team BANANA(兵庫) 3位:0分56秒:ミラ化けっ吹(大阪他混成チーム) 4位:1分01秒:竹中工務店B(関空関連企業) 5位:1分02秒:IwataniクリーンエネルギーB(関空関連企業) <オープンの部> 1位:0分44秒:Hong Kong National Team(香港) 2位:0分46秒:bp(大阪) 3位:0分50秒:魚橋水神龍会(兵庫、旧ヤンググリーン) 4位:0分54秒:陸(くが)ペーロンチーム(兵庫・相生) 5位:0分56秒:Rスポーツマンクラブ(大阪) *第17回:2023年8月20日開催、晴れ、最高32℃、風速3~7m/s (2020年~2022年のコロナ中止期間を経て4年ぶりの開催) (注:各カテゴリー4艘建てでの決勝戦) <スモールの部> 1位:1分03秒:エアバス・ドラゴンH160(関空関連) 2位:1分06秒:吹田龍舟倶楽部(大阪) 3位:1分06秒:鹿島龍舟部(東京等) 4位:1分11秒:琵琶湖で漕いでいます!(滋賀等) <男女混合の部> 1位:0分51秒:bp(大阪) 2位:0分52秒:関西龍舟(兵庫) 3位:0分56秒:クジラに乗った河童とバチ子(広島/大阪等) 4位:1分04秒:赤と黄色と青みどり(大阪/兵庫/東京等) <オープンの部 決勝順位、タイム> 1位:0分53秒:Nihon Genma Dragon(香港) 2位:0分55秒:もやしっこ(関西空港専属海上保安庁) 3位:0分56秒:関空飛龍(関空関連/専業) 4位:0分56秒:Rスポーツマンクラブ(大阪) (注:各年次の優勝タイムは、かなり異なっているが・・ 前述のように、毎年、コース長が微妙に異なっている事と 風や波などでのレース環境の差異からである。 50秒を切るようなタイムは、恐らく180~190m程度。 1分を超えるタイムでは、220m程度か、場合によっては 最初から250m戦の設定だったかも知れない。 また、一般に、混合の部のタイムはオープンの部の1割増し 程度である。それと、海外超強豪チームは、国内最強クラス チームの1割引き程度のタイム差がある) これを見ると、新設されたスモールの部(20人艇を用い、 適宜隙間を開けて10人の漕手が乗船する)においては、 当初、関空関連および自治体関連のみの参加資格であったが 後年には初出場等の専業チームへも参戦の門戸を開いている。 ただし、今年に関しては、スモールの部で専業チームと 言えるのは、「鹿島(かじま)龍舟部」のみであり、他に 専業チームは(スモールの部へは)参戦していない。 (注:専業チームとは、日頃からドラゴンボートやペーロン の練習を行い、地元大会以外を含めた複数の大会に参戦する 専門的なチームの事を言う。チーム選手の出自はバラバラで あるが、企業等のスポンサードが無い、いわゆる「クラブ」 である事が大半だ。「びわこペーロン」大会では、一般選手 達の間で「クラブチーム」という呼び方が定着しつつある。 なお、ドラゴン界には、元々、プロ制度は無いので、一応は アマチュアだが、他のビギナー系チームとは一線を画する高い 実力値を持っていて、ほぼ上位入賞が確定的なチーム群だ) さて、KIX大会と言うと、2000年代末頃の本大会で、 決勝戦で強風が吹き、決勝5艇中、3艇が浸水沈没した アクシデントがインパクトが大きく、記憶に残っている。 沈没・転覆回数は全大会(16回程の実施)で前述のように 8回程度と記憶している。例えば500レース程が実施された としたら、そのアクシデント率は約1.6%程度だ。 (注:昨年の記事では約3%と記載したが、そこまでは 多くは無かったので、ここで訂正しておく) ドラゴンボート大会全体でのレースあたりアクシデント率 (沈没、転覆、衝突)は、約0.25%程度と算出しているので、 本大会は、やや高い方だ。 なお、本大会での沈没の原因の大半は強風による浸水である。 (参考:コロナ禍以降は休止中だが、滋賀県で行われる 「高島ペーロン」大会では、レースあたりのアクシデント率 が約20%にもなる、なかなかデンジャラスな大会だ) 本大会そのものは、関空会社(関西エアポート株式会社) が積極的にバックアップしてくださっていて、協賛企業 (スポンサード)も多く、年々大規模になっていっている。 スポンサー企業様向けには、貴賓席(ラウンジ)の建物も 作られていて、飲食を提供するなど、なかなか豪華だ。 (なお、本大会での「ラウンジ」は、2018年頃から作られて いる。大会終了後は撤去してしまったので「勿体無い」とも 選手達等から言われたが、そのラウンジに有力企業の面々を 招待する事で、翌年にはスポンサー企業数が激増している。 ラウンジ設置費用等は楽に回収できる次第であり、さすが 関空会社は、なかなかの「関西の商売人」と言えるだろう。 また、当該2018年は、ラウンジ撤去直後に超大型台風の 直撃があったので、結果的に、撤去しておいて正解だった。 なお、今年のラウンジは撤去するか否かは不明だ) また、大会に関わるスタッフ(関空関連職員やアルバイト等) の数も非常に多いのだが、残念ながら、大会(競技)自体の 運営に関われる人たちは皆無である。 ドラゴン系大会の運営は、ある程度専門的/経験的な要素が 必要なので、ドラゴンボートのJDBA(日本協会)、ODBA (大阪府協会)および和歌山協会等のベテランスタッフが 運営を行う。しかし、本日は琵琶湖でも大規模大会が開催 されているので、SDBA(滋賀県協会)やKDBA(京都府協会) のスタッフ達は、そちらに向っている為、本大会では競技の 運営スタッフの数が圧倒的に不足している。(注:同様に びわこペーロン大会でも派遣舵等が不足していた模様だ) 最も厳しいのは「派遣舵」のスタッフ達であり、本kIX大会は その9割がビギナーチームにつき、専門の舵手(派遣舵)が 常に必要だ。ほとんど1日中、艇にのりっぱなしである。 また、配艇・乗艇スタッフも不足、それとスタート、ゴール、 本部(記録含む)、放送等も、ほぼ固定的メンバーであり、 各スタッフは休む暇も無ければ、食事を取る時間もない。 途中、かろうじて10分間、レース進行を止めて、その間に 派遣舵や配艇スタッフが昼食の弁当を食べていた次第だ。 実は大会記録撮影(写真)も大変だ。大会会場にはカメラや ビデオカメラを持っているカメラマンは多いのだが、大半は 関空会社の記録関連、報道、各チームでの記録要員であり、 大会オフィシャル記録撮影者は私1人しかおらず、各レース、 各チームの集合写真、会場記録、スナップ撮影等を全てこなす のは非常に忙しくて、夕方頃には、ぐったりと疲れてしまった。 これが例年のように酷暑の季節(8~9月)であれば、きっと 途中で倒れていたかもしれないが(汗)、26℃の適温で あった事に多少は救われた。 ちなみに、3台のカメラ(一眼レフ、ミラーレス機)での 総撮影枚数は、約2000枚(注:これでも押さえ気味だ) 大会記録アルバムへの選別枚数は約330枚であったので、 採用率は約1/6(約16%)である。 一般的に各大会撮影での歩留まり(採用できる写真の比率) は10%程度なので、今回は、少し無駄打ちを減らす措置を 心がけていた。(→前日の琵琶湖の大会からの2日続けての 大量撮影につき、事後の編集が大変だからだ) なお、写真選別と編集に必要な時間は、ほとんど撮影時間 とイコールである。本大会では、8時半~17時までの正味 8時間の撮影だったので、編集等に必要な時間もトータルで 8時間程度かかる。(加えて、ブログ観戦記事の執筆がある) 約20年間、ドラゴン/ペーロン大会を撮影し続けているが 私が引退後は、大会撮影と観戦記事をこなせる人は、まず 居ないかも知れない。そう(引退)となったら、選手達には 悪いが、もう記録撮影と観戦記事はナシとなるだろう・・ なお、観戦撮影の難しさは、各チーム、あるいは各レースや 大会全体の状況を完全に把握していないとならない事だ。 「レースの状況の把握」というのは、極論をすれば、発走前に それらの順位、タイム、距離差等が予測できている事になる。 (実際に、ほぼそれはできている) その予測を行うには、全チームの予選タイム等を、ほぼ全て 暗記しておく必要がある、一々メモしている暇は無いからだ。 それらから、毎レースでの順位関係を想定する。 (ちなみに、過去大会の順位等も覚えておく。チーム間での ライバル関係や心理状況もレース展開に影響があるし、又は チーム選手の撮影の為に会話をする際にも”昨年は2位だった ので、惜しかったですね”等の話題は必須となる) その予測に基づき、撮影位置(ポジション)や、撮影意図も 変化する。簡単に言えば、終盤で大差が付くだろうレースと 最後まで接戦となる可能性のあるレースでは、写真を撮る 位置も、撮り方も、撮影の意図も、大きく変化する訳だ。 「撮影意図」というのは、例えば、ライバル関係にある 2チームの場合は、ほぼ必ず両者の接戦の模様を撮らないと 面白く無い、等だ。他にも、沢山の「暗黙の撮影セオリー」 が存在しているが、詳しい説明は冗長になるので割愛する。 その為、「三脚を立てて1箇所から動かないで撮影する」とか 事前に何も考ておらず、「ボートが来たら格好良く撮ろう」等 といった手抜きの撮影技法は根本的に成り立たず、望遠レンズを 手持ちで構えながら3台の一眼レフ等を持ち歩き、レース条件の 変化に合わせて目的とする写真が撮れるように、コースの始め から、ゴール地点までの、いったりきたりを繰り返す。 その合間に、チームの集合写真や、会場スナップ撮影等を 行う次第だ。 総歩行距離(歩数)は、測ったことは無いが、恐らくは 3万~4万歩程度は、各大会撮影で歩いているだろう。 (→ウォーキング等で、それくらい(10数km以上)長く 歩いた場合と同等の疲労度となる) 大会に参戦している選手で、カメラが好きな人が居て、稀に 「この大会には参戦しないが、記録撮影に同行させてくれ」と 頼まれて、そうした事があるが、半日ももたずに、へばって しまい「撮影がこんなに疲れるとは・・ドラゴンを漕いでいる ほうが、よほど楽だ」と言われた事がある。まあ、まさしく 実際にもそんな感じだろう、大会カメラマンの後継者が全然 育たないのも、この困難な条件によるところが大きい。 さて、よもやま話が長くなったが、「スモールの部」の 模様について紹介していこう。 参加チーム数は、上表の通り17である。 注目チームは、専業チームの「鹿島龍舟部」および、 過去の本大会スモールの部で、優勝等の好成績を収めた 「空港消防隊」(注:過去のチーム名は「KIAS」「KOS」 等である)、それと、昨年優勝の「エアバス」チームだ。 (↓写真は、エアバス・ドラゴン・ジャパン) 決勝枠は5艘建てなので、上記3チームの他は、準決勝を 勝ち上がった空港/自治体関連チームのいずれかになるだろう。 他チームの予想がつきにくいのは、スモールの部の殆どは ビギナーチームにつき、毎レースでの実力値やタイムが 一定化しないからである。 また、優勝歴を持つ、消防系、エアバスも、毎年チーム編成 (メンバー)が異なっているので、実力値は一定ではない。 そして、「鹿島(かじま)」も、専業チームながら、遠方 (関東地方)からの参戦につき、メンバーが一定化していない 模様だ。 スモールの部の予選を終え、好タイム(1分10秒未満) を出しているのは、以下のチーム群だ。 1分02秒:鹿島龍舟部 1分04秒:エアバス・ドラゴン・ジャパン 1分06秒:ANAワクワク号 1分08秒:空港消防隊 1分08秒:FedEX DRIVE 1分09秒:Team iLane まあ、だいたい予想どおりの展開だが、注目チーム以外の 空港関連チームとして、ANAワクワク号、FedEX DRIVE、 Team iLaneの健闘が光る。 ANAは、ご存知の航空会社。FedEXも郵便/貨物/物流等で 著名であろう。iLaneは、空港での荷物検査や仕分け等を 映像解析やAI等で行う、インテリジェントなレーン装置を 手がける企業だと聞いている。 (2018年には本大会で4位に入賞している) これらのチームが、敗者復活→準決勝を経て、決勝に進出 できる5チームに減りつつ残っていくだろう。 ただ、例によってビギナーチームのタイムは安定しないので そのあたりは、まだ正確な予測は無理な段階だ。 準決勝の段階では、以下のような戦績となった。 2レースでの各2位までは自動的に決勝進出。 決勝5艇の残り1枠は、2レースの各3位のチームの速い方 がワイルドカードとなるが、これは「ANAワクワク号」が 2秒差で「アクア・マリーナ倶楽部」を退けた。 さて、決勝進出チームは以下の通りだ(レーン順) 1:エアバス・ドラゴン・ジャパン 2:鹿島龍舟部 3:空港消防隊 4:FedEX DRIVE 5:ANAワクワク号 予想順位だが、予選および準決勝で、最速タイムを 叩き出している「鹿島龍舟部」が優勝候補筆頭だ。 2位は優勝経験を持つ「エアバス」と「空港消防隊」が 接戦予想だが、トップの「鹿島」とは1艇身以上の差が つくと思われる。 そこから少し(さらに1艇身)離れて、FedEXとANAの 4位争いとなるだろう。 各集団の予想タイムは、追い風が無くなったので、 1分04秒、1分08秒(2位3位)、1分12秒(4位5位) という感じだろうか・・ すなわち、以下のような「模式図」の位置関係でゴール すると予想できる。 (注:数字はレーン番号。右から左に向けてレースは 進行する。図中の[_]1個は、約1秒の時間差) GOAL 5___________ANA← 4___________FeDEX← 3_______空港消防← 2___鹿島← 1_______エアバス← ___↑撮影地点 撮影地点は、ゴールラインの少し手前を選択。 この予想だと1、2レーンが「逆順」となるが(注:例えば 撮影地点から見て手前1レーンの艇の方が速くて1番手で来れば 2番手チームと同一構図内に収まるが、逆に撮影地点から奥側 の艇が先行する場合、すなわち1レーンより2レーンの方が 速い場合では、両者の艇を同一構図内に入れる事は難しい) ・・(逆順となるが)、それを避ける為には、撮影地点を スタート側に大きく移動する必要がある。しかし、それだと 接戦となっっているチーム群のゴールの瞬間を撮れないという ジレンマがある。 また、(超)望遠ズームレンズを使っての撮影につき、 先頭の艇と後続艇の距離差は、望遠レンズの「圧縮効果」 により、距離差が縮まって接戦に見せる事ができる。 ただ、その「圧縮効果」も、上記のレース条件では、殆ど 得る事ができない。 まあつまり、この決勝戦は(構図的に)あまり撮影条件の 良いレースには成り得ない次第だ。 でも、もしかして、先頭3艇が密集したままゴールラインに なだれ込む可能性もゼロでは無いので、そうした偶然 (すなわち「鹿島」の失速、あるいは「エアバス」や 「空港消防隊」の大健闘)を少し期待していた。 ゴール手前の撮影地点には、関空会社のビデオ記録スタッフの 方2名が居たので、待ち時間に世間話をしながら、この決勝戦の 予想順位等を説明し、撮れる映像の構図のイメージを伝えた。 (参考:他のカメラマン等と場所取り争い(や衝突)等の 無用なトラブルを避ける為にも、円滑なコミュニケーション および、詳細なレース情報提供は必須と見なしている。 まあ、ここまで予めのレース予測ができているならば、 ビデオでも静止画でもレースを撮影するのに、突発的な 事象に慌てようもなく、心理的な余裕は十分にあるから、 撮影時のトラブル等も、まず起こりようがない。 --- 要は、様々な撮影において、不測の事態に慌てて、ミスや 事故、トラブル等を起こしてしまうのは、「被写体の事を 良く知らない」等で、余裕が無い状態である場合が大半だ。 それはまさしく、「ビギナー層」での典型的な課題だ。 --- 近年、「カメラマン・マッチング」等のサイトで、一般層 での冠婚葬祭等の写真を、アマチュアカメラマンが依頼を 受けて撮る事が増えている模様だが(→安価に発注できる) そのアマチュア受注カマラマン達が、七五三やらの冠婚葬祭の 撮影で、周囲を鑑みない、極めてマナーの悪い撮影をしている 事が社会問題になってきている。そこまで周囲や状況が見えて いないならば、もはや、”全く余裕が無い”状態なのだろう) だが、本決勝戦では、少しだけ想定外の事象が起こった。 ↓写真はスモールの部の決勝戦序盤から中盤である。 このレースの結果タイムは、以下の通りとなった。 1位:1分01秒:鹿島龍舟部 2位:1分08秒:エアバス・ドラゴン・ジャパン 3位:1分08秒:空港消防隊 4位:1分12秒:ANAワクワク号 5位:1分13秒:FedEX DRIVE 順位は正解なのだが、予想から外れたのは、鹿島龍舟部が 想定タイム1分04秒を、だいぶ上回る1分01秒(これは 本日、スモールの部最速タイム)で、2位チームに約2艇身 もの大差をつけて独走ゴールした事だ。 この為、↑の写真では、レース中盤に鹿島龍舟部が 2レーンで飛び出す所までは捉えられているが、その後 鹿島が単独で独走してしまい、1~3位の艇が全て集中して、 接戦となるシーンが構図的に得られなかった事が課題だ。 かろうじて撮れたのは、「エアバス」と「空港消防隊」の 激しい2位争いである(↓写真) 何故、このシーンしか撮れないか?は、詳しく前述したとおり なのだが、こうした、レース写真での構図/空間感覚は、 かなり高度な概念なので、なかなか一般的には理解できない かも知れない。 普通は、「自分がモタモタしていたので、上手く撮れなかった」 などと、全く無関係な要素を原因だと思ってしまうだろう。 だが原因は「想定していたレース展開と僅かに異なっていたから」 であり、モタモタしようがしまいが、撮れないものは撮れない。 そもそも、事前に何も構図を想定していなければ、モタモタ どころか、いつシャッターを切るべきか?も判断不能であろう。 ちなみに、撮影者が事前に意図した構図が実現できる瞬間の事を 本来の(真の)意味での「シャッターチャンス」と呼ぶ。 だから、撮る写真(の構図)は既に決まっていて、その時が 来たら、正確に、その瞬間にシャッターを押すだけだ。 だが、世間一般での「シャッターチャンス」の概念は、撮影者が 思いもしない偶然の状況が目の前に現れ、「慌ててシャッターを 切った」などと良く巷で言われているが・・ 実際にそんな場面 に出くわして、ほんの1秒程度で、カメラの電源を入れ、各種の 設定を行い、構図を決め、ピントも合わせて、写真が撮れる人が はたして世の中に居るだろうか? 例えば、ビギナー層では写真を撮るまでに、最低でも数十秒~ 数分も掛かる人ばかりだ。熟練の超上級層でも2~3秒程度が 早撃ちの限界点だと思われ、「慌ててシャッターを切った」等と いう状況説明は誇張であり、そんな事は、まず起こりようがないか または、変化が無い、数分間以上も連続する珍しい気象現象等を、 のんびりと構えて撮る場合のみだ。 なお、「スマホならば、すぐ撮れるよ」等とは思うなかれ、 どんな速写カメラ機材でも、ゼロタイムからはいくばくかの 準備時間が必要だし、そもそも「シャッターチャンス」とは 撮影前に構図が決まっている必要がある。 カメラマン(=写真を撮る人達という意味)であれば、カメラ を持ち歩いている際は、常に周囲の状況を意識し、それらを 被写体と見なし、頭の中では連続的にシャッターを切っている 感覚を持つ。しかし、非カメラマン層(=写真を撮るという 意識が無い人達)の場合は、周囲の状況を、いったん”被写体” という概念に転換してからでないと、写真を撮る事ができない。 だから撮影前の従前から構図を意識している訳ではなく、そうで あるならば、本来の「シャッターチャンス」という機会は、 一生の内に、たったの1度も訪れない訳だ。 ---- それと、ドラゴンのレースを撮る際、「できるだけ構図内に ボートの占める面積(比率)を高める事」という大原則がある。 横に長い艇を単独で撮っても、あまり面白味がないし、前述の 「圧縮効果」も得られないので迫力も無い訳だ。 まあなので、独走状態にある艇の写真については割愛し、 優勝した「鹿島龍舟部」に関しては集合写真を載せておく。 優勝を機に、彼らと少し世間話をしておこう。 匠「鹿島さん、もはやKIXのスモールの部に出ても敵なしでは ないのですか? オープンの部とかに出たらいかが?」 鹿「まあ、そうなんですけどね・・ ほら、東京等からの参戦だし、選手層も多くは居ないので、 なかなか20人の遠征メンバーを集めるのは困難なのですよ」 (参考1:本年5月に行われた東京ドラゴン大会(未観戦) では、「鹿島龍舟部」は、スモールの部で決勝進出5位) (参考2:来年の大阪万博に向け、大阪市内のホテル等の 宿泊料金は、今年から既に大きな高騰が始まっている。 来年2025年での大阪地区でのドラゴン系大会は、遠方からの 参戦の場合、宿泊場所の確保とその選定には、かなり神経を 使う状態となるだろう。本KIX大会あたりでは、和歌山方面 からも十分に近いので、宿泊地選定の参考まで) 匠「そうでしょうね・・ だったら、琵琶湖でやっている スモール日本選手権はいかがですか?」 鹿「出場検討は、しているのですけどね。 いや、あの大会、皆、強いチームばかりで、ちょっと 怖いですよね・汗」 匠「あはは・・ (まあ、日本選手権だしなぁ)」 まあ、鹿島龍舟部さんが、本KIX大会優勝と、(出場中の) 日本選手権や東京大会でのスモールの部の優勝の栄冠も得て、 もうこれで「敵ナシ」と思ってくれたのであれば、まあ次の 目標は、自動的に「スモール日本選手権」参戦、あるいは 静岡の「ツナカップ大会」での優勝を目指すと思われる。 ”それらの大会で活躍する日を、お待ちしております・・” --- さて、表彰(式)だが、各カテゴリーの5位までが入賞で、 それ以下の順位でも、特別賞が2つある。 ↓写真は、4位となった「ANAワクワク号」の表彰の模様。 他のカテゴリー(混合、オープン)の部の戦績等については また次回の後編記事で詳しく紹介する。 最後に、スモールの部の5位になった「FedEX DRIVE」チーム の集合写真を掲載しておく(注:FedEXは、スモールの部に 3チームをエントリーさせていた。↓写真は、人数が多く、 入賞の「FedEX DRIVE」メンバーだけでは無いようにも思うが、 ちょっと詳細は不明だ) では、本記事はこのあたりまでで、次回後編記事に続く。
by pchansblog2
| 2024-11-28 07:20
| 【熱い季節】ドラゴンボート・ペーロン
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